コロナ禍で財政が悪化し事業停止の「アオイビール」 元従業員が設備一式買い戻し復活へ 静岡市
アオイブリューイング 福島英紀代表:「コロナの影響も受けながら、辛いことが多かったけど、未来への期待でいっぱい」
そう話すのは、静岡市にある「アオイブリューイング」の福島さん。スタッフと共にクラフトビールの仕込み作業をしています。クラフトビールとは、小規模な醸造所が作るビールのことで、かつては「地ビール」とも呼ばれていました。
アオイブリューイングは2014年に静岡市内初のクラフトビール醸造所として営業を開始。「アオイビール」というブランド名で、県内産のホップを使ったり、みかんやお茶などの特産品を取り入れるなど、静岡の地に根付いたクラフトビールも数多く作ってきました。
しかし、コロナ禍で財政が悪化。運営会社の破産申請を受けて、去年2月に事業を停止しました。
アオイブリューイング 福島英紀代表:「僕自身、立ち上げからアオイブリューイングに携わっていた人間として、本当に無くなったことも急に聞いて、かなりショックなこともあったし、自分の中で何とかできないかなっていう思いもずっとあった中で、何とかここまでこぎつけられたのは、すごくうれしい」
4回の仕込みで、およそ2000リットル
半年前、元従業員の福島さんがブランドを継承。設備も一式買い戻し、アオイビールを復活させるための取り組みが始まりました。
アオイブリューイング 福島英紀代表:「困難な部分はたくさんあったけど、そういった中で本当にアオイビールのファンの方々から、色んな支えを頂いてここまで何とか仕込みまでこぎつけられたのは皆様に感謝の気持ちしかない」
県内外のファンに支えられ、再び立ち上がったアオイブリューイング。1月、醸造免許を取得し、ビールの仕込みを始め、この日が4回目の仕込みでした。
アオイブリューイング 福島英紀代表:「種類は今4種類。コクと苦みがしっかり楽しめる「IPA」と、「ゴールデンエール」爽やかに飲める香りのいいタイプと「アルト」ちょっと麦のコクが楽しめるタイプ、きょうは「ラガー」も仕込んでいる、その4種類」
合計4回の仕込みで、およそ2000リットル。最初に仕込んだビールは2月下旬に完成予定で、まずは市内の飲食店で提供したいといいます。
アオイブリューイング 福島英紀代表
「ホップの香りがどのように変化していくとか、まだまだ始まったばかりなところもあるので、これからそういった経緯も見ながらどんな味わいになっていくか変化を見ながら今後のビールに生かせれば。まずは、ずっと待っててくれた人が最初に飲んでうまいって言ってくれるのを楽しみにしている」
新型コロナの影響で事業停止にまでおちいった静岡市のアオイビール。その魅力を絶やしてはいけないという強い思いが集まり、今、新たな一歩を踏み出しました。