「神明ボウル」50年の歴史に幕(3)「私はここで育った。ここがホーム」森彩奈江プロ 静岡市

 閉店を惜しむかのような涙雨となった先週、「神明ボウル」を、一人の女性が訪れました。

●記念撮影
森彩奈江選手:「いきますよ」
女性)彩奈江ちゃん真ん中…
森彩奈江選手:「大丈夫ですか?」

 この女性は、現役プロボウラーの森彩奈江選手。

 今年でプロ17年目を迎えた森プロ。去年は、女子ボウラーが競うPリーグで、見事シリーズチャンピオンに輝きました。

森彩奈江選手と記念撮影

かつてはアルバイトも

 実は森プロ、大会やイベントの間を縫って「神明ボウル」を訪れたことには、ある理由が…

女性)練習してた!
森プロ)してました、そうあそこでね。

 父親の影響で、小学生のころからボウリングを始めたという森プロ。プロへの挑戦時、そしてプロになってからも3年間、この神明ボウルで、数えきれないほどのボールを投げてきたのです。

森彩奈江選手:「プロになる前、プロテスト私3回落ちているんですけど、その間、ここでアルバイトをさせていただいて、練習するときは一番向こうの1番、2番レーンでずっと投げていたんですよね。「森プロはそこでいつも投げてたね」という話を聞いて、思い出して、自分でもあそこでずっと投げてたな、というのは思い出にありますし、ここで私は育ったので、ずっと気持ちの中ではここがホームだと思っています」

2004年

 自分のゲームが終わっても、レーンを回り、お客さんたちと言葉を交わしたり、いいプレーにはハイタッチを交わす場面も…

男性とのやり取り
男性)きょうね、ストライク6個も続いてね。246でた。
森プロ)すごいじゃないですか!すごい、ナイス!
女性)きょうは森さんがいるから。パワーを森さんがね。

お客さんとコミュニケーション

慣れ親しんだ「神明ボウル」

 慣れ親しんだ「神明ボウル」で過ごす、最後の時間。思い出を焼き付けるように、その姿をカメラに収めます。

森彩奈江選手:「きょう、本当に投げてまた再認識したんですけど、ここに足を運んでくれる皆様、本当に温かくて、スタッフの皆様も含めて、本当アットホームなんですよね。やっぱりここに来るとホッとするというか、プロになってから結構悩むこともあるんですけど、やっぱりここが自分の原点ですし、本当、寂しくなりますね」

 半世紀以上にわたり、人々の心に思い出を刻んできた「神明ボウル」。惜しまれつつも9月30日、その歴史に幕を下ろしました。

森彩奈江選手