地元では草薙神社の大鳥居と思われていたけど…実は所有者不明 静岡市が1100万円かけて代執行で撤去へ

須藤誠人アナ:「草薙駅近くの道路沿いにそびえ立つ、地元住民のシンボルにもなっている大鳥居。老朽化により撤去されるということです。近くで鳥居を見ると所々、削れています。さらに鳥居の上の部分なんですが、コンクリートが剥がれ落ちています。中央部分も何かで補強されているようです。このように昭和50年に建てられた大鳥居ですが、実は、所有者が分かっていないということで、静岡市は代行で撤去工事を行うということです」

須藤誠人アナ:「草薙駅近くの道路沿いにそびえ立つ、地元住民のシンボルにもなっている大鳥居。老朽化により撤去されるということです。近くで鳥居を見ると所々、削れています。さらに鳥居の上の部分なんですが、コンクリートが剥がれ落ちています。中央部分も何かで補強されているようです。このように昭和50年に建てられた大鳥居ですが、実は、所有者が分かっていないということで、静岡市は代行で撤去工事を行うということです」 70代男性:「ちょっと複雑ですね。危なくなければ、もうちょっと置いてもらいたい気もするんだけど。でも持ち主がいないというのは変だよね。関係ない所にこんなもの作ることないんだから」

40代女性:「目印にはなっていますね。『鳥居がある所ですよね』って」
須藤アナ:なくなってしまうと
40代女性:「少し寂しい感じはします。コンクリートか何かが落ちて、それが頭に当たるって考えると、(撤去も)仕方がないかなと思う」

画像: 地元では草薙神社の大鳥居と思われていたけど…実は所有者不明 静岡市が1100万円かけて代執行で撤去へ

所有者不明の大鳥居

 静岡市清水区草薙の、県道407号線沿いにある大鳥居。1キロほどの距離には草薙神社があり、地元では、鳥居はてっきりこの神社のものだと思われていました。

建てられたのは1975年。しかし所有者はわからず…

 建てられたのは1975年。そこまでわかっているのに、なぜ所有者が分からないのでしょうか。静岡市に聞いてみると…

静岡市土木事務所 鈴木康之所長:「事務所内でも驚きはありました。昭和50年になるんですけど、県の施工の区画整理の中で所有者が分からないまま建てて、引き継ぎが神社または氏子さん等、ちゃんと管理が引き継がれなかったという状況になっているものですから、今回は特殊」

 元々ここには別の鳥居が立っていましたが、45年前、道路を広げる区画整理の際に、その鳥居は撤去。代わりに現在の鳥居が建てられました。しかし、その当時から鳥居の所有者は分からず。  結局、誰が管理するかも明確にならないまま、今に至ったということです。

 持ち主不明の大鳥居。この事実に地元の自治会長も驚きを隠せません。 草薙西自治会 花崎年員会長:「一般的には(草薙)神社のものだというのは当たり前だと思うじゃない、見方としては。ただ調べた結果違うってことだもんで。じゃあ誰のもんだっていうことで調べた結果、結局持ち主分かんないってことになった」

 全国的にも珍しい、持ち主不明の大鳥居。この日は、撤去の情報を見た県外の歴史ファンもその姿を最後に一目見ようと草薙を訪れていました。

県外観光客30代:「今回のインターネットの記事見て、そこの歴史を知りたいなという思いがありまして、きょうはここに参拝しました。街にこんなものがあるという一つのシンボルというか地元の形かなと思いますので、あってほしいものではありますね」

「地震があると不安」

 一方で、鳥居のすぐそばにある店の人からはこんな声が。

店の人:「今立っているうちに、もし地震とか、車がぶつかったりするとそれがね。税金を使っても何かあった場合困るから撤去した方がいいと私は思います」

コンクリートがはがれ落ち

画像: コンクリートがはがれ落ち

はがれ落ちた跡

 鳥居の老朽化については以前から地元で問題となっていたそうですが、去年5月、ついに恐れていた事態が。 草薙西自治会 花崎年員会長:「(コンクリートの)剥がれがすでに分かってて、どうしようかという議論はしていたんだけど。結局、剥がれ落ちちゃったもんで、ここにかなり落ちたんですよ」

 この出来事をきっかけに、地元自治会などは市に鳥居の撤去を要望しました。

草薙西自治会 花崎年員会長:「もちろん寂しいとは思うんですよ、長年たっているので、周りの人に聞くと。だけど、こういうことが起きたときに思い切ってやった方が、将来の子どもたち、次の世代の人たちに負担をかけないからと、判断した」

静岡市が代執行 費用は1100万円

画像: 静岡市が代執行 費用は1100万円

鈴木康之所長

 要望をうけ、市は所有者に代わって工事を行う「代執行」を行うことを決めました。しかし、ここで問題になるのが、撤去費用です。周辺の道路修繕などを含めると、費用は総額1100万円ほどかかるといいます。
静岡市土木事務所、鈴木康之所長:「もしこのあと所有者が分かれば、その所有者の方に撤去にかかった費用等請求することになります」
須藤アナ:見つかる可能性は?

静岡市土木事務所 鈴木康之 所長:「今までも、市が書類を調べたり当時の担当者等に聞き取りしたりしましたが、分からなかったので、今後新たに所有者が見つかることは難しいのかな、と思います。地元の人にとってはシンボルである草薙の鳥居がなくなってしまうのは、少し寂しいと思いますが、安心安全を考えれば、速やかに撤去する必要があると思います」

 45年間、街のシンボルとなっていた草薙の大鳥居。撤去作業は今月8日から18日まで行われる予定です。この期間は、夜から朝にかけて周辺の県道で交通規制が行われます。