介護の現場でいま注目されている「ドッグセラピー」 外出が難しい高齢者や障害のある人が犬とのふれあいを通して心を癒やす

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 介護の現場でいま注目されている「ドッグセラピー」。外出が難しい高齢者の心を癒やす取り組みが静岡県富士宮市の施設で行われています。

●利用者:
「お利口さん!かわいいかわい!」

●利用者: 
「えらいえらいえらい!」

●堀優奈アナウンサー:
「こちらの高齢者施設では、定期的に利用者と犬が交流する場が設けられているんです。」

 富士宮市にある特別養護老人ホーム「天竜厚生会しらいと」入所者はおよそ130人。デイサービスなども合わせると、200人近くが利用しています。

●日本アニマルセラピー協会 萩原裕二さん:
「こんにちは~、きょう4頭で来ましたんで。卑弥呼おいで。卑弥呼さんで~す。」

 きょうのセラピストは4頭。飼い主で日本アニマルセラピー協会に所属する、萩原裕二さんとともに施設にやってきました。

 介護の現場でいま注目されている「ドッグセラピー」。外出が難しい高齢者や障害のある人が、犬とのふれあいを通して心を癒やすというものです。

●特別養護老人ホームしらいと 宮司貴光施設長:
「他の事業所ですでにドッグセラピーを実施している施設がありまして、その時のご利用者さんの様子とかを拝見したときに、すごい笑顔でいらっしゃったので、ぜひうちの施設でも実施したいなと思って…」

 まるでアイドルが来たかのようです。4頭のセラピードッグに一斉に視線が集まります。

●日本アニマルセラピー協会 萩原裕二さん:
「人間と一緒でさ、この子たちも手のぬくもりを感じるもんでね。こうやっていい子って触ってあげてください」

●利用者:
「あ~ら」(卑弥呼テーブルの下に行く)
「母ちゃんのとこ気に入っただ」
「あ~らよしよしよしよし」

 萩原さんは元々、東京などで保険会社の営業をしていましたが、47歳で早期退職。8年前、地元の浜松に戻り、ドッグセラピーの活動を始めました。

●日本アニマルセラピー協会 萩原裕二さん:
 
「アニマルセラピー、ドッグセラピーっていう名前も活動もやんわりと知っていたんですけれど、まさにうちにいる愛犬がセラピー犬だなっていうのはつくづく思っていまして、そういった活動をぜひやってみたいなと思っていて…」

 今は、年間100回以上愛犬とともに、県内の高齢者施設や病院などを訪問しています。

●利用者:
「犬飼っててね~私ばっかり散歩連れてってた。犬だ~いすき!」

●利用者:
「みんなかわいいけど、この子ちびちゃんかわいいね」

●萩原さん:
「この中で1番年上なの」

●特別養護老人ホームしらいと 宮司貴光施設長:
「積極的にワンちゃんのいるところに車いすを漕いだりだとか、手を伸ばしたりとか、触れ合うことで体を動かすきっかけにもなっていると思います。」

 犬と触れ合うことで心にも変化が・・・

●日本アニマルセラピー協会 萩原裕二さん:
「セラピーの対象の方が本当にいろいろお話してくれたり、笑ってくれたりする、それがすごく楽しいですし、それを引き出してくれているのは、セラピー犬たちで、ほんとそこは人間にはできない不思議な力を持っているなと思いますね。」

 癒しを与えるだけではなく、高齢者の行動を変えるきっかけを生み出すセラピードッグ。今後、高齢化が進む中でその必要性が高まっていきそうです。

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