「破格な値段」がウリのスーパー…安さのヒミツは『営業時間』!? 働く側にも大きなメリット 静岡・袋井市

超タカラ屋マネージャー 橘祐介さん
Q.きょうは何がお安いんですか?
A.「きょうは超特価品としまして、国産の牛肩ロース切り落とし限定30パック100g199円の超特価です。もうひとつありまして、アメリカ産の豚ローステキカツ用限定30パック100g68円の本体価格になっています」

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橘さん「頑張っています。ありがとうございます」

「超タカラ屋」…一番の売りは「破格な値段」

 店が「頑張っている」と胸を張る「値札」がついたお肉が並ぶのは、静岡県袋井市にあるスーパー、その名も「超タカラ屋」です。

画像: 「超タカラ屋」…一番の売りは「破格な値段」

 JR愛野駅から徒歩3分。住宅街にほど近い場所で今年5月にオープンしました。

来店客:「安いかなって思います」
来店客:「チラシを見て『安いなぁ』と思って買いに来ることがよくある」
来店客:「野菜とかも(袋に)いっぱい入って他と比べても安い」

 買い物客からも口々に「安い」という言葉が。その言葉通り、超タカラ屋の一番のウリは
破格な値段で販売される生鮮食品だといいます。

 取材した日、超特価品として「国産牛肩ロース切り落とし」が売られていましたが、県内の別のスーパーでは平均して100g548円でした。それが 超タカラ屋ではいくらかと言うと…100g199円。半値以下で販売されていたんです。

 さらに、「アメリカ産豚ロース」は別のスーパーで100gあたり平均168円でしたが
超タカラ屋では100g68円。こちらも半値以下。あまり見る事がない値段で販売されていました。なぜ、このような値段で販売できるのでしょうか?

安さのヒミツは『営業時間』

 その秘密は「営業時間」にありました。

画像: 安さのヒミツは『営業時間』

超タカラ屋マネージャー 橘祐介さん:「超タカラ屋は夜の7時閉店となっています。例えば彼女なんですけれど、本日の出勤時間は朝10時から閉店の夜7時となっています。(閉店時間が遅い)スーパーですと2交代制のシフトとなりますが、超タカラ屋では1交代の運用となっています」

 超タカラ屋では午前9時開店 午後7時閉店という営業をおこなっています。大手スーパーの閉店時間は県内だと午後9時前後のところが多く、それに比べると、午後7時の超タカラ屋は早めの閉店です。

 この「閉店時間を早める」ことがメリットになっていて、一般的なスーパーでは一つの業務に対して2人以上の交代制であたるのが一般的ですが、営業時間が短い超タカラ屋は、開店から閉店まで1人のスタッフが担当するため、その分の人件費が削減できるという仕組みです。

超タカラ屋マネージャー 橘祐介さん:「(この仕組みで)人件費を2割ほど削減することが出来ましたので、その分、商品の方に価格を転化することが出来ている」

午後7時閉店で「自分の時間」を

 削減された人件費は先ほど紹介した肉以外の商品にも価格で反映されています。フィリピン産のバナナは一袋98円、甘いトウモロコシとして知られる「ゴールドラッシュ」も98円です。商品が安くなることで客が喜んでいますが、実は従業員も喜んでいます。

画像: 午後7時閉店で「自分の時間」を

超タカラ屋 山田和奈さん:「仕事が夜7時に終わるので、家に帰ってから家族と一緒にご飯を食べられたりとか、自分の時間を自由に持てるのでとてもうれしい」

 一般的なスーパーと違うところは閉店時間だけではありません。実は超タカラ屋では月曜日を定休日としているんです。多くのスーパーでは定休日がないイメージが強いですが、ここにも“安さ”の秘密が隠れています!

超タカラ屋マネージャー 橘祐介さん:「当店では、毎週月曜日を定休日とさせていただいています。日曜日の午後からは、お値引きの販売をして、店内の(生鮮食品の)商品を売り切ります。(定休日明けの)火曜日になりますと、新しい(生鮮食品の)商品が店内に並びますので、店内がリフレッシュします」

 つまり、お得に買い物をしたい場合には日曜日の午後がねらい目ということ。実際に値下げのタイミングで買い物をした経験のあるお客さんに話を聞くことができました。

「夕方になるとお肉とか半額とかになるので日曜日の夕方」
「40%50%(割引)とかもあって、賞味期限までまだ日があったりしたので」

「定休日あり」も“働く側”にメリット

 営業時間と同じように、定休日についても“働く側”のメリットがあるようです。

超タカラ屋マネージャー 橘祐介さん:「毎週月曜日に、従業員が全員お休みとなりますのでスケジュール管理が容易になります。20年スーパーマーケットに勤めていますが、定休日があったお店は初めてなので。健康管理の面でも助かっています」

 今年4月に入社した新入社員からも…。

超タカラ屋 山田和奈さん:「サービス業に就職して、まさか定休日がもらえるとは思っていなかった。先の予定まで決めることが出来るので、とてもありがたい」

 スーパーの常識を覆す、新しいスタイルで安さと鮮度の両立を目指している超タカラ屋。現在は袋井市に1軒あるのみですが、これから他の市町に出店はあるのでしょうか?

超タカラ屋マネージャー 橘祐介さん:「超タカラ屋は、当社のモデルケースとして現在営業しています。順調にいきましたら、他の市町でも出店していきたい」

 安さのウラ側には買う側も、働く側もうれしいというWin-Winの仕組みがありました。