台風7号はナスにとっては恵みの雨? それでも高い今年の夏野菜

雨が降ったりやんだり不安定な天気となった静岡県内。この雨が食卓に与える影響はどうなのか?県内の「夏野菜」事情を取材しました。

画像1: 台風7号はナスにとっては恵みの雨? それでも高い今年の夏野菜

 7月から連日厳しい暑さが続いていた中、ここ最近は台風7号の影響もあり、不安定な空模様が続いている静岡県内。

 この「雨」が、「恵みの雨」となった場所もありました。

画像2: 台風7号はナスにとっては恵みの雨? それでも高い今年の夏野菜

三和農園 河村亮さん:
「この辺まだまだ小さいが、台風7号の後、水が(農園に)だいぶ入ったということで、非常に柔らかいが、こういう状態に戻ってきたので、恵みの雨だったという気がしている」

 焼津市で、直売所やスーパーなどに野菜を出荷している、三和農園。

画像3: 台風7号はナスにとっては恵みの雨? それでも高い今年の夏野菜

 こちらの農園では7月末、連日の暑さによって育てているナスが水不足の状態となり、およそ200株あるナスのうち7割ほどが、「石ナス」と呼ばれる固いナスになってしまいました。

画像4: 台風7号はナスにとっては恵みの雨? それでも高い今年の夏野菜

 出荷もできず、廃棄するしかなくなったナス。

 被害金額は7月だけで40万円以上に及んでいます。

 ところが、現在のナスの生育状況はと言うと…。

三和農園 河村亮さん
「こうしてパッと見てもわかるように、花ですよねナスの花。これが7月の段階では(水不足で)ほとんどない状態だったが、台風のあと、花がだいぶつき始めた。
花さえつけばそこに必ず実がなってくるので、この後はすごく安心できるし秋ナスに向けだいぶ期待している状況。」

 台風が過ぎ去った後の先週できたナスと、猛暑が続いていた先月のものを比較するとご覧の通り。

画像5: 台風7号はナスにとっては恵みの雨? それでも高い今年の夏野菜

 7月のナスは全体的に傷が目立ち、色も紫がかっていますが、台風後のナスは色つやがよく、張りがあるものになっています。

 こちらの農園では現在、廃棄するナスは全体の1割ほどにまで減少し、7月末から止まっていた出荷も、今週から再開したということです。

三和農園 河村亮さん
「(ナスは)やはり近年の35℃を超える気温とかになると勢いは弱って来るし、なにせ水不足になると非常に調子が悪いが、あの台風以降、新芽や新しい葉っぱがだいぶ出始めた。こういったのが台風のあとに出てきた葉だが、そういったのが出始めるということは若干の気温の低下としっかりと水分が入ったという証拠なので、これからの季節は僕も非常に期待しているし、消費者もおいしい秋ナスがたくさん食べられると思う。」

画像6: 台風7号はナスにとっては恵みの雨? それでも高い今年の夏野菜

スーパーをのぞいてみると

 雨の影響で収穫量が増えたという、ナス。

 一方で、静岡市内のスーパーをのぞいてみると…。

画像1: スーパーをのぞいてみると

田子重 西中原店 増田克己店長:
「今のところは先月は1本78円で販売していたが、いまのところ7月と同じ売価。」

 こちらのスーパーのナスの価格は、現在1本あたり78円。

 7月取材した時にも、価格は1本あたり78円だったため、変わっていません。

 去年と同じ時期に比べると、10円ほど高い状況だといいます。

画像2: スーパーをのぞいてみると

 野菜などの流通を取りまとめる静岡市中央卸売市場によると、静岡県内のナスの流通は山梨県や群馬県産が多く、静岡での収穫が増えたとしても量が少ないため、市場にはまだ価格が反映されていないと言います。

画像3: スーパーをのぞいてみると

田子重 西中原店 増田克己店長:
「今後出荷量が上がってくれば(価格が)10円下がったりする可能性はあると思う。安いにこしたことはないので、これからの時期も1本68円とか58円になれば売れ行きも上がってくると。」

 買い物客からも、野菜の値上がりを痛感する声が・・・

画像4: スーパーをのぞいてみると

静岡市民 70代:
「(ナスは)高いと思う。ナスばかりじゃなくて全体的に野菜高いので、そのうち安くなるのを待つしかないと思って必要な時は買っている。」

静岡市民 70代:
「高いなと思う。今までもう少し買いやすい値段だったが、きょうあたり、どうしようかなと悩む金額なので、きょうは(買うのを)やめとこうかなと。こういう時はお互いに我慢しながら上手に買い物するしかないかなと。」

画像5: スーパーをのぞいてみると

他にも値上がりしている野菜が

 店内には、他にも値上がりしている野菜がありました。

 それは・・・

画像1: 他にも値上がりしている野菜が

田子重 西中原店 増田克己店長
「ホウレンソウは先週と比べて1袋あたり60円(価格が)上がっている」

 現在、値段が上がっているのが、こちらのホウレンソウ。

 市場への流通量減少が値上がりの原因で、こちらの店では先週から販売価格を2割ほど上げる事態に。

 静岡市中央卸売市場によると、主な産地である長野県や茨木県などで暑さによって生育不足となっていて、国内全体の流通量は去年に比べ6割ほどにまで減少しているといいます。

田子重 西中原店 増田克己店長:
「一番いいのはお客様が選びやすくというか、値段のことも気にしないで買い物していただければ、いろんな料理もできるのでそういう意味では、あまり値上げはスーパーとしては少ない方がいい。」

画像2: 他にも値上がりしている野菜が