静岡大学防災総合センターの牛山素行教授の現地調査に同行(後編) 静岡・磐田市

先週金曜、大雨で堤防が決壊した磐田市の敷地川。

 上流では、70代の男性が亡くなっています。

画像1: 静岡大学防災総合センターの牛山素行教授の現地調査に同行(後編) 静岡・磐田市

伊地健治アナウンサー 磐田市大平 6日:
「磐田市の山間部大平という場所に来ています。この辺りの地形、谷のようになっていて、あちらに流れているのが敷地川です。一部の場所で決壊をした川です。大雨が降った先週金曜日、この地区に住んでいる74歳の男性が行方不明になりました。そしてその後、ここから25キロほど下った場所にある袋井市の海岸で男性は遺体となって発見されました。」

 警察などによりますと、男性は1人暮らしで、先週金曜2日の朝から連絡が取れなくなっていました。

 自宅付近の敷地川に転落したとみられ、4日朝、袋井市の浅羽海岸で、遺体となって見つかりました。

画像2: 静岡大学防災総合センターの牛山素行教授の現地調査に同行(後編) 静岡・磐田市

 防災の専門家・静岡大学の牛山教授と、敷地川の上流部に向かいました。

静岡大学 防災総合センター 牛山素行教授:
「ここに橋があったということでしょうね。この川の近くに行って流された可能性があるのでは」

画像3: 静岡大学防災総合センターの牛山素行教授の現地調査に同行(後編) 静岡・磐田市

 男性の自宅は川のすぐそばで、近所の人の話によりますと、架けられていた橋は、2日の夕方に流されてしまったといいます。

静岡大学 防災総合センター 牛山素行教授:
「ここは狭い谷底ですけれど、川があって同じぐらいの平らな土地がありますね。この川が土砂を運んできて、この平らな部分を形成している」

「普段は 一段低い所を流れているが、谷底の平らな所全体を水が流れることは当然起こり得る。
水位がどんどん上がってくると立っている場所も川になる?
表面に見える土砂も いつの時代かにこの川が上流から運んできた土砂が堆積している」

「川の近くは 洪水時には水が上がってきて流れていくという危険がある所。川のすぐそばだと家が流されることも十分あり得る。家が流されるに至らないような洪水でも人や車は簡単に流されてしまう」

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浸水した場所には近づかないのが鉄則

画像1: 浸水した場所には近づかないのが鉄則

 牛山教授は、浸水した場所には近づかないことが鉄則だと言います。

静岡大学 防災総合センター 牛山素行教授
「よく「どれぐらい水深があると流される」と言われているが
あれを あまり目安にしないほうがいい。
大雨が降っている時の考え方は「何10センチ」という目安を作らないで、雨が降っている時は流れている水には絶対近づかない。流れている水に近づくと 命を落としてしまう」

画像2: 浸水した場所には近づかないのが鉄則

これから本格的な梅雨シーズン、台風シーズンを迎えます。
私たちは、いざという時、どのような行動をとる必要があるのでしょうか?

画像3: 浸水した場所には近づかないのが鉄則

静岡大学 防災総合センター 牛山素行教授
「私の調査結果によると風水害、洪水・土砂災害で亡くなる人の約半数は 家の外で亡くなっている。
普段通りの通行中とか災害のために作業をしていたとか
屋外で亡くなる人が 全体の半数にのぼる。
よく「逃げなかった」と言われるが、むしろ屋外で移動していて亡くなるという方が相当数いる。
雨風が激しい時にやみくもに外に出てしまうと、土砂災害から逃れられたけど水でやられてしまうとか、 風が強いとか、
たとえ避難の目的でも移動する距離はなるべく短く。
身近な所でちょっとでもましな所に(避難すべき)」

画像4: 浸水した場所には近づかないのが鉄則