止まらない物価高騰…7月も食品3566品目が値上がり ラーメン店は自家製麺に切り替え経費を節約

 7月も物価高騰が止まりません。帝国データバンクによりますと、7月値上げとなった食品は3566品目。小麦粉などの粉類にパン類、さらにパックご飯や調味料、酒類なども値上げとなりました。

 今回の値上げで特に目立つのが「小麦粉」や「パン」です。日清製粉ウェルナは小麦粉などを2%~7%値上げ、山崎製パンは食パンや菓子パンの出荷価格を平均7%値上げしていて、
小麦が原料のパンだけでも1500品目を超える商品が値上げとなっています。

 原材料をめぐり厳しい状況が続く中、県内のラーメン店では“ある工夫”を凝らしていました。

自家製麺に切り替え経費節約

県内のラーメン店:「一等級のものと変わらないようなものを、かなり選別させていただいてなるべく価格を抑えるように努力しています」

画像1: 自家製麺に切り替え経費節約

 厳しい暑さが続く県内。そんな状況の中で売り上げが伸び始めるものがあります。冷たい麺料理です。暑さを吹き飛ばす、喉ごしのいい冷たい麺。ところが今年の夏は、いつもと違った夏になりそうなんです。

麺屋 燕 原田匡佑常務:「去年と比べて1.5倍~2倍近く粉の種類によっては上がっている。価格高騰に関しては、かなり厳しいなというのが正直なところ」

画像2: 自家製麺に切り替え経費節約

 島田市のラーメン店「麺屋 燕(つばめ) 本店」では、6月から期間限定の「本節鰹の冷やし麺」を販売(950円)。7月に入り、暑さが本格化したことで、6月と比べ売れ行きは2倍ほど増えているといいます。

 こだわりは国産小麦を100%使用した香りのいい麺。梅雨明けも間近となり、ここから本腰をいれて売り込んでいきたいところですが、「小麦値上げ」の影響が出始めています。このまま値上げが続けばラーメンの値段にも影響してしまう事から、思い切った変更を打ち出しました。

麺屋 燕 原田匡佑常務:「何回も値上げの話が来ていて、元々は製麺屋にお願いしたところを自家製麺に切り替えて、粉も厳選して一等級のものと変わらないようなものを、かなり選別させていただいてなるべく価格を抑えるように努力しています」

画像3: 自家製麺に切り替え経費節約

かつおぶしも「端材」使用し価格抑える

 ラーメンは?とスープのバランスなど、材料1つ1つの繊細なバランスで作られた料理。これを見直さなければいけないほど、「小麦の値上げ」は深刻なものとなっています。

 さらに、本節のカツオが決め手のさっぱりとしたスープにも、工夫を凝らしました。

麺屋 燕 原田匡佑常務:「本節のカツオでかなりいいところの鰹節を使用しているが、鰹節を加工する時に出る端材を使用して、価格を抑えていただくよう業者と話してやっている」

画像: かつおぶしも「端材」使用し価格抑える

 大量に発注することで、3割ほど値段を下げて仕入れることができるようになりました。今後も工夫を重ね、値上げをせず提供していきたいと話します。

麺屋 燕 原田匡佑常務:「今後も、まだまだ価格は上がると思うので、それに合わせて僕らもやれることを全力でお客様のためにしていけたらなと思っています」