体育館での避難所生活を中学生が実体験 「我慢がいっぱい」「プライバシーが確保されない」 静岡・掛川市
1泊2日で避難所生活を体験
掛川市立栄川中学校。体操服姿で集まってきたのは1年生33人です。
「35.5度、消毒もしてね~」
この日行われたのは、1泊2日で避難所生活を体験する防災研修です。2011年の東日本大震災以降、1年生を対象に、毎年防災研修を実施している栄川中学校。実際に学校の体育館に宿泊することで、避難所の生活を体感し、防災意識を向上させるのがねらいです。
防災研修の始まりは、夕食作りから。といっても、メニューはレトルトカレーです。このレトルトカレーは、掛川市が避難所となっている学校に備蓄しているもの。お米もアルファ米です。
「いただきます」
普段とは違う環境で食べる備蓄用のレトルトカレー。
生徒:
「ちょっといつものごはんと違って硬めに感じた」
「プライバシーが確保されない」「我慢がいっぱい」
夕食に続いては、体育館で図上訓練です。通学路別のグループに分かれた生徒たち。地域の人と協力して、通学路などにある崩れやすい崖や氾濫しやすい河川などの危険箇所をチェック。災害発生時に、支援が必要になる可能性がある高齢者施設などをシールを貼って確認します。あたりが暗くなってくると、就寝準備です。コロナ禍の避難所、雑魚寝ではなくテントが必須です。慣れない作業に悪戦苦闘しながら、33人分のテントを設置。就寝準備が整いました。
生徒:
「初めてでいつもとは全く違う生活で、プライバシーが確保されていなかったりごはんが好きなものも食べられなかったりして、我慢がいっぱいの生活だと思った」
そして午後10時。
「消灯します」防災研修1日目が終了。
一夜明けた午前6時半…。
生徒:
「よく眠れました」「ちょっぴり眠い」
防災研修2日目。三角巾の使い方や水のろ過の方法…。心臓マッサージに、AEDの使い方…。学ぶことは目白押しです。一泊二日の防災研修。
生徒:
「本当に災害になったときに避難してきた方を引っ張れたらいいと思った」
「かなり貴重な体験なので、もし大地震があった時に、生かしていきたいと
思いました」