復活優勝!渡邉彩香をサッカー元日本代表澤登正朗氏が祝福「1月から自信がありそうでした」
鮮やかに復活優勝を飾った静岡県熱海市出身の渡邉彩香(26=大東建託)に、親交のある元サッカー日本代表澤登正朗氏(50)が祝福コメントを寄せた。
「1月に対談した時から、自信がありそうに感じていました。 ティーショットにだけ不安を抱えていて、それが良くなって、手応えを感じていたようでした。 対談の最後にフリップに『優勝』と書いてくれたのが本当になって良かったです。そして、僕を含めてみんなが優勝を願っていたと思います。ツアー4勝のうち2勝が4日間大会。能力もあるし、パワーもあるから4日間大会が向いているのではないでしょうか。 今後は複数回優勝、そしてメジャー優勝を目指して欲しいです」
澤登氏自身もゴルフ好きでベストスコアは67。今年1月には、渡邉の練習ラウンドを取材した上で対談が実現した。その模様は、静岡朝日テレビ「スポーツパラダイス」(金曜午後11時10分)で放送された。以下は、その未公開分も含めた再録。
<2月14日放送の「スポーツパラダイス」から>
澤登氏 お久しぶりです。番組のゴルフ企画(12年1月)以来ですね。ゴルフの調子はそうですか。
渡邉 はい。ようやく良くなってきました。2年ぐらい前から、ティーショットの不調から始まり、スランプになってしまいました。ひどい時は、チーピンが出たり、右45度に飛んでいくわで。
澤登氏 考えすぎていたのでは。 渡邉 今、思えばそうですね。自分のいいところよりも、足りないところにばかり目が行くようになっていました。
澤登氏 18年は賞金ランク55位。そこまで「悪い」という印象ではないですが。
渡邉 17年ぐらいから自分の中では、(スイング中に)気持ち悪い感覚がありました。18年はトップ10が何度かありましたが、なんで良かったかが分からないままだったので、その後が続きませんでした。
澤登氏 そして、19年は最も悔しいシーズンになりましたね。
渡邉 18年の後半からすごく調子が悪くなって、オフには一生懸命に練習をこなして、なんとなくまっすぐ飛ぶようにはなりました。でも、シーズンに入ってみると、1発でもミスが出たら、ショットがまたとっ散らかって…という感じでした。
澤登氏 そんな時はどんな練習を。
渡邉 昔から自分の感覚を頼りにしていて、「練習をすれば良くなってくる」と思っていたのですが、やっても、やっても思い出せなくなりました。
澤登氏 ゴルフって、悪くなってくると、どこが悪いのかが分からなくて、迷走しますが、プロでもそうなんですね。誰かに見てもらいましたか。
渡邉 前に教わっていた先生から離れていた時期で、1人で取り組んでいました。そういうのもあって、どんどん分からなくなってきました。
澤登氏 で、また誰かに習うようになったのですか。
渡邉 はい。その後、何とかスイングに血が通うようになってから、新しいコーチに試合中の状態を見てもらうようになりました。昨夏です。練習場では良くても、試合ではダメな時期でもあったので。それで、自分の感覚で気持ち悪くなるスイングを伝えると、「じゃあ、こういう感じでやってみよう」などと、コミュニケーションが取れるようになりました。そこから、またゴルフが楽しくなってきました。
澤登氏 やっぱ、楽しくないとね。コーチの重要性を感じたと思いますが、どんなポイントを教わったのですか。
渡邉 (ダウンスイングで)パワーをためたくて、いつまでも右手が体にくっついて、リリースが遅れていることを指摘されました。それが調子が悪い原因でした。なので、右手を早目にリリースして、大きい円で振ることを心掛けるようになりました。オフの練習でもそれを課題にしていて、ようやく、不安なくショットが打てるようになりました。前は、構えた時に「どこに飛ぶのか」と思っていましたから。
澤登氏 さて、今のゴルフ界は「黄金世代」(98年度生まれ)が活躍しています。どう感じていますか。焦りはありますか。
渡邉 焦りはないですが、「みんな、うまいな。自分があの年齢の頃に、あんな完成したゴルフができただろうか」とは思います。でも、自分も若い時に活躍できていました。あの頃は、ピンしか見えなくて、パターも強気に打って結果を残していたので、そういう気持ちが大事なんだなと思って、刺激を受けています。もちろん、負けたくない気持ちもあります。
澤登氏 もう、飛距離でガンガンいけばいいですよ。
渡邉 はい。それでいこうと思います(笑い)。
澤登氏 サッカーも同じで若手に刺激を受けて、新たな闘争心が出てくるものです。ゴルフもそれが大事ですよね。 渡邉 そう思います。調子が悪くなると、ミスをしたくないという思いが強くなりますが、それではダメなんですよ。
澤登氏 日本人で42年ぶりにメジャー大会優勝を飾った渋野選手をどう思いますか。
渡邉 日本人で海外にスポットで行ってメジャーで勝ったことが、みんなに「自分たちもチャンスがある」と思わせました。(日本女子ゴルフ界にとって)大きいことをしたなと見ています。
澤登氏 一方で、昨季限りで何人かの女子プロが引退を発表しました。
渡邉 びっくりしました。でも、長くできるスポーツですし、何年もシードを取り続けている選手もいる。そういう人は、ガッツもすごいですよね。私、個人としても、多くの方に応援してもらっていますし、そういう気持ちがなくなって、「もう、勝てないな」と思ったら、引退になるのかなと思います。でも、私にはまだまだあります。ここ何年か勝っていない分、勝っていかないと。
澤登氏 まずは1勝ですね。あらためて今季の目標は。
渡邉 「優勝! 地元で」です。静岡では、応援してくださる方が多くて、ヤマハで優勝(15年)した時もたくさんの方に来ていただきました。
澤登氏 ちなみに、私もファンです。インスタもフォローしていますから(笑い)。
渡邉 ありがとうございます。頑張ります。