「僕たちにも未来がほしい」 ウクライナからの避難民らが静岡県内で交流会 ふるさとの味・ボルシチで思いを繋ぐ

 ウクライナから御殿場市に避難している家族が13日、勝又正美市長を訪れ「未来を奪わないでほしい」と悲痛な思いを訴えました。

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「僕たちにも未来がほしい」 ウクライナからの避難民らが交流会 ふるさとの味・ボルシチで思いを繋ぐ 静岡市

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 午前、御殿場市役所で勝又(かつまた)市長と面会したのは、ウクライナから避難し、御殿場市で生活している4人です。首都・キーウから避難してきたインナさん一家。ウクライナではめいのオーラさんと別に生活していて違うタイミングで来日しましたが、先週土曜からは御殿場市の市営住宅で一緒に暮らしています。

ウクライナからの避難者・インナさん
「ウクライナに少し御殿場が似ている感じがするというところで、それを気に入ったと言っている。ウクライナでも、富士山のこととかはよく目にすることがあったので知っていた。ニキータが詳しいそうです」

勝又市長:
「富士山を見てどうですか?ニキータさんは?」

ニキータさん:
「すごいなと思ったが、地震が心配だと言っている。(笑)」

避難のきっかけはSNS

 今回御殿場市に避難するきっかけとなったのはSNSでした。インナさんがSNSで御殿場市の乗馬クラブと交流。乗馬クラブのメンバーが身元引受人となり、御殿場市での受け入れが決まりました。

画像: 避難のきっかけはSNS

身元引受人・太田恵美子さん:
「支援したいと思ったのは、ニキータくんが、戦争が始まった時に僕たちにも未来が欲しいと、僕たちの未来を奪わないでくれと、だから核も持っていない日本に行きたい、という彼のすごく強い思いがあったんですね、ニキータくんの。お母さんとしてはウクライナに居たかったらしい。やっぱり自分の国に居たいって思ったんだけど、息子の強い要望でこちらの方に来る決心をしたということでした」

 キーウでは小学校の教師をしていたという母・インナさん。今後は太田(おおた)さんが入っている乗馬クラブで働くことが決まっています。子どもたち2人は、夏休み明けから御殿場市内の学校に通う予定です。

ウクライナからの避難者・インナさん:
「ただ感謝だけです。皆さんがチームを作ってサポートしてくださるということだったので、今はそれをありがたいと思うだけです。御殿場で子どもたちを教えるようなことができたらいいなということで、御殿場に皆さんに助けてもらったので、私も御殿場の皆さんを助けられる何かがしたい」

Q.今の祖国への思いを聞かせてください

ウクライナからの避難者・インナさん:
「ウクライナに生徒もたくさんいる。とにかく安全に過ごしてほしいし。時間はかかるだろうけど、いい方向になるよう祈るだけです」

交流会で笑顔があふれて

 一方、12日に静岡県内では…。

画像: 交流会で笑顔があふれて

 鍋からあふれそうなほどたっぷり仕込まれた、ウクライナの郷土料理「ボルシチ」。ウクライナから県内に避難してきた人たちに新しいつながりを持ってもらおうと、静岡市のボランティア団体が企画した交流会が開かれました。
 野菜の仕込み作業を行っているのは、静岡市に住むウクライナ人のオレーナさん。以前から県内に住んでいて、ロシアの侵攻によって避難してきた人に故郷(こきょう)の味を振舞おうと参加しました。準備したボルシチは、およそ60人分。キッチンではオレーナさんとボランティアが協力して準備を進めます。この日はウクライナからの避難者とその家族や友人、およそ20人が会場に。久しぶりの味と、貴重な交流の機会に、笑顔があふれていました。

Q.味はどうですか?

シャルコ・ソフィアさん:
「おいしいです。家のような味を感じる」

静岡市在住ウクライナ人・オレーナさん:
「みんなおいしいって言ってくれた、だから私うれしい。ありがとうございます。日本人はいっぱい助けてくれた、だから早くできた」

平野ユリアさん:
「こういう大人数のために作ったのは初めて。きょうはなるべく簡単に、早く作れるように工夫して、少しでも避難された方々が穏やかな気持ちになって、ここでサポートしてくれる人がいるということを分かってくれればうれしい」

 会場には子どもたちが遊べるようにミニ四駆コーナーが用意されたり、食事会のあとにはビンゴ大会が行われたりと、ウクライナからの避難者と静岡の人々が楽しみながら交流を深めている様子でした。この会を主催したボランティア団体は…。

ウクライナ希望のつばさSHIZUOKA・高橋邦典共同代表:
「支援者も含めて100人を超える大勢の方々に参加いただけた。ウクライナから大変な思いをされて避難して来られた方々なので、地域で言葉もなかなか通じなくて、買い物も行けないという状況も聞いている。避難されてきた方々の心に寄り添って、必要なこと、ニーズを聞き取ってそれに対して丁寧に対応していきたい」