サッカー元日本代表 長谷部誠さんに聞く①「日本代表キャプテンについて」

ロシアワールドカップはすごくいい時間だった

 昨シーズンで現役を引退した、サッカー元日本代表で代表チームのキャプテンも務めた長谷部誠さん(静岡・藤枝市出身)。7月12日放送のスポーツパラダイスでは、長谷部さんをスタジオに迎え、選手生活を振り返りました。聞き手は番組MCでサッカー元日本代表の槙野智章さん。(本文は敬称略)

(槙野): 2010年、2014年、2018年と3大会ワールドカップにキャプテンとして出場されましたが、どの年代が一番思い入れがありましたか?

(長谷部): 1番というのはなくて。それぞれの3大会とも、いろんなストーリーがあって、いろんな思いがあって、1番は決められない。

(槙野): そんな僕も長谷部さんと一緒に2018年のロシアワールドカップを一緒に戦わせていただきました。3戦目のポーランド戦は0対1で負けている中で、後ろでパス回しを選択して負け、夜、宿舎に帰った時のミーティング会場で、西野監督が「そういう指示を出して申し訳なかった」という話を選手にしました。その中で、キャプテンの長谷部さんが言ったのが「謝らないでください。監督がとった指示はぼくたちチームが次のステージへ進むための策。あれは勇気ある指示だったと思います」。長谷部さんの一言がものすごく刺さって、こんなキャプテンいないなって思いました。

(長谷部): あの時は自分たちがグループリーグを突破して、次に進むことが一番大事なことだったし、監督が謝る気持ちは十分理解できるけれども、自分たちが次に進むためには、1選手として何でもするつもりだった。そしてグループリーグを突破したわけだから、何か言う人がいるんだったら、見返してやろうよって、それをシンプルに言っただけ。

(槙野): あのときの長谷部さんの「一度つかんだファンにポーランド戦で悲しい思いをさせてしまった。それならば、次の決勝トーナメントのベルギー戦でもう一度そのファンをつかみにいきましょう」と言ったメッセージが今でも忘れられません。

(長谷部): まあ言った当の本人は結構忘れているんだけどね。(笑)あそこはチームがもう一回ぐっとまとまらないといけない時だったから、選手からメッセージを送る必要性はあったかなと思った。実際その後のベルギー戦はいいゲームができた。最後は負けてしまって残念だけど、ロシアワールドカップも、自分としては代表最後だったけど、すごくいい時間だった。

3回のワールドカップにキャプテンとして出場

日本代表で影響を受けた選手は

(槙野): 長谷部選手が日本代表で一番影響を受けた選手は?

(長谷部): 僕がこれだけ長い間キャプテンを務められたのは、他の選手の支えが無ければなりたたなかった。もちろん槙野もそうだし、その中でもよく相談してたのは川島永嗣とか。本当にみんなにささえられてキャプテンを務められた。

(槙野): キャプテンは大変という思いはありますか?

(長谷部): 槙野みたいな選手がいると大変。(笑)大変かといわれると、大変にするのは自分自身。自分に対してプレッシャーをかけすぎると大変になる。自分はかけすぎたときもあるし、最後はそんなでもなかった。まあでも楽しかった。

プレッシャーをかけすぎると大変

キャプテンは「誇り」

(槙野): キャプテンをやっていてよかったという思いはありますか?

(長谷部): よかったというより「誇り」。そこになるかな。

(槙野): 下の世代のキャプテンに伝えていることは?

(長谷部): キャプテンというのはそれぞれのチームがあり、それぞれのやりかたがあるから、何か伝えることはなく、そのチームに合うやり方でやってほしいと思って見守っている。

長谷部誠さん「キャプテンは誇り」