ヘアドネーションに臨む男子中学生 母の思いとともに髪を寄付 静岡市清水区

病気や事故で髪の毛を失った人に向けて髪を寄付することを「ヘアドネーション」と呼びます。
こうした行動を起こした1人の男子中学生に密着しました。

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ヘアドネーションに臨む男子中学生 母の思いとともに髪を寄付 静岡市清水区

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「こんにちは。いらっしゃいませ。」

 学校終わりに美容院にやってきた三つ編みの男子中学生。

(壯真君)すごいね。
(美容師)髪の量がすごいね
(お母さん)倍くらいあるんです。多毛で。(強調)

 櫻井壯真君、15歳。

 生まれつき病気を抱えていて、その症状で人よりも髪の毛の量が多くなっています。

 また、思うように言葉を話すことが出来ません。

 壯真君が美容室に来た目的、それは「ヘアドネーション」です。

画像1: ヘアドネーションに臨む男子中学生 母の思いとともに髪を寄付 静岡市清水区

 ヘアドネーションとは、病気や不慮の事故で髪を失った
18歳以下の子どもや女性のために、寄附された髪の毛で
ウィッグをつくり、無償で提供する活動のこと。

 壯真君は髪が多いという自分の個性を生かして、ヘアドネーションを決断しました。

母友美さん:
「伸ばしていくうちに皆さんから、『毛が多いのでヘア
ドネーションいいんじゃない?』という声を聞いて。ヘアドネーションって本人も聞いた後に2人で調べたんですけど、
そこで『壯真、この髪の毛を使って髪の毛が無くなっちゃった子や髪の毛が欲しいよという子にプレゼントするんだって』という話をしたら、彼がいきなり「壯真、どうぞ、するよ」と言ったんです」

画像2: ヘアドネーションに臨む男子中学生 母の思いとともに髪を寄付 静岡市清水区

 人気アニメのキャラクターに憧れて髪の毛を伸ばし始めた
という壯真君。

 提供に必要な31センチ以上の長さまで小学6年生の頃から頑張って髪の毛を伸ばしてきました。

美容師:
「ありますね、40㎝以上」

カット開始

画像1: カット開始

 さあ、壯真君、いよいよカット開始です。

 友美さんも真剣に見守ります。

画像2: カット開始

友美さん:
「全部そうちゃんのだよ」

 こうして1時間以上に及ぶカットの末、壯真君の寄付する
髪の束が出来上がりました。

友美さん:
「そう、あげるんだよ、どうぞって」

友美さん:
「さっぱりな感じです。軽そう。どう?しばれないね」

画像3: カット開始

 自分の髪の毛を握る壯真君。

 不思議な感覚のようです。

友美さん:
「本人が『どうぞって』『どうぞしたいよ』という気持ちが強かったので、どうぞするんであれば私も協力して良い髪の毛にしていこうと思って2人で頑張ってきたので、ちょっと感慨深いものがありますね」

画像4: カット開始

友美さん:
「とにかくシャンプーと乾かすのが、人の3倍、3人
分くらいあるんですって。だからすごい大変だなという思い出と、男の子なのに女の子と言われたりとかいろいろと大変
なことはありましたけど、そんなことが走馬灯のように出てきましたね。必要としている方に喜んでいただければと思います」

 持ち帰った髪の毛は医療用ウィッグをつくる会社に送る予定だということです。

画像5: カット開始