周囲を堤防と山に囲まれ内水氾濫が起きやすい沼津市大平地区 再びの被害に落胆する住民

これからが 本格的な雨のシーズン。対応は急務です。記録的な大雨によって住宅の床上浸水が相次いだ静岡県沼津市の大平地区。またも起きた被害に住民からは落胆と対策を切望する声があがっています。

 浸水被害が相次いだ、大平地区。

 “災害ごみ”の臨時の置き場では、20日朝も住民が作業に追われていました。

 大量に運び込まれた家具や家電が物語る、被害の大きさ。

 こちらの女性も床上浸水の被害に遭ったといいます。

大平地区の住民
「仕事へ出ていて帰ってきたら家に帰れなかった。どこも通行止めで。外・駐車場が泥だらけ。家の中も水が引いたら泥だらけ。大変でした」

 大平地区での浸水被害は今回が初めてではありません。

空撮・石田和外アナウンサー実況
「畑と新しい住宅が立ち並ぶエリアで浸水被害がみられます。周辺の道路はまったく確認できません」

 狩野川の中流域に位置し、周囲を堤防と山に囲まれ、土地が低くなっている大平地区。

 大雨によって狩野川の水位が上昇すると、地区を流れる川で、内水氾濫が起きやすい地形条件となっています。

 今回も狩野川につながる支流の水があふれ、深い所で50センチ以上冠水しました。

難波亮太記者
「おとといの大雨ではこちらの排水機場にある4台のポンプと2台の移動式ポンプで狩野川に排水したが浸水被害が出てしまった」

 住宅の床上浸水の被害は、およそ30軒に上りました。

大平地区の住民
「ダンボールなどが濡れたら全部こうなっちゃった。床下に水が溜まっているからそれを抜いて・・・」

 こちらの家では、床上は免れましたが、床下が浸水。

 20日も床下の水をポンプで吸い上げるとともに、扇風機で乾かしていました。

大平地区の住民
「土地が低いから、(2019年)台風19号のときも床下など、浸かることが多い」

難波亮太記者 新しいポンプ場の予定地
「こちらが2026年度末の完成を目指している新たな排水機場の工事現場です。2019年の台風19号の降雨による床上浸水を概ね解消できるということです」

 市は2026年度中に新しい排水ポンプ場を開設する計画を進めていますが、その前に再び被害が起きてしまった形です。

大平地区の住民
「ここはもともと水はけが悪いのは承知なので、新しく(排水ポンプ場を)造ってもらって今回みたいなことが起きなくなればありがたい」

大平地区の住民
「ポンプをとにかく動かしてほしい。雨がやんでも山に降った水はどんどん出てくるわけだから

大平地区の住民