地域に根差した老舗フグ料理店 台風被害から1カ月半常連客とともに新たな歩みを

台風15号の大雨で被害をうけてから1カ月半。被災し休業していた老舗のフグ料理専門店が再開しました。 

画像: 1108YD youtu.be

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 巴川近くにあるフグ料理専門店「食道楽」。

 この地で80年近く続く老舗です。 
 
 看板メニューは「フグ刺し」。

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 この日は、鹿児島の天然トラフグを仕入れました。

 厨房で準備を進めているのは店主の田島彰さん。

 休業を余儀なくされてからおよそ1カ月半。ようやく店を再開させました。

 9月に発生した台風15号。

 清水区では巴川の氾濫で、付近の住宅などが水に浸かりました。

 発災から2日後、田島さんは土砂の撤去作業に追われていました。

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 田島彰さん:
「こちらの座敷がもう全部床上浸水で全部畳がダメで、こちらの部屋も全部ダメですね。もうしょうがないですね。一番辛いのはコロナが終わって、これからというときに、ありがたいお客様をキャンセルしたことが、正直一番辛いですね」

 発災直後の厨房の写真。

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 80センチ近く水に浸かってしまったため、冷蔵庫は横に倒れ、食器類は粉々に。調理器具などもあわせておよそ半分が使い物にならなくなりました。

 それからおよそ1カ月後、店内のリフォームを始め、少しずつ再開への準備を進めてきました。

 以前の様子をもう一度再現したい。

 その思いを胸に今月中の営業再開を目標に掲げていました。

そして開店の時。店には次々と常連客が

 そして6日午後5時。開店の時を迎えました。

 訪れた客の多くは、常連客。

1組目の常連客:
「先代の前の女将さんからすごく可愛がってもらったので。特別な(店)。もう待っていましたね」

常連客(夫婦・妻):
「本当はきのうきょうと伊豆に行こうかななんて思っていたのだけれども、メールが来て『日曜日に開店するよ』ということで急遽変更してきました」

常連客(夫婦・夫):
「本当に嬉しいですね。これから忘年会がありますから、色んな人を誘ってまた来たいなと思っています」

 大変な状況の中、支えてくれたお客さんの存在。

画像1: そして開店の時。店には次々と常連客が

 開店から1時間半、店内はほぼ満席になり笑い声が戻っていました。

田島彰さん:
「嬉しい限りです。大工さんにも無理を言って急いでやっていただいたので、本当に感謝しております。あとは仕入れ先の方からも、優しい言葉をかけていただいて。 早く復帰したいなと思っていました」

 ようやく迎えたこの日。お客さんの姿に再開への実感が。

田島彰さん:
「やっぱりやめたくないなと何度もみなさんの笑顔に会いたいので。今まで以上にあたたかい気持ちになっていただけるようなお店にしたいと思っています」

画像2: そして開店の時。店には次々と常連客が

 先代から受け継ぐ地元に根ざした食事処。

 地域とともに新たな歩みを始めました。