在校生4人…山間の小さな小学校が閉校 地域の人たちも出席して最後の卒業式 静岡市
山間で子どもたちの成長を見守ってきた静岡市立水見色小学校。全校児童は4人。児童数の減少により、今年度で閉校に。来年度から隣接する中藁科小、清沢小と統合されます。
お昼、お楽しみの給食の時間。配膳は先生たちと一緒に行います。この日の献立はおひたし・鶏肉の唐揚げ、ごはん・お味噌汁・牛乳です。一つの教室に全員集まって食べる給食。当たり前だった日常の光景ですが、もうこの学び舎で見ることはなくなります。
最後の卒業式
卒業式。入場するのは1人。131年続いた水見色小学校最後の卒業生となった、勝山雪希さんです。これから増えることのない卒業証書の番号は1530号でした。
卒業式には在校生の家族だけでなく、子どもたちを見守ってきた地域の人たちの姿も。水見色小ではこれも当たり前の光景です。
勝山雪希さん:「みんなと別れっちゃって寂しい気持ちもあるけど、これから中学に向けて頑張っていくって気持ちのほうが大きいです。みんなが大切にしてる小学校なので、なくなってしまうのが本当に寂しいです」
式が終わった後は記念撮影。先生たちはもちろん、お父さんお母さんも一緒に。最後は希望者全員が壇上に上がりました。
閉校式
その後行われた、閉校式。
静岡市 難波喬司市長:「藁科地域の子どもたちが、さらにたくましく、しなやかに育っていくように努めてまいります」
校長先生が校旗を教育委員会に返還し、水見色小学校は131年の歴史に幕を下ろしました。
勝山雪希さん:「閉校式を迎えて寂しい気持ちもありますが、今私は感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう、水見色小学校」
橋口渉校長:「閉校は自分が振り返る場所が、または立ち戻る場所がなくなると思うと、そういう意味では教員としては寂しいなと感じます」
お別れの会
雨が降りしきる中、23日、水見色小に再び多くの人の姿が。地域の人が主催する“お別れの会”です。
佐藤雅一実行委員会委員長:「ただいまより、静岡市立水見色小学校、閉校式典を開式いたします」
会場には水見色小との別れを惜しむ卒業生や先生たち、およそ250人が詰めかけました。まず披露されたのは、「映像でつづる水見色小学校」。
ナレーションを担当したのは、杉山心都さんです。
「昭和43年に校庭の南側にローラースケート場が完成します。冬に水をまいてみたらスケートリンクになることが判明。これが水見色小学校のアイススケートの始まりでした」
小学生の杉山さんがスケートをする様子が、静岡朝日テレビに残っていました。
杉山心都さん(2018年):「楽しかったです。ツルツルしていて滑りやすかったです」
杉山心都さん:「これ私ですね。え~~嘘! この小学校に子どもが入ることないんだなって思うと、寂しい気持ちですね」
水見色小学校への感謝のメッセージや、子どもたちによる太鼓の披露も。校歌斉唱も行い、会場は大いに盛り上がりました。
式典の後には、校内を解放。教室には当時の写真や文集が置かれていました。
参加者「涙が出ました」
参加者「本当に悲しいって気持ちだけど、すごく思い出いっぱいある学校だったので、楽しかったです。本当にいい思い出ですよ」
参加者「自然に囲まれて、ここでしかできない体験をいっぱいさせてもらったので、やっぱりスケートとか思い出に残っている」
タイムカプセルも…
多くの人が思い出に浸る中、こんなグループが。およそ20年前の卒業生たちです。
担任の先生とタイムカプセルを天井裏に置いたそうです。最後だからと、探しに来ました。
「これを見たころには、ガンダムはやっていないでしょう」
「(手紙の内容は)もう顔から火が出るような。まったく変わらないなって思います。昔の自分と、今の自分と」
勝山佳紀PTA会長:「この小学校は本当にみんなに愛されいて、地域の方が集まっていろんなことをやる。町内のシンボルでもあってね。みんなが楽しむ本当にいいところでした。いつも優しい先生が来てくれて、PTAから、こどもから、町内にいろいろ接してくれた先生方で、本当に感謝しています」