新球団『ハヤテ223』始動 本拠地・清水庵原球場に3つの課題…市は3000万円かけ安全対策強化 静岡市
11日、静岡市清水区で合同練習を開始したハヤテ223。静岡県として初、プロ野球にとっても66年ぶりの新球団です。球団の本拠地となる清水では…。
清水区民 50代:「いいことだと思う。2軍とはいえプロ野球チームができれば、(清水には)サッカーチームもあるし」
清水区民 80代:「自分はスポーツを見るほうではないが、若い人が活躍してくれて、清水がもうちょっと盛り上がってくれればいいなと思う」
清水区民 20代:「やっぱり静岡県はサッカーの県というイメージが強くて、自分もエスパルスが好きなので、野球は詳しくないが、ちょっと最初は気になるので、(球場に)行きたいなとは思う。野球は興味なかったが、これを機に」
3月のシーズン開幕に向けて準備が進むハヤテ223ですが、こんな実情も…。
3つの課題
静岡市が所有する清水庵原球場。プロ野球チームの本拠地化に向けて、3つの課題(①施設問題②交通問題③利用の確保)があげられています。
静岡市プロ野球球団連携推進室 山野井伸吾室長:「(課題で)安全面がある。内野スタンドの防球ネットが今のものだと低い。プロの強い打球が内野スタンドにライナー性の打球が飛ぶと、大きなけがをする恐れがあるので、いまの防球ネットを高くする」
現在、庵原球場の1塁側と3塁側にある防球フェンスは高さが2mほど。この高さではプロの打球には対応できないため、飛んできたボールが観客に当たらないよう、フェンスを3.5mに拡張するといいます。これには市民の「税金」が投入されます。静岡市では12月、改修にかかる3000万円の補正予算を議会で通していて、他にも外野のラバーフェンスの補修や場外にボールが出ないよう場外防球フェンスを設置するとしています。
また2つ目の課題については…。
静岡市プロ野球球団連携推進室 山野井伸吾室長:「庵原球場の駐車場が、(隣接する)第2球場を臨時駐車場と活用して、大体600台くらい。やはり駐車場が少し不足するというふうに我々も懸念をしている」
庵原球場の収容人数はおよそ1万人。多くの観客が車で来場した場合、駐車場が足りなくなる問題が浮上しています。また清水区民からはこんな懸念も─
清水区民 80代:「主人が介護施設にいたので、庵原に通っていた。車が渋滞になってしまうのが心配。せっかく(本拠地が)できても」
すでに、高校野球の大会が開催された時などには渋滞発生がしているという庵原球場周辺。交通環境が今よりも“悪化”してしまうのではないかという“不安”もあります。
また球場へ向かうのにバスを利用した場合…。
嶋田光希アナウンサー:「球場から歩いて5分ほどの場所にあるバス停、清水庵原球場入り口です。時刻表にはJR清水駅に向かうバス平日・土日ともに1日10本ほどです。そして午後3時、4時台は1本もありません」
庵原球場から2番目に近い路線でも多少本数が増えるものの、球場から歩いて20分と、決して近くはありません。静岡市と球団側は交通問題の解消に向け、シャトルバスの運用や、周辺に臨時の駐車場を確保できないか検討していくとしています。
残る3つ目の課題は、市民の球場利用についてです。ファームリーグのシーズンは3月中旬から9月末頃の間ですが、その期間、市民利用の平均日数は直近3年間で110日。全日平均でおよそ62%がすでに埋まっている状態となり、市が管理している球場であるからこそ、市民のための調整が必要不可欠となっています。
3月のシーズン開幕に向けて球団側が本格的に始動するなか、行政側の舵取りにも注目が集まっています。