中学校の不合理な「トンデモ校則」を生徒の意見で見直しを進める取り組み 静岡市

学校での不合理な「トンデモ校則」が全国的に問題になっています。これを受け、静岡市では校則の見直しに生徒の声を反映させようという試みが行われています。

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中学校の不合理な「トンデモ校則」を生徒の意見で見直しを進める取り組み 静岡市

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 静岡市は昨年度、校則見直しのガイドラインを出し、市内の公立校では校則の見直しが進められています。

 17日、市の教育センターでは「校則の見直し実践発表会」が行われました。

 校則の見直しに積極的に取り組んでいる市内2つの中学校の生徒がオンラインで、「生徒自らによる校則見直しの取り組み」を発表しました。

発表 末広中:
「これまでの校則見直し委員会では、全校生徒がどの校則についてどんな思いをもっているのかということを大切に行ってきました」

 葵区の末広中学校は、生徒会の役員が学校での取り組みをVTRで発表しました。

 「全校生徒からアンケートをとり『校則見直し委員会』で話し合い、よりよいものを選びぬいてきた」と説明しました。

発表 末広中:
「私は校則について、最初は校則なんていらない、厳しいだけだと思っていました。ですが今は私たち生徒が、安心安全に生活するための、大切な校則という考えに変わりました」

続いてもう一校の発表は

発表 西奈中:
「西奈中学校では、令和3年度から、校則の見直しを進めてきました。今から西奈中学校の校則の見直しについて発表します」

 葵区の西奈中学校では昨年度から、生徒へのアンケートなどを実施し、校則見直しに取り組んできました。

 その結果、去年3月には、4点の校則が見直されました。下着や靴下の色、髪型などについて内容が変更されました。

 また、女子生徒はスカートだけでなく、スラックスも着用できるようになりました。

 そして今年度は、別の校則が見直しの対象になりました。

発表:
「今年度の11月に行った、学級討議や生徒総会に提案した内容を説明します。今年度は外靴の色の指定、防寒着におけるタイツやスパッツの着用の2点を議題としました。この2点は昨年度の3月に行った校則に関するアンケートで、見直しを求める意見がもっとも多かったものです」

 生徒にアンケートをとり、多かった意見を元に生徒会の担当が見直し案をまとめました。

 見直し案は生徒総会で承認され、校長らの了解をへて、ようやく今月から校則が変更されました。

生活専門委員長 中島春陽さん:
「校則をかえるまでに、こんなに時間がかかったり、可決されるまで、考えることがたくさんあるんだなと思いました」

 これまで「白一色」だった外靴は、最も意見が多かった「白、または黒、紺などの制服に近い色を基調とし、2色までは可」に。

 タイツやスパッツに関しては「防寒着として、白、または黒、紺などの制服に近い色のタイツやスパッツを着用できる」となりました。

生活専門委員長 中島春陽さん:
「冬でもすごくあったかく過ごせて、凄くいいと思いました」

 校則の見直しに関わることについて、生徒はどう考えているのでしょうか?

生活専門委員長 中島春陽さん:
「最初は普通に先生たちが決めるものだとおもってたんですけど、こんな風に自分たちできめるようになって、生徒自身の立場として、校則が決めれるのはすごくいいことだなと思いました」

生徒会本部 校則担当 岩崎翔さん:
「自分が中心となって、初めて校則を生徒の手で替えることで、自分的にはすごいやりがいを感じています。今後は他の生徒からも意見を集めて、よりよい学校生活がつくれるような、全員が納得するような、校則の改定をすすめていきたい」

 この取り組みについて学校側は?

西奈中 生徒指導主事 大村悠紀先生:
「こどもたちがよく考えて、こどもたちなりに、答えを出していったかなと思っています。ですので、実際に見直しがされたことが、生活に反映された時には、こどもたちは割ときめたことを、意識して生活ができているんじゃないかなと思っています。私たち教師が決めたことではなくて、自分たちの意見が反映されている。自分たちの声が届いているという感覚を、持ってくれる生徒が、多いと感じているなら、それはうれしいと思います」

 西奈中ではこれからも年に一度は、校則を見直す機会を生徒主導で設けたいとしています。

画像: 続いてもう一校の発表は