コロナ禍で苦戦のアパレル業界…在庫を大量購入し安価で販売するショップも 静岡市
店頭に並んでいるのは、大幅に値引きされた商品ばかりです。
ブランドが抱える在庫を大量に買い取り安価で販売
JR静岡駅前の百貨店「松坂屋静岡店」の中にある、こちらのアパレルショップ。「オフプライスストア」という新しい業態で注目を集めています。ブランドが抱えている余った在庫を大量に買い取ることで、30%から80%近くまで値引きしたお得な価格での販売を実現しています。
利用客:「バッグが好きなので、バッグを見たらすごく安いから、間違いだよねって二度見した。私は焼津だが、近くにあればいいなと、静岡まで来ないといけないから。今からまだ見たい」
発祥地であるアメリカを追うようにして、近年は国内でも店舗数が増加。DVDやCDのレンタルショップを手がける「ゲオホールディングス」では、現在、静岡や関東などに9店舗を出店しています。
ゲオクリア 川辺雅之社長:「商品は全て新品で、ちょっとラグジュアリー(ぜいたく)なハイブランドのようなものから、本当に買いやすい日常のカジュアルな衣料まで、一つの店の中で楽しんで選ぶことができるので、宝物探しのように楽しんでいただけるというのも、このオフプライスストアの特徴」
様々なブランドがそろっているのが特長
ブランドが抱えた在庫品を安く販売するという、オフプライスストアと同じ発想の業態が「アウトレットモール」です。しかし、アウトレットで扱えるのは自社のブランドのみ。商品の種類がおのずと限定されてしまいます。
一方で、オフプライスストアでは様々なブランドを取りそろえることが可能。消費者が豊富な商品から購入できるメリットがあります。
ゲオクリア 川辺雅之社長:「アパレル業界としても、大量生産の中で過剰な在庫をどうやって消費していくかというのが、 社会的な問題にもなっている。お客様が普段は目にしない、手に取ったことのないブランドというのも、チャレンジできるような価格で着ていただけるので、ブランドもさらに広げていくというという効果もある」
北川アナのコーディネートは
様々なブランドの商品を通常よりも安く組み合わせることができるのも、オフプライスストアならでは。お店が提案する、この春一押しのコーデを、北川アナが試着させてもらいました。
北川アナ:このコーディネートのポイントはどこですか?
ラッククリアランスマーケット松坂屋静岡店 佐藤淳店長:「今トレンドのルーズなラインのボトムス、それに当店でもすごく人気のチェックのアウターと、インナーを白にすることによって、ボトムスとコートがそれぞれ引き立つようなコーディネートにさせていただいている。最後に今年のトレンドのペイルトーンのバッグもつけている」
北川:まさにこれからの季節にピッタリのコーディネートですね
そして、気になるお値段は…。
北川アナ:こちらのコーディネート、全部でいくらくらいですか?
佐藤店長:「定価4万5000円が当店だと1万2000円で、73%オフになります」
若者を中心に人気の「ナノユニバース」のコートが存在感を放つこちらのコーデ。通常の店頭価格は全身合わせて、およそ4万5000円ですが、こちらの店では、73%オフの1万2000円で購入することができるんです。
客も思わず…。
利用客は…
「色々買いすぎて…。元々買ったサイズがLサイズだったんで(ここで)Mサイズが売ってて良かったので買った」
Q.革ジャンは結構高いイメージがあるがいくらだった?
700円ぐらいで買えたのですごくお得だった。
Q.この他にも全部で何点買った?
合計7点ぐらい買った、すごい量…。
Q.7点でいくらだった?
5000円ぐらいで買うことができた。
店舗拡大の背景に新型コロナの感染拡大
業界に新たな旋風を巻き起こしている、オフプライスストア。店舗拡大の背景には、新型コロナの感染拡大が影響しているといいます。
ゲオクリア 川辺雅之社長:「外出の自粛もあって、アパレル業界は、市況としては厳しい状況だとは思うが、私たちの方で、もう1回廃棄処分をするわけではなく、(別の会社が)再販をさせていただくということで、取引ができないかという話もよく聞いている。今のトレンドに合わせて(ビジネスを)変えていくという動きはやはり出ている」
コロナ禍で苦境に陥っているアパレル業界。メーカーには以前にも増して、売れ残りの在庫が積みあがっているといいます。
オフプライスストアでは、そうした在庫を大量に買い取って販売。ブランドにとっては、在庫を廃棄することなく売り上げにつなげることができ、ストア側にも幅広い商品を仕入れられるメリットにつながっています。
ゲオクリア 川辺雅之社長:「商品の価値は必ず残っていて、それが再利用されているということに対して、お買い得感だけじゃなく、価値を認めてもらった人に使っていただけるということで、無駄に捨ててしまうことがなくなると思っています。このビジネスは、これから先、必要になってくると思うし、そのビジネスモデルとして、私たちがひとつの助け舟というか、協力できるような体制になっていくことができたらすごくいいんじゃないかなと」