大災害の発生に備え「親子で避難所キャンプ」 避難所で作る食事と真冬の体育館での就寝を体験 静岡市・静岡県立大学

いつ起こるかわからない災害に備え、親子で避難所を体験するイベントが静岡市で開催されました。
10日静岡県立大学で行われたのは防災イベント、「親子で避難所キャンプ」。
県立短期大学部の学生たちが企画し、災害時に必要な準備や避難所での過ごし方を学ぶ目的で去年から開催されています。
今年は32組およそ80人の親子が参加しました。
参加者:
「体育館でどれだけ寒いのかなっていうのを経験したうえで避難所生活をしなくていいように備えたいと思って参加」
まずは避難所の食事を体験。
船引とわ記者:
「牛乳パックや新聞紙などどこにでもある物を使って子どもたちがカレー皿やスプーンを作っています」
新聞紙で作ったお皿にビニール袋をかぶせた手作りカレー皿と牛乳パックで作ったスプーン。
災害時、貴重な水をできるだけ使わないよう洗い物を減らす工夫を学びます。
自分で作ったお皿とスプーンで食べるカレーの味は?
本田義人君(7歳1年):
「100パーセント中100パーセント(おいしい)」
「おいしい」
「おいしいよ」
「一回もこういう体験をしたことがなかったので子ど連れだとどういう風になるのかなと体験しておけば少し安心かなと思って参加しました」
研究者は
避難所で大切といわれているのが、トイレ、キッチン、ベッドの環境。
しかし、研究者は現代の避難所の状況に警鐘を鳴らします。
静岡県立大学短期大学部 江原勝幸准教授:
「実は100年前の関東大震災以降日本の避難所は変わらずに雑魚寝で、トイレも汚くて、温かい食べ物も食べれない状況です。もちろん水や食料も大切ですが、やはりトイレ排泄(はいせつ)が一番大切なので、断水の時にこの段ボールトイレを(インサ)使って、排泄するのがとても大切」

真冬の体育館での就寝体験
午後9時をすぎいよいよ今回のメイン、暖房設備のない真冬の体育館での就寝体験が始まります。
ここで一夜を明かす家族
増田さん島田市から参加:
「僕らの地元は島田市なんですけど、道路の寸断とかそういうので孤立することもあるのでそういう時の役に立つかなと思い参加しました」
それぞれが今持っている装備で、真冬の体育館で一夜を
明かします。
船引とわ記者:
「私も皆さんと一緒にここで一泊してきます。防寒対策として床には段ボールを敷きました。それではおやすみなさい」
できる限りの寒さ対策を行い、眠りにつけるとおもいきや…。
「ぐおおおおおおお」
「足音」
一夜明け…
船引とわ記者:
「おはようございます。現在の室温は8度です。段ボールと寝袋のおかげで底冷えが防げた為、寒すぎて眠れないということはありませんでした。ただ、床に直接寝ていた為、人の足音や振動が体に響いたという点と遮蔽(しゃへい)物がないため、12時間ごとに起きてしまう細切れの睡眠でした」
体育館で一晩過ごした参加者は…。
平野にこちゃん(12)
「やっぱり普通のベッドとかよりは寒いし、足元とか動けないっていうのがちょっと困っちゃったりしました」
柳澤香奈恵さん30代
柳澤奏太君8歳
「結構子どもが騒がしい、周りを気にしないので、周りの方たちへの騒音が気になりました」
参加者はそれぞれ必要なものや現状足りないものなどに
気付く機会になったようです。
静岡県立大学短期大学部 江原勝幸准教授:
「体育館で寝るという体験を小さい子供がしてくれたのはよかったと思ます。電気ガス水道が止まった時に自宅でどう過ごせるのかということをこの体験を通して考えることができるのではないか」
