サバが記録的不漁…驚きのワケは『イワシが多すぎる』 サバ缶販売休止のメーカーも…心配される食卓への影響

林輝彦アナウンサー:「午前11時すぎの焼津市小川港です。これからこちらの善生丸が、サバ漁に向かいます。あさって戻る予定だということです」

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 焼津市の小川港(こがわこう)。年間の水揚げの7割をサバが占めています。しかし-。

善生丸漁業生産組合 橋ケ谷善彦理事:「(1回の漁で)多いときは船いっぱいの50tくらい獲れていたが、今年は少ない時は10t、一番多い時でも30tくらい」

 今、サバが記録的な不漁に見舞われています。こちらの船では1回の漁で撮れるサバが7割近く減ったといいます。

善生丸漁業生産組合 橋ケ谷善彦理事:「サバに関しては全体的に小さくなって、漁獲量が減ってきて、厳しい状況にあるのは間違いない」

専門家「イワシが増えすぎてサバが近寄れない」

 海で何が起きているのでしょうか。専門家は-。

水産研究・教育機構 由上龍嗣さん:「サバは海にいるが取れない。漁場にサバが来ていない。水族館の大きな水槽で、マイワシとサバと一緒に入れると、水槽の真ん中にイワシが大きな群れをつくるのに対し、サバは水槽の底に追いやられる。一緒にすめない。サバの漁場にマイワシがたくさんいる。サバが近寄れない」

画像: 専門家「イワシが増えすぎてサバが近寄れない」

 現在、日本周辺にはマイワシが増えていて、それによってサバが漁場に入って来られないといいます。さらに、今年は海面の温度が例年よりも2度ほど高いため、温度変化に敏感なサバが近づきづらくなっていると言うのです。記録的な不漁は私たちの食卓にも影響が出そうです。

サバ缶の販売休止も

西尾梓アナウンサー:「清水区蒲原にあるホテイフーズです。こちらで販売しているこのサバ缶ですが、サバの不漁により販売休止が決まったということです」

 焼き鳥の缶詰で有名なホテイフーズ。サバ缶の製造もしていますが、2月17日から販売を一時休止することを決めたのです。

画像: サバ缶の販売休止も

ホテイフーズ商品企画課 物江祐太朗課長:「サバ缶の原料となる中型のサバが非常に獲れないということで、製造工場のほうで原料調達ができない。休売というかたちにした。原料の回復の目処が立っていないので、いつから再開とは言えない状況」

 ほかにも大手水産食品メーカー極洋が、今月3日からサバ缶28品目の出荷を一時停止しています。

スーパーでは

画像: スーパーでは

 スーパーはどうなっているのしょうか。静岡市駿河区の田子重西中原店。およそ130円から330円のものなど、通常17種類のサバ缶を取り扱っています。

田子重西中原店 増田克己店長:「今のところは(影響が)ないが、全国的にサバ缶がなくなったといった状況になれば、影響を受ける可能性はある。(一部メーカーが)製造していないとなると、その影響はあると思う」

 とはいえ、今後はどうなるかは不透明。買い物客も心配しています。

買い物客 70代:「ちょっとお昼なんか作るのが面倒くさい時には、ひと缶開けて。確実に何缶かは(家に)置いてある。困る。なにか頼りにしていたところもある」

買い物客 50代:「ある物がなくなってしまうのは困る」

買い物客 70代:「(食べるのは)3日に1回くらい。サバ缶を箱買いしている。普通にあるものと思っているので、困るとしか言いようがない」

 物価の高騰が続く中、比較的安価に手に入り、栄養食品としても人気の高いサバ缶。県内の別のスーパーでは、入荷自体が少なくなっているとそうで、棚に並べるとすぐに売り切れるものもあるということです。

田子重西中原店 増田克己店長:「今は問屋さんに在庫があると思うので、それが無くなる頃なので、何カ月後かはわからないが、今のところはすぐ商品がなくなる状況ではないので、安心してというか慌てずに買いだめとかはしないほうがいいと思う」