17週連続で最高値更新…コメの値上がり止まらず 頭抱える「ご飯食べ放題」の店 静岡市

17週連続で値上げが続く米。あの国民的料理にも、深刻な影響が出ています。
一体、いつになったら安くなるのでしょうか。コメの価格は、高止まりが続いています。
飲食店にとっても、悩みの種です。静岡市の中心部にある、とんかつと和食の店、「器いろ」。分厚く切った浜松のブランド豚「浜松ポーク」を低温でじっくり揚げた「とんかつ定食」がランチの一番人気です。
嶋田光希アナウンサー:「見てください、この分厚さ。いただきます。お肉柔らかい、おいしい。お肉のうまみと甘みがすっごく強くて、そこにさっくさっくの衣たまらないですね」
ランチどきは、近くのサラリーマンや観光客らでにぎわう、こちらのお店。人気の理由の一つが、“おかわり無料”のサービスです。ランチ限定で、ごはん、みそ汁、さらにカレーまで…! “おかわり”はセルフで、好きな量を何杯でも食べられます。
藤枝から50代:「すごいですね。今お米高いのに。うれしいですね、客としては」
東京から50代:「ごはん食べ放題いいですね、ここでいっぱい食べて、きょうは夜ご飯なしにしようと思っています」
Q.夜ご飯なし!?
A.「なし、ここで食べて」
「結構つらい」
コメ価格の高騰が続く中、客にとってはとてもありがたいサービスですが、店にとっては…。
器いろ 飯田功さん:「お米が倍になっちゃったってことは、1食50円だったのが、100円になったわけじゃないですか。それも食べ放題じゃないですか、結構つらいですよね」
飲食店のコメの仕入れ価格は去年と比べて、およそ2倍に。苦しい状況が続いています。7日、農林水産省が発表した全国のスーパーおよそ1000店舗で販売されたコメの平均価格は、4月27日までの1週間で5キロあたり4233円。前の週と比べて12円高くなり、17週連続で最高値を更新しています。ここ数週間、価格上昇は一服した感じもありましたが、この1年間ではおよそ2倍です。石破総理もコメの高騰対策に、本腰を入れるようです。

政府もコメの高騰対策に力
自民党 小野寺五典政調会長:「備蓄米の放出を含めて努力をしていますが、まだ米価が下がった実感も出ていないということで、政府と協力して物価高対策をやってほしい。そのようなご指示がございました」
実際、コメの価格は下がっていません。静岡市のスーパーでは、国産のブランド米は5キロで4000円前後となっています。
ヒバリヤ 山岸達也さん:「去年に比べましたらやっぱり倍ぐらいの価格になっていますので、厳しい状況にはなっています」

「カレーライス物価」初めて400円超す
国民食のカレーにも、コメを中心とした値上げの波が…。家庭でカレーライス1食を作るのに必要な費用を表す「カレーライス物価」は、今年になり、初めて400円を超えました。具材のじゃがいも、ニンジン、輸入牛肉も、高値で推移しています。
客:「もちろんお米も高くなっているし、(カレーの材料は)前に比べてちょっと高くなっているなと思います」
客:「お米の代わりにナンにすることもあります」

さらに、カレーのルーも…。
ヒバリヤ 山岸達也さん:「全体的に今までも1~2年値上げ傾向なんですけど、人気のハウス食品のカレーが値上げしてほしいと申請が来ています」
Q.どれくらい?
A.「結構な値上げですね。下手すると2割ぐらい値上げになってしまうのかな」
ハウス食品は5月から「バーモントカレー中辛」の希望小売価格(税別)を、394円から446円に値上げ。原材料費の高騰に加え、エネルギー費や物流費の上昇が理由としています。
ランチ限定で、ごはんとカレーの“おかわり無料”サービスを提供している、静岡市の「器いろ」。カレーは、数種類のルーをミックスし、3時間以上じっくりと煮込み、コク深く仕上げています。とんかつ定食を頼めば、カレーと合わせて、カツカレーとしても楽しめます。
店主ひとりで切り盛りしていて人件費を抑えられていることに加え、“おかわり無料”が好評なことから、今後もサービス提供を続けたい考えです。
器いろ 飯田功さん:「(おかわり無料は)続けると思います。やっぱり始めた以上はやり通さないと。つらいけど仕方ないですね。とりあえずお客さんの笑顔が見られればうれしいかな」
