平和への祈りを込めた絵画「キッズゲルニカ」 1カ月かけて子ども達が完成…「他人事ではない」静岡・富士宮市

子どもたちが平和への祈りを込めて絵を描く「キッズゲルニカ」。静岡県富士宮市の高校生が1カ月余りかけた作品が完成しました。そこに込められた思いを取材しました。

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平和への祈りを込めた絵画「キッズゲルニカ」 1カ月かけて子ども達が完成…「他人事ではない」静岡・富士宮市

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ウクライナへの思いを込めて

 縦3.5メートル、横7.8メートル。平和について議論する国籍の違う人々。パズルのピースを咥えたハト…。富士宮東高校の生徒が作った「キッズゲルニカ」です。

画像1: ウクライナへの思いを込めて

「キッズゲルニカ」は、平和を願って子どもたちが絵を描く国際的なプロジェクト。作品はピカソの「ゲルニカ」と同じ大きさです。1日に開かれた富士宮市の市制施行80周年式典に合わせ、市内の高校生や小学生が制作しました。

生徒:
「左が戦争を行っていて、右が平和というイメージで描いた」「戦争から平和に移り変わるところを一番見てほしい」

画像2: ウクライナへの思いを込めて

富士宮東高校で制作が始まったのは4月下旬。芸術コースの2年生23人が参加しました。
「小麦っぽくない?」
この日は、ウクライナで生産が盛んな「小麦」の色付け作業をしていました。

女子生徒:
「早く平和になってほしい気持ちはあるが、願うだけで平和になるわけではないので、絵を見て、ウクライナとかの被害を受けている国を助けたいとか見ている人が動けばいい」「テレビがカラーになった時代に爆破を見ると思っていなかったので、すごく衝撃的。日本がウクライナに対して支援しているが、応援しているということを伝えたいと思って描いています」

1カ月余りかけて作り上げた作品。あちらこちらに「ウクライナ」や「平和」へのメッセージが込められています。ベースとなったのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「最後の晩餐」。表現したのは、国籍が異なる人々が平和について議論する様子です。

遠くから見るとウクライナの国旗が

 ウクライナで生産が盛んな小麦畑。その上に広がる青空。遠くから見たときにウクライナの国旗を連想するように工夫しています。

生徒:
「主に机の上の小物を担当して、左が戦争を行っていて右が平和というイメージで描いたので、右のほうがモチーフが多くなるように描いた」

作品の一部に描かれたのは、崩れかけたパズルのピース。もろく、崩れやすい 世界の平和を表現しました。パズルの1つのピースを咥え、羽ばたくハト…

生徒:
「ピースを直して平和を作るハトを描きました。表面的な平和で裏には戦争とかがあって、平和の『ピース」とパズルの『ピース』をかけている」

作品には、2つの言葉が添えられています。

「他人事ではない」
「世界の平和のために、私たちができること」

生徒:
「戦争から平和に移り変わるところを一番見てほしい。絵でウクライナの現状とか、戦争の悲惨さを、もう一度再確認してもらえたら」

小学生が描いたキッズゲルニカも展示

画像: 小学生が描いたキッズゲルニカも展示

 会場では、ほかにも富士根南小学校と大富士小学校の児童が作ったキッズゲルニカも展示されました。富士山や虹、ウクライナの国の花の「ヒマワリ」などを描きました。

訪れた人:
「ウクライナを深く思い起こすようなデザインになっていると感じると同時に、平和を大人も子どもたちと同じように守っていくべきだと強く感じた」「世界中の人と仲良くしたいというのが 伝わってくる」