常に行列の絶えないどらやき専門店「河内屋」38年間の営業を終え2月28日で閉店へ 店主の思いは… 静岡市葵区
静岡市で長年愛されるどら焼きの人気店が2月閉店することが決まりました。あの味を求めて、 連日行列ができています。
ふわふわの生地に、ツヤのあるあんこが挟まれた「どらやき」。
どこか懐かしさを感じる素朴な味です。
どらやき 河内屋 店主 森廣良さん
「お客さんに感謝している。もうやり切った、満足」
1988(昭和63)年、静岡市の浅間通りに店を構えた、
どらやきの「河内屋」。
常に行列の絶えない「どらやき専門店」として、静岡県内外のどらやきファンを魅了してきました。
店を切り盛りするのは、森廣良さん(74)と妻の美千代(みちよ)さん(75)。
創業当時から続く実演販売のスタイルで38年間、多くの人に愛されてきた河内屋。
ところが、2月28日をもって閉店することになりました。
常連客は
須藤誠人アナウンサー
「河内屋のどらやきの焼き始め30分前にも関わらず、お店の前には20人のお客さんが列を作っています。今日も大盛況です」
閉店が迫るなか、取材したこの日は昼前に70人ほどが列を作りました。
美千代さん
「並びますよ。なるべく早くきて並ぶ方がいいですよ」
客 (静岡市 60代)
「なかなかこういう店はないので」
客 (静岡市 60代)
「(娘から)2月で終わるから、お母さん、きょう行ってきてと言われて来ました」
客 (静岡市 20代)
「前も何回か買ったことがあって、なくなる前に食べておきたい」
夫婦二人三脚の生地作り
幅広い世代に愛される河内屋の「どらやき」。
その“おいしさの秘密”は夫婦二人三脚の生地作りから始まります。
須藤誠人アナウンサー
「いつも奥様とお二人で仕込みを?
河内屋 森廣良さん
「そうです」
須藤誠人アナウンサー
「これだけ丁寧に混ぜても、まだ混ぜる?」
河内屋 森廣良さん
「混ぜるね」
ハチミツや日本酒、粉ミルクなど8種類ほどをブレンドするこだわりの生地。
この生地づくりも、まもなく“終わり”という節目を迎えます。
河内屋 森廣良さん
「いま74歳だけど、75歳になったら辞めようと思って、2月19日が誕生日で、2月19日になったら75歳になるので、じゃあ辞めましょうって」
須藤誠人アナウンサー
「どれくらい前から75歳で区切りをつけると決めていた?」
河内屋 森廣良さん
「本当は65歳で辞めようと思っていた。だけど、徐々に75歳になった(笑)」
1個160円の「どらやき」。
安さの理由は、お客さんの喜ぶ顔がみたいだけと森さんは話します。
須藤誠人アナウンサー
「次々と今、生地をひっくり返していきます。その返した生地の焼き色、たまりません。きれいな茶色!」
河内屋 森廣良さん
「どうぞ」
須藤誠人アナウンサー
「焼きたて、できたてのどらやき。森さんが丹精込めて作られたどらやきです。熱々です。生地熱々、あんこぎっしり、おいしそうです。持ってわかるふわふわさ。ではいただきます」
「おいしい、ふわふわ。生地しっとりなめらか。この味がもうあと少ししか食べられないと思うと、心惜しく感じます」
女の子は
1日2回販売される「どらやき」は、連日2時間もしないうちに完売。
店の前には、実演販売をじっと見つめる女の子の姿も…。
須藤誠人アナウンサー
「どんなところがすごい?」
女の子
「速いし、生地の大きさもちゃんとやっているからすごい」
須藤誠人アナウンサー
「森さん、小さな女の子が見ていて、きれいで速いって」
河内屋 森廣良さん
「俺の顔?」
須藤誠人アナウンサー
「・・・もなんですけど、どらやきを作るところも」
冗談を言いつつも、気分を良くした森さん。
須藤誠人アナウンサー
「何もらったの?」
小学3年生の女の子
「生地」
須藤誠人アナウンサー
「どうですか?」
小学3年生の女の子
「モチモチでおいしい」
須藤誠人アナウンサー
「甘い?」
小学3年生の女の子
「うん」
「やりきった」
どらやき一筋38年。
「閉店」という大きな決断を前に、今の思いはー。
河内屋 森廣良さん
「いいお客さんが多かった。お客さん喜んでくれるから」
須藤誠人アナウンサー
「やり切りましたか?」
河内屋 森廣良さん
「もう終わった、やり切った。満足」
須藤誠人アナウンサー
「3月からはどんな過ごし方を?」
河内屋 森廣良さん
「女房といろいろなところ行ったり、いろいろなことをしたい。女房だけでいいです。あとは要らない」
