夫婦で挑戦 勝利の喜びを分かち合いながら腕相撲日本一
三島市に住む茂出木一真さん。
山中湖でペンションを経営しています。
この時期、ペンションはクローズし、茂出木さんは、春の再開に向けホームページを更新するなど、準備に追われています。
ペンションでは調理などを担当している妻の絢子さんもこの時期は、自宅で家事に追われています。
長男の凪くんは2歳。
一見普通の夫婦ですが、2人そろって、あるスポーツに取り組んでいます。
それは…アームレスリング。
もともとボディービルに取り組んでいた一真さん、9年前からアームレスリングを始めました。
茂出木さん:
「(アームレスリングは)まずは本当に手軽に始められるというところで、本当に体一つあればどこでもできますし、相手さえいればどこでもできるというところが一つこの競技の魅力かなと思う」
自宅には本格的なトレーニングルームが…。
あまり見たことがないマシーンも並んでいます。
中にはアームレスリングに特化した特注のマシーンも。
茂出木さん:
「本当に競技台と同じ高さで、反対側もちゃんと手を持って、パットもこの位置から出ちゃいけないので、パットの位置もちゃんと意識しながら、倒しきるっていう、この動きを鍛える専門のトレーニング器具ですね。ほかの人がやってない特殊な器具を使うことによって、ピンポイントにこの競技に必要な筋肉を鍛えることができますので」
Qお金もかかるのでは?
「普通自動車1台買える分くらいはかけてます」
妻の絢子さん、当初は自分がアームレスリングをすることは、考えていなかったということです。
絢子さん:
「主人の練習にについて行って、まえから一緒にやろうと誘われてはいたんですけど、腕が太くなるとずっと思っていて、今ある服が着れなくなっちゃうって単純に思ってしまって。ちょっと私はって言って」
そんな絢子さん、4カ月前から競技を始めました。
絢子さん:
「女性ですごい強い世界で活躍している方とお話して、活躍している姿が本当にかっこよくて、私もいまからでも遅くないから、始めてって声を掛けていただいて」
去年12月、東京で開かれた腕相撲の全国大会で2人は、ともに優勝を果たしました。
夫婦そろっての優勝は大会初です。
茂出木さん:
「夫婦で勝ち取ったという勝利したときの喜びを、分かち合えるっていうのが一番醍醐味かなって思ってます」
土肥集学校
あたりが暗くなったころ、2人はある場所に出かけます。向かった先は…
到着したのは伊豆市の「土肥集学校」。
2017年に廃校になった旧土肥小学校を再利用した施設です。
三浦 徹記者:
「廃校になった小学校です。ここは保健室だった場所ですが、中ではアームレスリングがおこなわれています」
ここを拠点に活動しているのはアームレスリングクラブ「スパーズ」。
週1回の練習にはおよそ15人が参加します。
「スパーズ」西川賀己代表:
「毎週火曜日に7時から9時まで、仲間が集まってひたすらここで組んで練習することをやってます」
茂出木さん夫婦も、早速メンバーに混じって腕を組みます。
週1回の実戦練習は貴重だということで、一真さんは時間を惜しむようにメンバーと試合を重ねます。
ストイックに競技に取り組む一真さんをメンバーも歓迎します。
「スパーズ」西川賀巳代表:
「もうものすごい強い。最初から」
メンバー(男性)最年長(62歳):
「両手でかかっても勝てない、すごい、こんな人がいるのかと思う。こういう方が来てくれたのがうれしい」
メンバー(女性):
「ずっと女一人で、男性の中でやってきたので、そこに絢子さん来てくれたんで、今がすごく一番楽しいです」
絢子さん:
「やっぱりこどもがいたりすると、連れてけるかどうかというのが
一つのネックにどうしてもなってくるんですけど、誰彼みんな関係なく、ほんとに楽しく練習ができるのはありがたい」
Q自宅と違う?
茂出木さん:
「やっぱ違います。モチベーションとか、普段のトレーニングっていうのは2人であってますけど、結構地道なトレーニングが多いのでこういうところで人とやると、自分の今の力が見えてきたりとか。いずれはオリンピック競技になってほしいという思いがあります」
アームレスリングの楽しさを、多くの人に知ってもらいたいと話す一真さん。
これからも夫婦2人3脚の挑戦は続きます。