J1清水と契約満了のFW鄭大世、J2町田へ完全移籍 36歳、現役引退を決意から一転「老いた選手ですが、力の限り」

 J1清水エスパルスは5日、2020年シーズン限りでの契約満了となったFW鄭大世(36)が、J2FC町田セルビアに完全移籍すると発表した。

 鄭は2020シーズン途中で清水からJ2アルビレックス新潟に期限付き移籍。J2リーグで26試合9得点を記録したが、清水、新潟の両クラブとの契約更新はなく、この日、町田の公式サイトで発したメッセージでは「家族との相談の上、引退を決意しました」と告白しつつ、「成田空港へ向かう車に揺られながら、代理人に報告しなければいけないのに、名残惜しくて通話ボタンを押せずにいる時、ちょうど電話が鳴りました。そこでオファーを知り、家族の快諾のもと受けさせていただきました」と経緯を明かしている。
 その上で清水での生活に触れながら、現役続行の決意を示した。「息子がエスパルスのスクールでプレーする姿を見ながら、ここからプロになるのがどれほど大変かと想像した時、できるだけ長く続けることが全国の子供たちへの礼儀であり、生きる意味がそこにあると思います」「続けさせてくれるFC町田ゼルビア様に心から感謝して、その気持ちを現役選手としてピッチで表現していきたいと思います。老いた選手ではありますが力の限りを絞り出し、みんなで一花咲かすことに手を貸したいです。不束者ですがよろしくお願いします」
 もっとも、他クラブからもオファーはあったようで、「最後に、オファーを断らせていただいた各クラブの方々にこの場を借りてお詫び申し上げます。こんな自分にオファーをしてくれてありがとうございました。そして憲剛さん、ウッチーを筆頭に相談を聞いてくれた皆さんにもお礼申し上げます」とつづっている。

画像: J1清水の練習場で取材に応じた当時のFW鄭大世

J1清水の練習場で取材に応じた当時のFW鄭大世