新常識?職場で「ととのう」 ヘビーサウナー社長“肝いりの福利厚生” 古民家テント式も人気
冷え込みも本格化してきたなか、人々が集まっているのが熱々のサウナ!
利用客(40代):
「気持ちいいですね、最高です」
利用客(20代):
「12分ぐらい入ってますね。結構、限界が近いです。くせになりますね」
今年の流行語大賞には、サウナで心と体をリフレッシュすることを表す言葉「ととのう」がノミネートされるなど、今やサウナは全国的なブームとなっています。
サウナの聖地と呼ばれ、全国からも多くの愛好家が訪れる静岡市の「サウナしきじ」でも、昨今の人気を実感していました。
サウナしきじ 大村英晴店長:
「非常にうれしい。皆さん気持ちよく帰っていくのを見ると非常にほっとする。今はずいぶん(コロナ禍)前と比べると来店自体が多い。常連客が非常に多くて、それこそ1日に2・3回来る方もいるくらい、この水じゃないとととのえない方が非常に多いので」
日本のサウナの実態調査をしている日本サウナ総研によると、実はサウナ愛好家の数は、5年前のおよそ2800万人から今年は2500万人と、全体的にはやや減少傾向にあります。
しかし、月に4回以上サウナに入る「ヘビーサウナー」と呼ばれる人たちは、2年前から徐々に増加。
特に月に15回以上入るという人は、およそ9万人増加しています。
実際にこちらでも、そんなヘビーサウナーが数多く訪れていました。
利用客(20代):
「週2・3回ぐらいは行くんじゃないか。仕事終わりとかに汗をかきに行こうと言って、銭湯に行ったりする」
利用客(30代):
「仕事が休みだったら、週3・4回とかは行く。今はだいぶ、最高の水風呂なんでととのってます」
サウナを愛し、サウナに取りつかれた「ヘビーサウナー」たち。そんな彼らに支えられたサウナ人気は、県内でも大きな広がりを見せているんです。
アナウンサー:
「新東名高速、新静岡インターから車で10分ほどのところにある足久保という場所に来ています。こちらには立派な一軒の古民家があるんですが、実はこの中に一風変わったサウナがあるということなんです」
緑豊かな山々に囲まれた静岡市葵区足久保にある古民家。一見すると料亭のような佇まいですが、中からはモクモクと白い湯気が立ちのぼっています。
こちらは、10月にオープンした「sauna MYSA」。古民家と、サウナ発祥の地フィンランドで生まれた「テントサウナ」を融合させた新しいスタイルの施設です。
sauna MYSA 中井俊彦代表:
「テントサウナは基本アウトドアでキャンプしながら、自分だけのオンリーワンサウナとして、ヘビーサウナーの人たちが自分で(サウナを)やりたくなっちゃう。だったらちゃんとした水風呂を設けたテントサウナ施設ってないよねというところで、作っちゃいました」
オーナーは、静岡市に住む中井俊彦さん。
サウナ歴8年、今も月8回以上は必ず通うというヘビーサウナーです。
中井さん:
「よかったら入ります?」
アナウンサー:
「え、いいんですか?」
中井さん:
「全然、むしろしゃべるよりも体験してもらわないと、サウナは」
アナウンサー:
「じゃあちょっと今回テントサウナ挑戦させてください」
ということで!
アナウンサー:
「さあ、着替えもすっかり済みまして、これからテントサウナの中はどんなものなのか見ていきたいと思います」
アナウンサー:
「失礼します。うわ、すごいもう熱い空気が!わー意外と広い!ゆったりとした空間に、椅子もたくさん並んでますね。そして2段になってる!これぐらい広々とした空間ですね」
テント内に置かれているのは薪ストーブ。
この熱によって中の温度が80度から90度ほどに保たれています。
そしてこのサウナで欠かせないのが…。
sauna MYSA 中井俊彦代表:
「これがロウリュ用のサウナストーンです。ここの石が熱されて、水をかけることによって、これをロウリュというが、ここから蒸気が出て、さらに発汗する」
アナウンサー:
「たしかに熱い空気が流れ始めましたね」
ロウリュとは熱した石に水をかけて水蒸気を発生させ、サウナ内の温度を一気に上げる入浴法。
水もただの水ではありません。「ヴィヒタ」と呼ばれる白樺の小枝の束を浸したものを使います。
水蒸気と共に木の香りも広がるという本場フィンランド仕様。
これによって、テント内はどんどん暑くなっていき…。
アナウンサー:
「あー!すごい!あー」
数分後には身体中から大量の汗が。
ロウリュをすることによりテント内の温度は一時的に95度近くまで上がることもあるそうです。
暑いサウナから冷たい水風呂に入り、外で休憩する。
これを何回も繰り返すことで満足感や幸福感を得ることを、「ととのう」と言います。
常連客の中には1日10セットほど行う猛者もいるといいます。
sauna MYSA 中井俊彦代表:
「(QこれからこのsaunaMYSAをどういうものにしていきたい?)本当にリラックスと安らぎと心のケアまではいかないけど、サウナってそんな感じじゃないですか。本当にビギナーから、ミドルの人もそうだし、ヘビーの人も楽しめるような空間にはしたいな」
古民家とサウナ、異色のシチュエーションでととのいます。
他にも、県内には新しいスタイルが出始めているんです。
アナウンサー:
「浜松市北区のとある住宅街に来ています。なんでもこの辺りの意外な場所にサウナがあるということなんです。早速行ってみましょう」
訪れたのは浜松市北区にある工場。一体どんなサウナがあるのでしょうか。
アナウンサー:
「この場所にサウナがあるとお聞きしたんですが、どうもあるようには全く見えないんですが」
金原工業所 金原正典代表:
「そうですね、サウナが好きすぎて、会社にサウナを作ったんですよ。これが水風呂ですね。水風呂に入りながら、この大好きな鉄骨を見ながらととのうという、そういう形になっています」
なんとこちらの会社にあったのは、好きな時にいつでも入れる職場サウナ。
広さは縦横2m、セルフで行えるロウリュも設置されていて、会社の中にあるとは思えないほど本格的です。
金原工業所 金原正典 代表:
「(Qいいの作りましたね?)そうですね、最初は自宅の方に(縦横)1mぐらいのサウナを作ろうと思ったが、なかなか家族の理解、妻の理解も難しいし、断念して会社に作った方が社員も入れるので一番ベストかなという選択をした」
社長の金原さんは、1年のうち300日はサウナに入るという生粋のヘビーサウナー。
コロナ禍でサウナに行きづらくなり、それならいっそ職場に作ってしまおうと、1年前にこのサウナを建てました。
実は、職場や自宅にサウナを作るのが今ブームになっているとのこと。
このサウナを販売した県内のメーカーは現在、家庭用サウナの注文がコロナ禍前と比べ2倍に。
また県内の別のメーカーでも、注文数が増えすぎて工事が7カ月待ちになっているケースもあるといいます。
福利厚生として会社で購入したため、社員は入り放題。
社内には、すでに社長に次ぐ第2のヘビーサウナーも。
金原工業所 豊田剛士さん:
「ほぼ用事が無ければ毎日利用させてもらっている。子どもが2人いて、休みの日に来て一緒に使わせてもらったりとか、また翌日から仕事に精を出していこうという気になれるところが良いと思う」
徐々に増えつつある職場や自宅でのサウナ。
最大のメリットは、やはりいつでも「ととのえられる」こと。
金原工業所 金原正典 代表:
「やはり体も心もリフレッシュして翌日の仕事に備えられるというのが一番大きくて、気持ちよく仕事ができるというのが一番」
ヘビーサウナーたちによって進化を続けるサウナ。皆さんも一汗かいてみてはいかがでしょうか。