藤井聡太六冠が渡辺明名人に挑む…名人戦7番勝負第2局 注目の「おやつ」は 静岡市
「史上最年少と七冠」か「タイトル4連覇」か
将棋の藤井聡太六冠が渡辺明名人に挑戦する名人戦7番勝負の第2局が静岡市で始まりました。将棋界の8大タイトルで最も歴史がある名人戦。舞台は、3月、藤井六冠が名人戦挑戦者を決める戦いでも訪れ、勝利した場所、静岡市葵区の「浮月楼」です。
午前9時、対局が始まると先手の藤井六冠はいつも通り、初手・お茶から。
名人戦初挑戦、20歳の藤井六冠は史上最年少の名人獲得と「七冠」の獲得を、渡辺名人は、「名人」のタイトル4連覇を目指します。
藤井六冠 対局場の確認に細心の注意
対局前日、盤や駒などを事前に確認する「検分」に臨んだ藤井六冠。検分中、上を向いて部屋の明るさを気にする場面も。
担当者:「照明はいかがでしょうか?」
藤井六冠:「大丈夫です」
対局場の確認に細心の注意を払う藤井六冠。時より笑顔を見せる場面もありました。
前夜祭…2人の意気込みは
そして、26日に行われた前夜祭では。
藤井聡太六冠:「3週間ほど前に第1局があったが、その中で名人戦という舞台で対局できることの喜びや楽しみな気持ちを本当にとても強く感じた。その気持ちを持って、2日間、盤上に集中してよい将棋にできるよう頑張りたい」
渡辺明名人:「あしたからの第二局も、自分自身も満足できるような内容の将棋を目指して頑張っていきたい」
将棋ファンを前に意気込みを語った藤井六冠と渡辺名人。名人戦は7番勝負で4月5日と6日に都内で行われた第1局は藤井六冠が勝利しています。
別の会場で大盤解説…県内外から多くの将棋ファン
林輝彦アナウンサー:「皆さん、時折うなづきながら食い入る様に解説を聞いています。また何か熱気の様なものも感じます」
対局が行われている浮月楼では別の会場で大盤解説が行われていて、県内外から多くの将棋ファンが集まりました。
静岡市民60代:「楽しみですね。第1局勝っているんで、藤井六冠が最年少名人をとってもらいたい」
東京から60代:「まだ1日目なので、そんなに差は開かない状態のままであればいいなと思っている。渡辺名人がどんな作戦をするのかが楽しみ。渡辺名人がなんとかタイになれば、おもしろい名人戦になると思う」
愛知から60代:「熱戦を期待している。(藤井六冠は)まだ若いから負けても勝ってもまだ先はあるから。両方とも頑張ってほしい」
藤井六冠が2勝目をあげるか、渡辺名人が1勝1敗の五分に戻すか、注目が集まる第2局の勝敗は28日の午後には決まる見込みです。
注目の「おやつ」は
勝敗もさることながら、毎回、将棋のタイトル戦で注目されるのが、棋士が対局中に食べる「おやつ」です。静岡市は、名人戦を盛り上げるため、おやつ候補を決めるコンテストを実施し、応募のあった25品の中から市民投票で8つのおやつを選んでいました。
午前10時、午後3時の2回注文される「おやつ」。
藤井六冠が午前のおやつに選んだのは「玄米茶のわらび餅」。
一方、渡辺名人は「漆黒の甲冑と徳川四天王のタルト」でした。
お店の人も反響の大きさに「びっくり」
林輝彦アナウンサー:「藤井六冠が午前10時のおやつに選んだ玄米茶のわらび餅なんですが、本日分は完売しました」
藤井六冠が注文した「玄米茶のわらび餅」。足久保の玄米茶パウダーをわらび餅の生地に練りこんだ一品です。
お店の方も、反響の大きさに…。
大国屋製菓舗 川合史剛店長:「まさかとは思っていたが、本当に(注文が)来るんだみたいな、ちょっとびっくりした。うれしい半面、今までに経験したことがないことなので、これかどうなるのかというのが率直な意見」
わらび餅を買いに来た常連客からも、喜びの声が…。
静岡市民 40代:「ニュースで見た。ちょっとうれしかった、いつも食べているものを(藤井六冠に)食べてもらえたので良かったと思った」
棋士が食べた「おやつ」は毎回同じものを食べたいという人が殺到。社会現象と言っても過言ではありません。
取材したこちらのお店ではおよそ50個あったわらび餅が正午ごろに売り切れに。通常の2倍以上売れたといいます。
大国屋製菓舗 川合史剛店長:「夏季限定で夏だけの商品。(練りこんである)玄米茶は静岡の緑茶の発祥と言われている足久保の玄米茶を使っていて、水も安倍川の伏流水から流れている湧き水出ていて、そこの水を使っている玄米茶のわらび餅。静岡の名産原産を凝縮したものなので、藤井先生記憶に少しでも残るものになってくれればいいと思う」
午後のおやつは2人とも「茶っふる」
午後3時、本日2回目のおやつの時間、藤井六冠、渡辺名人が選んだものは同じもの。2人が選んだのはワッフルで抹茶クリームなどを挟んだ「茶っふる」。
お店を取材すると
林輝彦アナウンサー:「2人が3時のおやつに選んだ茶っふる。早い時間帯に売り切れてしまいました」
トップ棋士2人に選ばれたことについてお店の方は…。
前田金三郎商店 前田冨佐男代表取締役:「まさか2人に選んでいただけたのは光栄以外の何物でもない、それよりもびっくりした」
反響も大きいそうで…。
前田金三郎商店 前田冨佐男代表取締役:「取材とか、もうすでに結構ある、ネットでも続々と注文が入ってきている、ありがたいと」