西澤健太・北川航也・松原后 静岡出身24歳トリオ座談会(3)「サポーターと勝利を味わう瞬間が一番楽しかった」
あなたのエスパルス愛は…
北川:外に出ると余計感じる。エスパルスのこと好きだから、エスパルスのために戦いたいと思ってプレーするけど、移籍してオーストリアに来て、エスパルスのことが本当に好きだったなって思う。気になるのはエスパルスだし、映像を見られれば見るし、時間があれば。誰々が出て、誰々が頑張ってるなというところを見ると、自分も頑張れる。
西澤:俺も1チーム目というか、プロ自体は初めてだし、出たって言っても大学だったから、比較のしようがないけど、誰が外から来てもみんな特別だってことは絶対言うし、ここまで地域の人とか周りの人がエスパルスに対して熱い思いを持っているクラブはないと思うから、俺らも愛してもらっている分、愛さなくちゃいけないと思うし、俺らが子どもの頃に見てきたエスパルスのように、俺らも小さい子たちにサッカー少年、サッカー少女たちに見られているということを、今エスパルスにいる選手たちがもう少し意識しなければいけないっていうのは、今年1年感じたから、エスパルスをもっと愛さなくちゃいけないと感じてます。
松原:俺ら、静岡県出身だしね。
西澤:生まれた時からそばにあったし、見に行くって言ったら、俺とか航也はエスパルスだったと思うから。
北川:エスパの試合しか見たことないね。
片山アナ:海外から西澤選手の活躍ってどう見てました? チーム唯一の全試合出場。
北川:去年の夏以降のプレーを見ていたら、今年ぐらいの活躍はするかなと思っていたんで、驚きはないですけど、特に。俺があまり人を褒めないから、そう見てるだけかもしれないけど。それぐらいやる技術と頭の良さはあるから、それぐらいやるんじゃないかなとは思っていた。でも、34試合全部出るってことはなかなか難しいことだと思うし、試合が過密になっている中で、これだけ怪我をしないでコンディション維持に努めてハイパフォーマンスを続けられたっていうのは、選手自身にとっても自信にもなるし、良い経験になったんじゃないかなとは思いますけどね。
西澤:34試合、出させてもらったからこそ、ピッチにいるのに何もできてない、チームを勝たせられてないということは責任を感じている。個人的な数字は残せたかもしれないけど、それが勝利に繋がってないっていうのは、意味がないとまでは言わないけど、大袈裟に言ったら意味がないと思う。そこはもう少し、こだわれたら良いかなとは思う。
北川:一人でどうこうできるサッカーじゃないから
西澤:周りも巻き込まなきゃいけないし、ユース出身が多くなってるし、だからこそ巻き込んで行かなきゃいけないとは思ってる。
北川:アシストだけじゃなくてね。
松原:点取って欲しいね。
北川:ゴール取れればね、良いかなとは思っているけど。直接フリーキックをね。
海外リーグとJリーグの大きな違いは「球際」
西澤:ベルギーリーグだったり、オーストリアリーグで、Jリーグと比較して一番違うところは?
北川:球際。これはね、100%言えるね。テセさんが言ってたのがやっと分かったというか、日本代表の練習とかやってても分かるんだけど、海外の選手が多いから。でも、それ以上にキツイ。球際は。練習の中での削り合い、削り合いっていう、その表現が汚いけど、その表現が一番合ってる。
西澤:(うなづく)
北川:だから削られたことに対して、それが普通だよねみたいなスタンス、みんなは。そこの決定的な違い、100%それは違うって言える。
松原:本当にそうだよね。
北川:これは体験しないとわからないから、だから俺がこう言葉で言っても、エスパルスでの練習が変わることはまずないと思う。非常に難しいんだけど、でもオーストリアリーグは、それができないと試合に出られないし、それが最低限のところ。
松原:ベルギーリーグもマジで球際。
西澤:(笑い)
松原:本当に強くて早いし、球際も本当に削りにくるし、練習中でも掴み合いになって…。日本人のスタンスで行ったら、本当にダメだぞって感じだから。
北川:飲み込まれる。ナメられる。
松原:もうナメられたら終わりだよね。
北川:ナメられたら終わり。もう別に言葉が通じなくても良いから、日本語でも良いからケンカになる。
西澤:へー!!
北川:日本だとさ、美化されないけど、ど突いたりとかが。だけどこっちはそれが当たり前にある。普通というか、みんな、ずっとそうやってきていると思う。別にその選手が嫌いだから、削っているわけじゃない。ただボールを取りたいから、とりに行ってる。それだけしか考えてないから。だから20歳の選手が、30歳ぐらいの選手に思いっきり行くし。そういうところは、サッカーやってるなっていう気はする。
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