「抹茶なのにイチゴ味?」海外から問い合わせ殺到 「普通の抹茶は売らない」老舗製茶メーカーの挑戦が世界を驚かせた 

 静岡県で初めての「酷暑日」も記録しているこの夏。そんな時に飲みたくなるのが…

伊地健治アナウンサー:「夏空の下、田んぼが広がるのどかな風景です。そんな中で味わう冷たい緑茶。嬉しいですよね。いただきます。しみるなぁ。実はここ、掛川市にあるお茶屋さんなんですけれども。後ろを見ますとね。普通にお茶が売られています。ただ驚くのはこちら。店頭にはなんとたくさんの樽があります。ブルーマウンテン、ミルキーマンデリン。珈琲豆を売っているんですね。ここで焙煎しているそうです。さらにこちらを見ますと。ほうじ茶コーヒーですとかフルーツ抹茶なんていうものもあります。いったいどういうことなんでしょうか」

「抹茶なのにイチゴ味?」海外から問い合わせ殺到 「普通の抹茶は売らない」老舗製茶メーカーの挑戦が世界を驚かせた 

海外から問い合わせが殺到

 掛川市にある「掛川一風堂」。創業94年の老舗です。

代表取締役 荒川佳也さん:「道を歩く人も『そんな簡単に飲めるなら1個買っていこうかしら』というぐらいのノリで買うことができるような商品。そこのところを日本のちゃんとした商品として、我々も提案できたらいいなと思ってます」

 実はこちらの店の商品、今、海外からの問い合わせが殺到しているそうなんです。

「抹茶なのにイチゴ味?」海外から問い合わせ殺到 「普通の抹茶は売らない」老舗製茶メーカーの挑戦が世界を驚かせた 

 掛川市下垂木にある製茶メーカー掛川一風堂。そこには、驚きの光景が…

伊地アナ:「驚きなのがですね、ここを見ると普通のお茶屋さんだな。いろんな掛川日本茶売ってますけれども。驚きなのがお店入ってすぐコーヒー豆を売っている。しかもこれだいぶ種類が多いですよね」

荒川佳也さん:「そうですね」

伊地アナ:「ちょっとコーヒー専門店か、と思ってしまう。入り口、こちらを見ると今度ほうじ茶コーヒーとか。抹茶は抹茶でも、ただの抹茶じゃなくてフルーツ抹茶とか。一体ここは何屋さんなんだろうって思っちゃったんですけど。どういうコンセプトなんでしょうか」

荒川佳也さん:「いろんなものを始めてみようという、ちょっとチャレンジングな会社というかですね、そういったところがありまして」

伊地アナ:「抹茶需要はものすごく高まっているということで、静岡のお茶農家さんもそうだし、製茶問屋さん、お茶メーカーも含めて、かなり今、抹茶にシフトしてきてるなっていう感覚はあるんですけども、いわゆる普通の抹茶というものは扱わないんですか」

荒川佳也さん:「そうですね。要望いただいて扱うこともあるんですけども、基本的な考え方として、弊社が取り組んでいるスタイルというのが、マーケットインといいまして、商品コンセプトが現地のお客さんが欲しいって思えるものを模索しながら作っているという。そういう形でお抹茶を提供しております」

「ふるーつ抹茶」シリーズも海外で人気

 掛川一風堂では近年の海外抹茶ブームを受け、“親しみやすい抹茶”を商品化して売り上げを伸ばしているといいます。中でも4年前に販売を開始した「ふるーつ抹茶」シリーズは海外からの問い合わせが殺到しているそうで

伊地アナ:「普通の抹茶ではなくて、ふるーつ抹茶にたどり着いたのはどうしてなんでしょうか?」

荒川佳也さん:「現地で抹茶を飲む方の様子を聞いてみますと、立てて飲む方もいらっしゃるんですけど、大多数のお客さんがですね、牛乳で割って飲む。本音を聞いてみると「グラッシー」っていう言葉を聞くんですよ。
 コーヒーとかワインとかの味を表現する、ちょっと草のような香りがするっていう肯定的なイメージなんですけど、こと抹茶に関しては「ほんと言うとグラッシー」というところがあって…。ということは「何かここにヒントがあるだろうな」っていうやり取りがきっかけで、その言葉を持ち帰って、じゃあ甘くて美味しいお茶・抹茶を作ろうっていうところから、そこにフルーツが掛け合わせたという1つのきっかけなんですけども、それが相乗効果的にいろんなものと組み合わさってこういう形になっているので、得てして作ったというよりも「結果的にこうなった」というところが正直ではあるんですけどね」

伊地アナ:「確かに考えてみると、抹茶ブームとは言っても、じゃあ抹茶を立てて飲むのかっていう日本人でさえも、やっぱり抹茶スイーツとか。そうですね。抹茶ドリンクとか。やっぱりそちらの方がどちらかというとメジャーな抹茶の使い方ですよね」

 パッケージの中を見せてもらうと…

伊地アナ:でもなんか普通のお抹茶の粉っていう感じですよね。ですね。そして。もう開けると。すごく香りがあって。広がりますね。イチゴのいい香りです」

 売り上げの3割を輸出がしめるという掛川一風堂。今年6月に東京ビッグサイトで行われた外国人バイヤー向けの「日本の食品輸出エキスポ」にも
「ふるーつ抹茶」を出展しました。

伊地アナ:ちなみに海外というと。どういう国。どういう地域の方々が。日本の抹茶との興味を示してるんでしょうか?」

荒川佳也さん:「東アジア、東南アジア、中東、欧州の方とアメリカ、南米の方と来てくださいましたね」

 特にイチゴやマンゴー味のふるーつ抹茶の評価が高かったそうです。

「ふるーつ抹茶」イチゴ味を試飲

 ということで、「ふるーつ抹茶」のイチゴ味を試飲させていただくことに。海外向けと同じ、牛乳で割るスタイルでいただきます。

伊地アナ:「これがお抹茶。いただきます。おいしいし、スッキリします。夏にぴったりですね」

荒川佳也さん:「そうですね。フルーツ感とお抹茶のほんのりした風味が。一緒に楽しめるというものになってます」

伊地アナ:「本当に飲んだ感じ。いちごミルクに少し抹茶が香るっていう感じで、何とも美味しいです。甘みもありますね。うす茶糖ですかね、ちょっと甘いお茶あるじゃないですか、あれをもっとデラックスにして、イチゴが香って「なんて美味しいんだろう」っていう感じのドリンクです」

荒川佳也さん:「私たちの目指すところは、たてる本格的な抹茶ももちろんそうですけど、これを啓蒙して世界の皆さんに広げていこうとするならば、やはり入りやすい商品。手軽でサッと飲めるけど、『日本の抹茶が体験できますよ』で、イチゴとかレモンとか、お子さんや皆さんが楽しめる、普段身近にあるフルーツと組み合わせた方が、より相乗効果があるんじゃないかという思いで作りました」

伊地アナ:「まず間口を広げるということなんですね」

伊地健治アナウンサー
伊地健治アナウンサー

「フルーツ抹茶」出荷量は4年間で3倍

 世界的な抹茶ブームによって去年の日本の緑茶の輸出額は721億円と過去最高を記録。さらに7月にはブランド力を守るため、日本茶が「地理的表示保護制度」に登録されました。

 活発化する「お茶」をめぐる動き。そうした中で掛川一風堂でも、「ふるーつ抹茶」の出荷量は4年間で3倍になるなど抹茶ブームは加速度的にがりを見せています。6月からは地元のアンテナショップとコラボして、「イチゴとケール」の抹茶ドリンクが販売。お客さんの反応は…

お客さん磐田市から50代:「おいしいです。甘い!」

お客さん磐田市から30代:「イチゴとケール、どちらもほどよく感じる」

お客さん磐田市から50代:「飲みやすいです。さっぱりしてる」

 「ふるーつ抹茶」を含め、8年で100種類以上の商品開発をしたという掛川一風堂の荒川社長。

伊地アナ:「機械のスイッチをいれたら、もう抹茶が出てきました! 舐めてみてもいいですか? すこし苦みもあって、おいしいです」

 海外で抹茶ブームが活気づくなか、常にトレンドを注視していといいいます。

「抹茶なのにイチゴ味?」海外から問い合わせ殺到 「普通の抹茶は売らない」老舗製茶メーカーの挑戦が世界を驚かせた 

荒川佳也さん:「静岡のご当地グルメとかと同じように『その国のご当地で飲まれる抹茶とはなんぞや』というところを、これから僕たちはどんどん研究をしている」

伊地アナ:「ただの抹茶でも、この国で飲む抹茶はこうやって飲む。違う国ではこうやって飲む。その違いを見極めた細やかな製品作りをしていく?」

荒川佳也さん:「そもそも抹茶はエメラルドグリーンの綺麗な飲み物ですけど、色をつけた赤い抹茶とか、海外ではあると聞いてますので「何でそういう風になるのか」っていう背景を僕らは知りたいなと。そこに次の時代への新しい布石が埋まってるんじゃないかなと感じます」

「抹茶なのにイチゴ味?」海外から問い合わせ殺到 「普通の抹茶は売らない」老舗製茶メーカーの挑戦が世界を驚かせた