静岡市山間部の老人ホーム近くでクマの目撃情報 目撃相次ぎ県は『クマ出没マップ』作成

木村秀平ディレクター:「静岡市の山間部、水見色地区です。こちらではおととい(7日)に、クマと見られる生物の目撃情報があり、市に通報がありました。道路にはクマ出没注意の看板が掲げられています」

木村秀平ディレクター

 クマの目撃情報があったのは、茶畑などが広がる静岡市葵区の山間部。市のよると、7日午後1時半ごろ、この地区にある、特別養護老人ホームの北西付近で、「クマを見た」と通報があったということです。

木村秀平ディレクター:「こちらがクマを見つけたとされる現場です。近隣住民によりますと、当時この川の中で工事をしていた作業員が、このあたりでクマと思われる生物を見かけ通報したということです」

 市によると、目撃されたクマのような生物は、体長1m20cm~1m50cmほど。目撃した作業員は、当時上流に向かって川を上っていたところ、1度クマのような生物と目が合い、その後、山の方へ逃げ去ったということです。

 市はクマの可能性が高いとみて、目撃されたその日に周辺を捜索していますが、痕跡などを見つけることはできなかったということです。

静岡市の水見色地区

 クマの目撃情報に地元の人も困惑の色を隠せません。

地元の人:「この老人ホームの上あたりでクマが目撃されたということで、ちょっと怖いなと思っていた」

Q.やはり怖さは感じた?
A.「そりゃ、やっぱり、(クマで)亡くなったニュースもずっとやっているから怖いなと思って。だから後ろを時折気にしたりしている」

 県によると水見色地区はクマの生息確認地域とされていますが、住民によるとクマの目撃情報はほとんどないといいます。

イノシシやシカの被害も

 一方で、取材を続けると、クマではない別の野生動物に困っている住民もいました。

お茶の渋川園 渋川幸弘代表:「ここはうちが管理している茶畑。特に多いのがイノシシとかが、(自然に生えている)イモを掘っちゃって、茶の木を抜くという被害が結構ある」

渋川幸弘代表

 こう話すのは、この地区で30年以上お茶を栽培している渋川さん。イノシシの他にも、野生のカモシカに茶葉を食べられるなどの被害を受けていて、昔と比べると、山の環境が変わってきているのではないかと話します。

お茶の渋川園 渋川幸弘代表:「この地域でもクマが出たと聞くのは初めてなので、いろいろ環境が昔とは変わってきて、そういうことが、こうした被害につながっているとひしひしと感じている」

静岡県はクマ出没マップを作成

 県内では静岡市以外でも、10月から11月にかけ、「クマがいない」とされていた伊豆半島でクマが発見されたり、富士市の住宅街付近にクマの出没情報が相次ぐなど、緊張状態が続いています。

 そうしたなか、県は8日、クマ出没マップをホームページで公表。8日時点で、今年度65件のクマ目撃情報があることが明らかになりました。県は鈴を携帯するなど、クマよけ対策を呼び掛けています。

クマ出没マップ