“令和の天才”と“平成の天才”の世紀の対局初戦は藤井聡太五冠に軍配 地元ではフィーバー続く 掛川市 /今週の静岡
藤井聡太五冠:「こちらが予想していないことを指されることも多くて、(羽生九段は)自分にはないものを持たれていると改めて感じました」
羽生善治九段:「何が悪かったか、調べてみないと分からないですね。細かい変化のところをもうちょっと掘り下げて考える必要があるかなと。(藤井五冠は)一手一手、深い読みの裏付けで指されているんだなと感じました」
“2人の天才”の通算戦績は、これで藤井五冠の8勝1敗となりました。“世紀の対局”は、その反響もこれまでにない大きさのようです。
2人の署名入りの掛川城の御城印
ファンの行列のお目当てとなっていたのが、王将戦に合わせて販売された2人の署名が入った掛川城の御城印。
「5枚」「6500円ちょうどいただきます」
「8枚」「1万400円ですね」
1枚1300円、驚きの売れ行きを見せていました。
掛川市民:「掛川市がこれで盛り上がってくれたら、すごくうれしい」
3000部限定で販売された御城印は、2日目の午後1時頃には完売したということです。
おやつにも注目…老舗の羊羹(ようかん)
また、毎回対局とともに注目される“おやつ”でも、地元からうれしい悲鳴が―
藤井五冠と羽生九段の2人が1日目のおやつに選んだのが、明治25年創業、市内の老舗和菓子店「伊藤菓子舗」が手掛ける「火の羊羹」です。
伊藤菓子舗 伊藤光男店主:「いろいろ注文の電話をいただいたり、店にもたくさんの方が見えていただいてお買い上げいただいている。とてもうれしい」
提供されたのは、ゆず蜂蜜・掛川茶・本練(ほんねり)の3種の味が楽しめる盛り合わせ。買えるのは店頭のみで、それぞれ単独で販売しています。対局2日目の9日は、通常よりも多い150個を用意したそうですが、開店から1時間半で完売しました。
藤井五冠がリピートしたおやつは「ふるさと納税」でも人気
原川朋華記者:「ホテルの中の売店には、販売一時休止のお知らせと書かれています。CHABATAKEやフィナンシェの生産が追い付いていないということです」
王将戦の反響は“勝負めし”や“おやつ”のメニュー開発を担当したホテルでも―
去年の王将戦に続いて今年も藤井五冠が“リピート”したおやつが、地元・掛川のお茶をふんだんに使ったケーキ、「CHABATAKE (ちゃばたけ)」。ふるさと納税の返礼品にもなっていて、去年の王将戦後には注文が前の年の16倍に急増しました。
藤井五冠の“お気に入り”とあって、今回もすでに影響が…。
掛川市ふるさと納税推進室 佐藤行秀室長:「問い合わせをかなりいただいていて、ふるさと納税の返礼品については王将戦の始まる前と比べて約5倍の申し込みがあった」
ケーキを手掛けたのが、掛川グランドホテルの宮川智子シェフです。
掛川グランドホテル 宮川智子シェフ:「去年注文していただいて、そこから予約が殺到して、私は1年間ひたすら作り続けた。その感想を1年後に聞けたときには涙が出そうになった。うれしかった」
オンラインショップでも販売していましたが、対局1日目に完売。今後の入荷のめどは立っていないそうです。ホテルでは王将戦第1局の昼食のメニュー7種類を13日まで提供。受け付け直後から予約が殺到し、連日ほぼ完売だったといいます。
掛川グランドホテル 奥山覚士総支配人:「とても好評でうれしく思っている」
藤井五冠と羽生九段と同じ料理を食べたいと、県外からもファンが駆けつけていました。
東京・愛媛から 50代の3人:「発表になったときにすぐ電話して、エビチリはまだあったが、対局中に食べた麻婆豆腐とオムライスは最後の一食だった。やったと思いながら、最後の一食とった、という感じで、きょう(食べられて)よかった」
掛川市長「よりいっそう『将棋のまち』に」
「将棋のまち」を標榜し、14年連続で王将戦を開催している掛川市の久保田市長は、会見で…。
掛川市 久保田崇市長:「正直、掛川市が全国ニュースになることって、まず少ないんですけども、シティープロモーション、それから掛川市の名産のPRにはつながっているのかなと思っています」
さらに、大きな夢も語りました。
掛川市 久保田崇市長:「ゆくゆくは掛川出身の棋士も生まれていくと、よりいっそう『将棋のまち』になっていくのかな、と期待をしています。」