室町時代から続く旧家が古文書を市に寄贈 静岡・伊豆の国市

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 静岡県伊豆の国市で室町時代から続く旧家の当主が、山下正行市長と面会し、所有する古文書などを      寄贈しました。

4月18日、伊豆の国市役所を訪れたのは、所有者の矢田長春さんと寄贈する古文書などを調査した歴史研究家の橋本敬之さんです。

 矢田さんは、室町時代からおよそ500年続く矢田家の26代当主であり、江戸時代には当時の宗光寺村の名主を務めた家柄で、ご先祖は・・・。

矢田長春さん:
「江戸時代に入る前、北条早雲の家来で、矢田伊賀守と言う方がいまして、湯河原(町)の土肥で早雲の警護をされていたようです」

 古文書は、25年ほど前に宗光寺村史を作るため、橋本さんが、村で一番歴史が古い矢田家の総本家を訪ねた際、蔵にあった階段箪笥の中で見つけました。堅いケヤキで作られていたため、空気に触れず、虫などにも食われずに保存されていたということです。

 蔵には江戸時代のものとみられる人を運ぶ「駕籠」もそのまま残されていました。

 今回、市に寄贈したのは自宅周辺から出てきた、古墳時代に作られていた須恵器の平瓶や645年大化の改新以降の白鳳文化のものとみられる瓦、そして江戸から明治時代の古文書合わせて722点です。

 こちらの古文書について、橋本さんは、「1500年頃に、現在の慶寿院がある場所に『宗光寺』という名前の寺があったことが示されている」と説明。

 これによって、伊豆の国市の地名に残る宗光寺が、実際にあった寺の名前に由来することが判明したとしています。

NPO法人伊豆学研究会・橋本敬之理事長:
「宗光寺が豊臣秀吉の韮山攻めで焼かれて、北にある南條に移り、昌渓院という寺になるわけですが、ここに宗光寺が出てくる。そして今、昌渓院となりましたと書かれている。これで分かるわけです。」

 寄贈品の中には他に1651年の水害により、年貢の減免状況を示した古文書や「田中山絵図」など地域の歴史を知る上で貴重な資料が含まれています。

矢田長春さん:
「家にそのまま置くよりも新しい資料館で使って頂いた方が市の為になる」

 矢田さんは寄贈にあたり、橋本さんが3年ほどかけて編さんした「矢田家古文書目録」を山下市長に手渡しました。

伊豆の国市 山下正行市長
「できれば市民の方々に見て頂いて、この伊豆の国市の歴史をさらに知って頂くと」

市では来年度末までに文化財展示施設を建設する予定で、山下市長は、「常設や企画展示などで有効活用していきたい」と話しました。

NPO法人伊豆学研究会・橋本敬之理事長:
「単体では分からないが、統合していくとこの地域の歴史が浮き彫りになってくる。その重要なパーツになると思っている」