白輪社長が目指す水族館はiZooと同じ「体感型」ズーズーシー 同じ清水区に計画している市は「ウェルカム」 静岡市
レップジャパン 白輪剛史社長:「ウミガメだとか他のアシカだとか、そういったものを中心とする水族館という位置付けですね」。
新たな水族館の計画を発表したのは、静岡県河津町の体感型動物園iZooを運営するRepJAPAN(レップ・ジャパン)の白輪剛史社長。ただ気になるのが、その場所。静岡市清水区です。

清水区には現在、市が計画する「海洋・地球総合ミュージアム」の建設予定地があります。水族館と博物館の総合施設で、これまで施設整備費は93億円と試算されていました。しかし、関係者によりますと、資材高騰の影響で1.5倍に増える見通しで予定していた2年後の完成は遅れるといいます。

静岡市は、新たな水族館について…。
静岡市 難波喬司市長:「静岡市としては大歓迎。両方できるということになれば、相乗効果も上がって、集客力も上がるので魅力ある施設、場所になる」
清水区に2つの水族館、計画が浮上したのです。

清水に住む人たちは…
高校2年:「何とも言えないですね。融合してしまった方が早い話ですけど、それはやっぱり難しい事情があると思います。しょうがない。水族館とそれと並行して楽しめるスペースがあったりしたら、個人的には行きたいですね」
30代:「2つあることによって、(入場者が)分散されますから、親としては行きやすいし、ハードルが下がる。インバウンド、経済効果が目に見えてわかると素人目でも思うんですけど、使いやすく過ごしやすくしてほしいなと思います」

白輪社長を直撃
伊地健治アナウンサー:「水族館構想のキーパーソンを訪ねて東伊豆町までやってきました。静岡市から車で2時間以上、この建物ですね。『動物園予備校アニマルキーパーズカレッジ』と書かれています」
ここは動物を扱う様々な人材を育成する職業訓練学校。2年かけて学ぶ基礎教養や知識、さらに実践的なプログラムにも定評があります。6年前に設立し、学校長を務めるのが白輪剛史さんです。
白輪さんと言えば、爬虫類や両生類を扱う動物園イズ―の園長でもおなじみ。番組では何度もお世話になっています。

レップ・ジャパン 白輪剛史社長:「水族館をいつかやりたいという思いは以前からあって、今、正直ぶっちゃけ2か所を候補にして交渉していることは事実。清水区の日の出地区か三保の地域を想定してます。それはなぜかというと、一番この手の施設をやった時に問題になるのが駐車場。そこが民間含めて駐車場が近隣にある場所につくれば、自分で駐車場を用意する必要がない。そうなると日の出か三保しかなかった」
Q.いつ頃オープンさせたい?
A.「そうですね3年以内にはオープンさせたいなと思ってます」

静岡市とのすみわけは
静岡市は同じ清水区で水族館を建設しようとしています。反応はどうだったのでしょう。
白輪社長:「1年以上前に静岡市にも相談をして、断られるだろうなと思ったら『いやぁ相乗効果もあるからウェルカムです』とお返事を即答でいただいた」
市の水族館は駿河湾の魚類をメインにしたもの。一方、白輪さんの水族館は水生動物がメイン。すみわけができることがわかりました。

施設名は「ズーズーシー」
白輪社長:「施設の名前も公表されまして「ズーズーシー」という。伊地さんだけに内緒で」
白輪さん、私だけに完成したばかりのロゴを見せてくれたんです。
伊地アナ:「Zoo(ズー)Zoo(ズー)Sea(シー)。動物園・動物園・海のSeaで。こういう文字なんですね」
白輪社長:「『体感型水族館ズーズーシー』という名前で。この水族館をオープンするにあたって、準備室のような形でこちらで動物をストック、繁殖しながら準備を重ねているところも、この施設が担っているんですね」
お邪魔している学校では今も水族館のオープンのため、着々と準備がされているそうです。現場をみせてもらいました。

水族館設立準備の現場
伊地アナ:「色んな動物がいますが、こっちを見てるのがケープペンギン」
白輪社長:「ペンギンは60羽以上いる」
伊地アナ:「ケープペンギンは見た目がちょっと小さい」
白輪社長:「これでもう大人なんですけど」

水族館のオープンにむけて育てているケープペンギン。
伊地アナ:「鳴いてる。ペンギンが鳴いてる?」
白輪社長:「鳴いてます。巣箱の中で繁殖もしてる。つがいで入ってたりメスだけが入って卵を抱くんですね」
伊地アナ:「生徒が入ってペンギンにエサをあげるそうです」
伊地アナ:「これ全部名前覚えてるの?」
生徒:「覚えてます。全部覚えたのは私だけ」
伊地アナ:「この学校に入ってどのぐらい?」
生徒:「ちょうど1年たって、いま2年生」
伊地アナ:「将来は何の飼育員になりたいんですか?」
生徒:「ニワトリですね。ニワトリが主に好きで、養鶏場だとかふれあい系を目指して頑張ってます。ペンギン元々興味がなかったんですけど、結構性格が違う子が多くて、食べ方だったり近寄り方だったりとかも全然違う子も…。色んな人に魅力を伝えたいなってことも多くなって、個人としても好きになったり」
伊地アナ:「もしかしたら養鶏場の夢からペンギンの飼育員になっちゃう可能性も?」
生徒:「可能性もあるかもです」

学校では卵からの繁殖に成功、その数を増やしています。
アニマルキーパーズカレッジ 松井寿子さん:「これがヒナの時にしかない綿羽という羽になります」
伊地アナ:「ふわふわだね、かわいいね。まさに生まれたところから繁殖も担っているということで、全部生徒が学べて実践しながらやっていくということなんですね」
白輪社長:「それをしないと今度水族館をやった時に、いざペンギンが繁殖しても、どうしていいのか分からなくなっちゃう。こういうものを育てながら万全を期して水族館をオープンさせる」
伊地アナ:「人材が育たなければ、施設だって運営できないということなんですね」
白輪社長:「そうですね希望者はたくさんいるんですけど、学校もたくさんある。全国で1万2千人ぐらい動物系の学校を卒業する。
だけど全員が動物系の仕事に就けるかというと、そうでもないことが多いので、より専門性を高くして就職率を高めてというのが、この学校の目標なんですね」
伊地アナ:「どうですか、清水に水族館ができると聞いた時は?」
松井寿子さん:「すごくワクワクして今も期待値が上がり続けています」

つくる施設は「体感型」の水族館。特別に予定しているお客さんへのサービスをみせてくれました。
生徒:「ちょっと慣らしたいので、練習させてください」
白輪社長:「実戦をしながら学んでいるので」
出てきたのはオットセイ。飼育員さんとのパフォーマンスです。
伊地アナ:「オットセイも生徒さんを見てます」
白輪社長:「これはミナミアメリカオットセイという南米ウルグアイから来たオットセイ。これを小さなお子さんが飼育のスタッフとできたら、楽しいじゃないですか」

伊地アナ:「こういう体験を、見に来た子供たちができるような施設にしたいと思ってらっしゃるんですね」
白輪社長:「そうです」
伊地アナ:「これはすごいですね、飼育員目指しているんですか?」
生徒:「そうですね、水族館やってみたいなと思ってます」
伊地アナ:「計画を知って、どう思いましたか?
生徒:「すごい楽しみだなって思いました。結構気になっています」
伊地アナ:「まだ入って2カ月ですよね?」
生徒:「そうです。もうあんなに言うことを聞くんですね、イッチーめっちゃいい子なんで」
伊地アナ:「僕、伊地って言うんですよ。イッチー!僕もいっちーだよ」

白輪社長:「ただのふれあいではなくて、本当に職業体験としての飼育員のエサを与えたり、掃除をしたり、それを子どもがやることができる、そういった施設をやりたいなと思っていて」
伊地アナ:「すごいですね。それができたら、すごく貴重な場所で、今までにちょっと例がないような場所になりますね」
白輪社長:「例がないんですよ。将来動物の業界でやってみたいという人も出てくるかもしれないし、その体験って無駄にはならないのかなと思います」
