遠藤保仁、J2磐田に合流5日目でフル出場…存在感を発揮も痛い引き分け
元日本代表MF遠藤保仁(40)が加入したジュビロ磐田は、アウェーで松本山雅と引き分けた。遠藤はフル出場。連敗は3で止めたが、チームは8試合連続で勝利なしとなった。J1最多641試合出場の遠藤が、J2のピッチに立つのは7シーズンぶり。しかも、チームに合流して5日目でスタメンに名を連ねた。
右ボランチに位置した遠藤には、チームメートがパスを集めた攻撃は、遠藤はそれをワンタッチ、ツータッチでシンプルにさばき、好機と見ると前線にフワリとしたパスや鋭いパスを繰り出した。前半3分には、右アウトサイドキックでFW小川航基のチャンスを演出し、同31分にも小川航に縦パスを通した。そして、かつてガンバ大阪でチームメートだったMF大森晃太郎やDF今野泰幸との連係プレーも重ねながら、ゲームメーク。大森は再三、前線へのスルーパスで相手ゴールを脅かした。
遠藤の加入で明らかにチーム力が上がった磐田だが、前半はゴールネットは揺らせず、後半も膠着状態が続いた。状況を打破するため、鈴木政一監督は同17分には、小川航、中野誠也のツートップをルキアンと三木直士にチェンジした。その狙いが当たり、同20分には、遠藤の右CKからルキアンがヘディングシュート。GKの好セーブでボールがバーに当たると、体を投げ出して右足でシュートを放った。これは相手DFにカットされたが、同22分には再びヘディングシュートを放つなど、攻撃を活性化させた。
遠藤は、得意のセットプレーでも存在感を見せた。FK、CKの多くを任され、同25分には、ペナルティーエリア手前からFKで右足を振り抜き、ボールをクロスバーに当てた。
しかし、終盤になるにつれ、松本はゴール前を固め、遠藤や大森も決定的なパスを出せない状況になった。逆にカウンターでピンチを迎えるなどしつつ、試合は終了。遠藤はチーム加入後の会見で、「J1昇格は全く諦めていない」と言ったが、J1昇格圏2位のアビスパ福岡との勝ち点差は「18」に広がる痛いスコアレスドローとなった。
磐田・鈴木政一監督 何とか点は取らせたかった。組み立ては良かったが、突破、フィニッシュの質を高めていきたい。