魚離れにブレーキを…月1回の「詰め放題」イベント 大盛況も2月で終了…そのワケは 静岡市清水区
4日午前8時半、静岡市清水区由比にある地場産品を取り扱う「むつみ市場」の前には行列ができていました。みなさんのお目当ては「詰め放題」。
月に1回「魚のつめ放題」
こちらは地元でサクラエビやシラスなどの仲買いをしている原藤商店の直営で、2019年7月から毎月1回、「魚のつめ放題」を行っています。
むつみ市場 原 藤晃(とうこう)さん:「最近は魚離れという問題があったり、由比漁港で未利用魚と言われてる魚、型が小さい魚とか、あとロットがまとまらない魚というのが、問題になってるという話を聞きまして、由比の町の中に(人が)入ってこないという、いろんな問題、いろいろ考えていたら、これがいい企画なんじゃないかっていうところに行きついたのが、魚詰め放題という企画ですね」
遠方、県外からも…人気のイベントに
この日用意された魚はタチウオ、カンパチ、メアジ、イワシなど合わせておよそ400㎏。9時に開店すると、待ちかねた客が早速袋に詰め込んでいきました。
参加した女性
Q.結構入れましたけど、もうちょっと入れますか?
A.「まだ入るから。」
Q.結構あふれそうですけど?
A.「入ってればいい、頭かしっぽが」
ルールは簡単。800円か1000円の袋を買ってとにかく入れるだけ。時間制限はありません。
Q.実際、やってみてどうですか?
A.「楽しいですけど、よくわからない。段取りがまだつかめてない」
店員:「頭・しっぽ少しでも入っていればいいので、もうどんどん縦にどんどん積んでいってください。もう少しで入れば大丈夫ですので」
参加者(今回が3回目)
Q.入れるこつは?
A.「差す。ブーケのお花のように差していく」
およそ1時間で400キロは完売。こちらの女性は4.6キロ分を詰め込みました。
先頭の女性
Q.買いましたね どうですかやってみて?
A.「面白かった、もう一回並びたいぐらい」
むつみ市場 原 藤晃さん:「いつもより多めに準備したんですけど、それでも足りない状況になっている。回を重ねるごとに、来られる方も本当に増えてまして、遠方県外からも来られたり、あと宿泊をしてこの魚詰め放題に来られる方もいらっしゃるまで発展しましたね」
大盛況のイベントも2月が最後
大盛況のイベントですが、実は4日が最後の開催でした。背景にあるのが電気代の高騰です。用意された魚はすべて冷凍されたもの。冷凍庫は欠かせないものですが、開催するごとに数百キロの魚を冷凍することが負担になったといいます。
むつみ市場 原 藤晃さん:「去年の夏ぐらいから、顕著に電気代の高騰がどこの家庭もどこの事業所も1.5倍、2倍になっている。管理費の負担も否めないのが要因」
さらにこんな理由も…。
むつみ市場 原 藤晃さん
「最近は水揚げ量が魚つめ放題用に出てくる魚が少ないということで、準備が十分にできていなくて、(客を)迎えるにはちょっと足りていないということで、1回区切る形になった」
参加した人
「もうちょっと続けてほしい」
「(未利用魚を)捨ててしまうのはもったいない」
「こういう楽しいイベントで、魚を好きになる子もいると思うので、それを考えると、もうちょっと続けてほしい」
むつみ市場では今後、魚を身近に感じてもらえるよう、別の形での販売方法を考えたいとしています。