【密着】夫婦でスズメバチハンター…なぜ? 駆除は夜になってから 「9月から10月は凶暴になる」 静岡・掛川市
危険生物「スズメバチ」。巣に近づくカメラに向かって一斉攻撃。夏から秋にかけての今の時期は、スズメバチが攻撃的になる危険な時期です。
依頼者(女性)「ちょっと怖くて結構飛んでいるので
依頼者(男性)「(巣ができるのが)2回目なんで、ほかの人に食いつかなきゃいいなって」
毎年10~20人がスズメバチに刺され死亡
厚生労働省によると、毎年全国で10人から20人がハチに刺され、亡くなっています。日常を脅かすスズメバチ。その被害を防ぐため、重要なのが巣の駆除です。年間200件もの駆除を行う、静岡県掛川市の凄腕ハンターに密着しました。
内山千沙都さん:「毎年恒例だよね」
内山周士さん:「このあと、もう1件入ってるの、夜」
静岡県掛川市に住む、内山周士さん・千沙都さん。夫婦そろって、ハチハンター。自宅では、4人の子どものパパとママ。9歳になる次男の隼汰(はやた)くんに、将来の夢を聞いてみると…。
内山隼汰くん:「ハチハンターになることです。やっているところ何度も見てて、かっこよかったから」
直径30センチ以上の巣を…
子育てとスズメバチの駆除に奮闘する2人に、この日も巣の駆除依頼が。向かったのは、菊川市。住宅からもほど近い、山の一角に…。
内山千沙都さん:「おおースゴイ!」
依頼者:「よくあんなところに作ったと思う」
内山千沙都さん:「今年一番大きい(巣)かもしれないですね」
直径30センチ以上ある、コガタスズメバチの巣。比較的おとなしいものの、住宅に巣を作ることも多く、刺されると強い痛みが生じる危険なスズメバチです。依頼者は巣ができた場所の近くに住む女性。
依頼者:「家の裏に工事の業者が入っていて、(巣が)あるよって言われて、(思ったのは)びっくりと怖い、どうしよう、その3つですね」
防護服を着て、夫婦のハチハンター、いざ出陣! まずは巣の状態を確認。
内山千沙都さん:「網はいらなそうだね」
内山周士さん:「うん」
夜駆除するワケは…
妻の千沙都さんが照らす灯りを頼りに、ビニール袋で巣を一気に回収する大胆な作戦で駆除に取り掛かります。
内山周士さん:「捕まえました。捕まえました。これで一匹も残らず捕まえました」
スピーディーに駆除を完了。これにはある秘密が…。
内山周士さん:「昼間取ってしまうと、巣に戻ってくるハチが何匹もいて、それを極力減らそうということで、夜に駆除しています」
ハチには朝から昼にかけて活動し、夕方から夜にかけて巣で休む習性が。夕方以降を狙うことで、多くのハチをまとめて駆除出来ます。
内山周士さん:「完全な駆除ですよね。お客さんに不安を残さないようにするのが一番かなと思いますので」
危険なスズメバチを一網打尽。依頼者も一安心です。
夏から秋にかけて、ハチハンターの夫婦は大忙し。
内山千沙都さん:「過去最高は1日7件。今年だと6件」
駆除の依頼はハチの活動が活発になる7月から10月にかけて増加。観測史上最も暑い夏になった今年、ハチハンターも影響は避けられません。駆除に欠かせない、防護服。気密性が高く、熱中症との戦いでもあります。
植え込みの中の巣…枝が城壁のように
ハチハンターへの駆除依頼は止まりません。依頼があったのは掛川市の住宅街にある一軒家。スズメバチがいるのは…
内山千沙都さん:「ちょうど巣穴が見えますね」
道路に面した庭の植え込みの中にできていたのは、またもコガタスズメバチの巣。枝が城壁のようになって、まるで巣を守っているかのよう…。
内山千沙都さん:「植木って、少し切っても大丈夫ですか?」
依頼者:「いいよ」
周りの木を切り落として、巣を丸裸にしてから駆除する作戦です。日が暮れて、いよいよ駆除の時間に。
内山千沙都さん:「結構元気だね」
内山周士さん:「うん」
まずは、殺虫剤を噴射。
内山周士さん:「堅い…」
予想以上に堅く、太い枝が作業を阻みます
内山周士さん:「のこぎり頂戴」
内山千沙都さん:「はい」
内山周士さん:「ありがとう」
のこぎりを使って巣に近づいていきます。
内山周士さん:「巣の場所が、ちょっと手ごわいですね」
懸命の作業によって徐々に巣のカタチがはっきりと分かるまでに。作業開始から30分。ついに…。
内山周士さん:「巣の撤去が完了です」
巣にいたスズメバチはおよそ200匹。被害を未然に防ぐことが出来ました。
依頼者:「良かったよ。食いつかれずにすんで」
この先しばらくは、スズメバチへの警戒が必要な時期が続きます。
内山千沙都さん:「9月から10月にかけて繁殖期に入るので、普段よりも凶暴になって、数も増えるので、より一層気をつけなくてはいけない時期になってくると思います。ハチが飛んでいるところには近づかない、巣を見つけたら近づかない、というところが一番大事」