台風10号の記録的大雨から1週間 土砂崩れの被害で今も対応に追われる被災者は…
台風10号の影響で記録的な大雨となった静岡県内。土砂崩れなどで被害を受けた人たちは今も対応に追われています。
笹村朱里アナウンサー
「清水の上空です。清水方面の山が大きく崩れています。
土砂が鉄舟寺に流れ込んでいます。山肌が大きく見えている状態です。」
8月31日に幅およそ40メートルにわたって発生した土砂崩れ。
51基の墓石が被害に遭いました。
鉄舟禅寺 世永天山さん
「色んな人から意見を借りながら知恵を借りながら1日でも早く復旧できるように精一杯前に進んでいきたい。」
鉄舟禅寺によると、近いうちに説明会を開き檀家と意見交換をするといいます。
また、墓石やお骨の確認作業は、崖に安全確保のための鉄板を設置してからとなるため、まだまだ時間がかかる見通しです。
今後は同じ宗派の寺とも連携をしながら、代替地も視野に復旧に動き出すということです。
イチゴ農家は
嶋田光希アナウンサー
「静岡市駿河区根小屋の土砂崩れ現場です。1週間たったいまもこのようにビニールハウスの骨組みなどが散乱して爪痕が大きく残っています。きょうも復旧作業が行われていて、いまはブルーシートのあたりから落ちてきたコンクリート壁を取り壊す作業をするということです。」
静岡市駿河区根古屋ではイチゴ栽培のビニールハウスが土砂に飲み込まれました。
これは、土砂崩れ発生前の映像です。
その後、幅およそ30メートルにわたって土砂が流れこみ、ビニールハウスは流されてしまいました。
災害から1週間たった今も、イチゴを栽培していた石垣は手つかずのまま。
斜面にはビニールハウスの骨組みだけが残されています。
土社崩れによってハウスに水を送るためのパイプが破損。
現在は水が十分に供給できない状態だといいます。
2棟が被害 イチゴ農家 川嶋善次さん(76)
「大変。本当に大変。明日の(栽培用の)水がまだ確保できてないとなると寝られない時もある。だから来年のことは正直わからない。」
イチゴの栽培に必要不可欠な“水”の問題。
他の農家にも影響が出ています。
嶋田光希アナウンサー:
「大雨の影響でこちらの農業用井戸に設置していたポンプとモーターが水没したということです。いま水は引いて修理に出しているということですがあちらの土砂崩れ現場にパイプを通し、それが壊れた農家はいまだ水を確保できない状況が続いているといいます。」
農業用の井戸が水没 イチゴ農家 川島寛さん:
「何十年も井戸を何軒の農家も使っているが、モーターが水に浸かったのは初めて。井戸も最大120センチぐらい水が入っていた。」
こちらの農家では、ハウスへの被害は免れたものの、井戸水を引くためのポンプとモーターが水没したことで、水が送れない状況に。
現在は大雨前にタンクへ貯めてあった水を節約しながら使うことで、なんとか水やりをできているといいます。
イチゴ農家 川島寛さん:
「9月末ぐらいに石垣に定植する時期だが、そこまでになんとか水を回復しないと少し困ったことになる。こんなにひどいのは50年ぶりぐらい。」