「今年の一皿」は「冷凍グルメ」!? 拡大のきっかけは新型コロナ…「味はお店と全く一緒」冷凍ラーメンをアナウンサーが食べ比べてみた
「2022年今年の一皿は『冷凍グルメ』です」
その年の世相を反映した象徴的な“1品”を選ぶ「今年の一皿」。
毎年「ぐるなび総研」が発表しています。
なぜ「冷凍グルメ」?
例えば、2014年は野生動物の衛生基準が定められたことを受けて「ジビエ料理」が選出され、2015年には新たなブランド米のブームを背景に、お米を強く握らない新時代のおにぎり「おにぎらず」が選ばれています。
最近だと、2019年には県内でも各地でブームを起こし、社会現象ともいえる状況だった「タピオカ」が選ばれています。
そんな時代を象徴するような「今年の一皿」。
なぜ今年は「冷凍グルメ」なのでしょうか。
「急速冷凍機の導入が大きなきっかけ」
ぐるなび総研・市川萌乃さん:
「飲食店での急速冷凍機導入が加速したことでレストランの味をそのまま再現できるようになったものが冷凍グルメとして誕生しました。やはりコロナ禍ということが一番、大きなきっかけにはなっていると思う」
「冷凍グルメ」とは飲食店が店で提供するメニューを冷凍化し、その開発から販売まで手掛けることを指します。
現在、寿司までもが冷凍販売されるようになりました。
静岡県内でもイタリアンレストランや老舗そば店など、多くの飲食店で冷凍グルメを販売しています。
店で使われているのがこちらの急速冷凍機。
「からあげ」であれば1時間ほどで冷凍できるそうです。
また、冷凍グルメをより身近にしているのが自動販売機です
「味はお店と全く一緒」
林輝彦アナウンサー:
「冷凍グルメを買ってみます。2番。では買います。出てきた、結構重たい、出てきました」
裾野市にある人気ラーメン店でも冷凍グルメの開発に力を入れています。
「麺工房 海練(うねり)」。
冷凍自販機を店の前に2台設置し、冷凍グルメの開発から販売までを行っています。
自動販売機ではラーメンやまぜそばの他に、カレーや角煮などが店頭と同じ値段で売られています。
Q何買いました?
裾野市民:
「トマトンコツ、まぜそば買いました」
Q買われる理由って何かあるんですか?
「お店が休みで、食べたくなったり、いつでも食べれるから」
Q食べてみた感想はいかがですか?
「お店と全く一緒ですね、味は。どうしても食べたいってなった時に食べるのが良いんで、多分(冷凍グルメの)ブームが続くと思います」
清水町民 :
「やっぱ自宅で作るので、茹で時間とかもやっぱ変わってくるので、自分お店で食べる方が好きですけど、自宅で食べるのもなかなか変わってて、美味しかったです」
自動販売機でお店の売り上げの半分を担うことも
店主の小田切さんは、昨年8月に冷凍グルメの自動販売機を設置しました。きっかけは「新型コロナ」です。
麺工房 海練 小田切真吾 店主:
「コロナ禍で営業時間の短縮などがあったので、ちょっと、これだとお店もちょっとやばいなと思ったんで、それで置かせていただきました。こちらに補充するんですけれど、もう補充してもしても、お客さんが買っちゃうので、もうドライブスルー状態なんですよ、僕たちが補充するっていうよりも、手渡しでやった方が早いんじゃないかってぐらい、最初はもうお客さんが来ていただきました。導入したての時はもう店の売り上げの半分ぐらいの売り上げを売り上げました」
現在、自動販売機で販売しているのはラーメンを中心に20種類以上。新メニューの開発にも力を入れています。
夕方には主婦が、夜間は1人暮らしの男性が“夜食”として購入していくそうです。
本当に味が変わらない?林アナが食べ比べ
冷凍の場合、味の違いはあるのか?店頭で出しているラーメンと、冷凍ラーメンの食べ比べをさせてもらいました。
林輝彦アナウンサー:
「こちらが冷凍グルメの方です、見た目は全く変わらないです。いただきます、おいしい。おいしさ全く変わらないです。お店で出している方と冷凍グルメの方だしの香りと、豊かさ味わい、そして麺の感じも全然変わらないです、ちょっとびっくりしました」
冷凍ラーメンの作り方はスープと具材が入った袋と麺を別々に鍋で温め、どんぶりで合わせるだけ。手軽に店の味が楽しめます。
一方、店にとって冷凍グルメは「24時間販売可能」ということからメリットも大きいようです。
「自販機が助けてくれるんじゃないか」
麺工房 海練 小田切真吾 店主:
「これ24時間働いてくれるので、いかんせん僕もいっぱい働きますけど、24時間さすがに働けないので、こちら本当にありがたい。先月から沼津の唐揚げの王様っていうお店があるんですけれども、そちらで今、自販機を置かせていただいて、当店の商品を取り扱いさせていただいています」
実際に店を構えなくても、県内各地に自分の店の味を広めることができる。
「今年の一皿の冷凍グルメ」は実際に店側としても今年を象徴する商品となっていました。
麺工房 海練 小田切真吾 店主:
「コロナ禍でも、これからコロナどうなるかわからないんですけど、また感染者が増えたりした時には、こちらの自販機が助けてくれるんじゃないかと私は信じております。コストがかかるんですけど、立地だったり、宣伝の仕方だったり、いろいろ工夫をすれば売り上げが立つんじゃないかと思っています。今後はお客さんの需要があれば、どこにでも出したいなと思ってます。」