アサヒ命の男性「心配でしょうがない」　アサヒGHDがサイバー攻撃で生産・出荷停止　スーパーは品薄、居酒屋では…　静岡

　アサヒグループホールディングスがサイバー攻撃を受けたとして、国内での受注・生産・出荷が停止している問題。静岡でも、不安の声が広がっています。

佐々木沙羅アナウンサー（静岡・葵区　２日）：「アサヒビールの出荷停止を受けて、飲食店にも影響がでているようです」

居酒屋「多めに発注するしかできることがない」

　静岡市葵区の居酒屋「ぼうや商店」。店の一番の売りは、専用のビールサーバーを使ってグラスに注がれるアサヒの樽生ビールです。

ぼうや商店　高野翔太社長：「当店アサヒビールの取り扱いが生ビールだけで３種類ありまして、これは静岡（市）でうちだけだと思いますので、その辺目当てにくるお客さんも当然います」

　毎日仕事帰りに立ち寄るというこちらの男性は…。

静岡市５０代：「仕事の後には最高です。もうアサヒ命で」
Ｑ．アサヒビールがサイバー攻撃を受けて出荷停止していますが、ご存じですか？
Ａ．「心配でしょうがないです。ビール飲めなくなるのは困ります」

　アサヒグループホールディングスでは9月29日、サイバー攻撃を受け、物流システムに不具合が確認されたとして、飲料や食品などすべての商品の出荷と受注を停止。そのため、多くの工場で生産ラインも停止しているということです。ビールを扱うこちらの店でも対応に追われていました。

ぼうや商店　高野翔太社長：「酒屋さんともお話させてもらって、多めにとっておいた方がいいものは多めにとって、本当にそれぐらいしかできることないので、そういった形で対応はさせてもらっています」

　鮮度が命の生ビール。通常は毎日発注をかけていますが、アサヒの出荷停止を受けて、酒店が在庫を持っているうちに量を確保しようと、通常の２倍から３倍の発注をかけたといいます。

　今のところ、３週間程度の在庫は確保できているといいますが…。

ぼうや商店　高野翔太社長：「長期化しちゃうと、当店の主力商品なので、ちょっと営業できなくなっちゃう形にはなりますね」

　出荷停止を受けて迎える、はじめての週末に店側は…。

ぼうや商店　高野翔太社長：「宴会がまた入ったら、急に足りなくなってしまうこともあるので、予約の入れ具合とかも変わってくるので、早めに復旧することを願っています」

　スーパーなどでもすでに影響が出始めています。本来、アサヒのビールが並んでいる棚には「品切れ」の文字。他のメーカーのビールは平積みされていますが、アサヒのビールは残りわずかのものがほとんどです。

ヒバリヤ　山岸達也さん：「本来であれば、後ろの台も含めて高さがこのぐらいまで入るような人気の商品になっていますので、通常とは全然違うぐらいの商品の量になっています。やっぱり週末こせるかこせないかぐらいになってしまうと思います」

　影響はビールだけではありません。

ヒバリヤ　山岸達也さん:「アサヒ飲料の看板商品になりますので、受発注が今できていない状態です。問屋がある程度抱えているような形になりますので、今問屋のある商品をいただいている状態で、新規で入ってくるという話は、ちょっと聞いていないですね」

　こちらのスーパーでは、アサヒの関連会社が製造するお菓子、インスタントのみそ汁などについても入荷の見通しが立っていないといいます。

ヒバリヤ　山岸達也さん：「なくなってしまうと、お客様もどうしたものかというところで、売り上げとしてもやはり困ってしまうのかなというのは考えます」

　アサヒグループホールディングスによると、復旧の見通しは、依然として立っていないということです。