【シリーズ移住促進 静岡】「新婚さんこさいへおいでん」 若者を取り込む湖西市
そこに大きな問題があると影山剛士(かげやまたけし)市長は訴えます。

湖西市
湖西市 影山剛士市長
「僕も数字で調べてみたんですけど、人口が6万人だけれども、昼間の人口は7万人。1万人ぐらい昼の人口が多い」
湖西市では年間5700億円余りが生産されますが、市内で消費されるのは半分以下の2700億円程度に過ぎません。残りは浜松や豊橋などの大きな都市に『流出』していると言います。
新婚さんへの助成制度とは

制度を利用した新婚さん
そこで34歳以下の若者の移住を促すため、2018年10月からある助成制度を設けました。
【新婚さんこさいへおいでん新生活応援制度】市内に転入する新婚家庭に10万円を支給するものです。
愛知県出身の小山陽菜さんも、結婚を機に湖西市に移り住み、制度を利用しました。
小山陽菜さん
「名古屋まで通勤しているときに、満員電車とか自分の中では負担が大きくて、職場が近いところで働いてみたいというのがあったり」
夫の隼汰さんも湖西での生活が気に入ったようです。
小山隼汰さん
「本当に自然あふれるというか、必要最低限のものはありますし、住みやすいというのは本当に感じている」
新婚さんはきたけれど...新たな課題

市立湖西病院
制度開始からおよそ2年で申請したカップルは115組と予想を上回っています。しかし、このことが長年抱える問題を改めて浮かび上がらせたのです。それは市内に産婦人科医が一人もいないこと。市立湖西病院も産婦人科は、2007年以降休診状態となっています。
市では上限1億円の設備資金や、市有地の10年間無償貸し付けなどの好条件で産婦人科医の開院を募集していますが、応募はありません。
影山剛士市長
「次善の策として、妊娠中の方とか産後間もない方の利便性を向上させていきたいという連携を進めようとしています」
若い働き手を確保 奨学金返還支援

奨学金返還支援制度
マイナス面を自覚しながらも移住者獲得へ、今年度さらなる一手を打ちました。市内に住み市内の企業に就職した若者が借りた奨学金の返還を支援する制度です。
対象期間は3年間で1人当たり最大54万円を補助、補助金は市と企業が半分ずつ負担します。精密部品メーカー「ユニクラフトナグラ」はいち早く協力事業者となり、菊地杏梨さんが補助対象者として入社しました。
菊地杏梨さん
「驚きと同時にとてもありがたいなと思いました。大学にも後輩がいますので、知り合いにも年下の友人がいますので紹介したいなと思ってます」
この制度にはもう一つ狙いがあります。人出不足が課題となっている中小企業の人材確保です。
ユニクラフトナグラ 田中康一管理部長
「企業としても地元湖西市に居住して就職することになりますので、安心して勤めていただけるものと思っています。また、3年で補助する仕組みになってますので、定着のところでも私たちは助かると思っています」
地方都市への移住・定住
全国の地方都市で競争のように移住・定住政策が展開されています。
住みたい都市になるには、その都市独自の魅力を維持しつつ、課題を克服し、成長を確保していかなければなりません。
影山剛士市長
「やはり産業振興というか企業の発展も湖西市として支援していって、さらに働く方々が湖西市に住んでいただくというのが、車の両輪として市町の持続可能な発展は可能だと思っている」