台風被害は磐田市でも…ボランティアが大きな力に 行政の対応は…
土砂崩れが発生…多くの住宅が巻き込まれる
高橋諒記者:
「磐田市神増地区に来ています。あちらが台風の影響で土砂崩れが発生した現場です。山肌が露わになっています。そして、すぐ下には民家が立ち並んでいるんですが、土砂によって押しつぶされてしまっています」
台風15号によって、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降ったとみられ、磐田市付近には、記録的短時間大雨情報が2回出されました。
この影響で、磐田市北部に位置する、神増地区で土砂崩れが発生。けが人こそいなかったものの、多くの住宅が巻き込まれました。
近隣住民:
「竹が割れるバキっていう音があって、その時に上から(土砂が)流れてきたと思う。やっぱり恐怖感はありますよね」
土砂崩れによる被害は、住宅だけではありません。
高橋諒記者:
「見てください、こちら。木や土砂で道路が完全に埋まってしまっています。そして、その先には県道があるんですが、近くの標識は半分以上、土砂で埋まってしまっています」
磐田市を南北に結ぶ、県道44号線。およそ350メートルにわたって流れ出た土砂が道路を寸断、通行止めとなっています。
道路脇に積まれた土砂はこの通り、人の背丈を超えるほど。
土砂崩れは県道44号線を南に下った、平松地区でも起きています。
西尾梓アナウンサー:
「こちらの家では、裏山から崩れ出た土砂を、小さなダンプカーに載せる作業が行われています。その後、こちらの道路に運搬し、大きなダンプカーに載せ替え、市が用意した仮置き場に運搬するということです」
磐田市でも災害ボランティアが復旧に向けた大きな力に…
ボランティアは地区ごとに別れてバスに乗り込み、要請があった現場に向かいます。向かったのは磐田市北部の敷地地区。
近くを流れる敷地川から水があふれ、大きな被害が出ました。
西尾梓アナウンサー:
「あちらご覧ください、橋の部分が、下に折れ曲がっています、そして、その上には当時流れ出たであろう流木がまだ絡まっている状況です」
こちらの住宅は床上1メートル50センチほどまで浸水。ボランティアは被災した住民の要望を聞きながら、作業に当たります。
ボランティア:
「この泥を外に出せばいい?」
住人:
「この泥を運んでもらいたくて」
30日、磐田市は最高気温28.6℃と、暑い1日となりました。
およそ15人のボランティアは熱中症に気を付けながら、乾いて固まってしまった土砂を運び出したり、浸水して動かなくなった車を4人がかりで移動させたりしていました。
ボランティアを依頼した住民:
「人の手でやらなければいけないところが多いので、そういうところに入っていただけているのはすごくありがたいです。すごい力になってもらえて(スピードが)違いますね、どんどんどんどん土が運び出されているのを見ると大きいなと思う、日々毎日、一個一個できることをやっている。何とか気持ちを保ちながらやっている」
こうした被害に、行政の対応は…
30日午前、磐田市議会の対策会議に草地博昭市長や市の担当者が出席。被災状況や市の対応について説明しました。
市議と草地市長のやりとり
Q.磐田天竜線(県道44号)が開通できるのは、どのくらいかかるのか?
「磐天線(磐田天竜線)の開通時期については、我々も見通しが立っていないという報告をもらっている。北側の神増地区は山に土留めがないので、(土砂を)取っても、取っても、上から落ちてきている状況が続いていると聞いている」
草地市長は県道44号沿いにある神増・平松地区の被害を受けて、自衛隊に災害派遣要請ができないか、県に相談していたことを明らかにしました。
磐田市 草地博昭市長:
「県の方に逐一相談しながら、(発生)翌々日あたりから要請できないかと相談していたが、要件に合わず、今回自衛隊は要請できないということになった」
会議終了後、取材に応じた草地市長は…。
磐田市・草地博昭市長:
Q.相談は磐田市の方からしたのか、県からヒアリングがあったのか?
「両方です。県の方のヒアリングは担当課に入っていたが、私が単独で当然電話でやりとりしていたので、その中で自衛隊というキーワードを出しながら相談してきた」
Q.条件に合わなかったという話だったが、何が合わなかったのか?
「恐らく我々は磐田市の被害のことしかわかっていない。全体を把握していない我々が、今ここで申し述べることは避けたい。鋭意努力してもらっていると、常に連携している中で受け止めている」
草地市長は1週間から2週間程度で、県道44号の通行を再開させたいとしています。