「予算カット」発言で高市総理お気に入り大臣を野党が猛追及 静岡選出閣僚も対応に追われる 細野大臣が“序列2位席”に/今週の政治ニュース

国会開幕 細野氏は“序列2位席” 井林氏も初入閣後初の本格国会へ

 5日から始まった、臨時国会。会期は12月12日までの69日間です。消費税減税法案や維新肝いりの定数削減法案などを焦点に、与野党の論戦が交わされます。天皇陛下が出席され、国会の開会式が開かれると、高市総理をはじめ、閣僚は議場中央の前列に並びます。

 並び歩いて議場へと向かったのは、内閣改造で入閣を果たした静岡選出の2人。井林国交大臣と細野復興大臣です。

 拍手で出迎えられ、衆議院の本会議場に入った高市総理。内閣改造で、議場の見え方にも変化が。議長席の左右にある大臣席。細野大臣が座ったのは、議長席の向かって右側の最も内側。総理に次ぐ、内閣の“序列2位”とされる席です。

細野復興大臣(左)と井林国交大臣
細野復興大臣(左)と井林国交大臣

高市首相「責任ある積極財政元年」

高市早苗総理大臣(演説):「高市内閣の最優先課題は「経済」の力で、国民の皆さまの暮らしを守り、「希望ある未来」を切り拓くことです」

 最優先は、「経済」。およそ30分間の演説の大半を費やしました。

高市早苗総理大臣(演説):「成長なくして、賃上げは続きません。成長なくして、税収も上がりません。成長なくして、社会保障の充実もありません。国民の皆さまの手取りを増やし、暮らしを豊かにしながら、「財政の持続可能性」も確保する。今こそ、「責任ある積極財政元年」の幕開けです(議場拍手)」

 今国会の焦点、消費税減税をめぐっては、野党を“けん制”する一文も盛り込みました。

高市早苗総理大臣(演説):「切れ目のない物価高対策かつ、中低所得者の皆さまの負担を直接軽減するため、「消費税・支援金法案」の準備を進めています。そもそも消費税減税は野党の皆さまのこれまでの主張の中にも多くみられたと承知しております。財源確保に関しては、市場の信認を得られるよう、特例公債に頼らずに確保することとしており、ご心配には及びません」

“予算カット発言”簗農水相が国会で謝罪

 この所信表明演説の直後、いま世間をザワつかせている“あの一件”に動きが…。

簗和生農水大臣(国会内/5日):「私の意向によって予算が左右できるかのような発言をしたことは極めて不適切であり、深く反省をしております。改めまして、このたびの私の発言を撤回し、皆さまに深くお詫びします」

Q.改めての謝罪とお詫びとおっしゃったが、今回が初めての謝罪

A.「前回会見をさせていただき、皆さまから「もう少し説明せよ」と、「お詫びをしっかりしろ」ということで…」

 記者たちの前に姿を見せ、釈明をしたのは簗(やな)和生農水大臣。

簗和生農水大臣:「私が担当省庁に予算削減の働きかけをしたという事実はございません」

簗和生農水大臣(栃木・大田原市/5月「簗氏とみられる音声」):「那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算については大幅にカットしました」

簗和生農水大臣
簗和生農水大臣

減額自治体と支援構図の一致

 9月の内閣改造で初入閣を果たした、簗農水大臣による「予算カット発言」。選挙で自らを支持しなかった市長・町長のいる自治体への“圧力”とも取れる発言です。簗大臣は、“保守分裂”となった2月の衆院選で、立候補に敗れ、比例復活しています。

簗和生農水大臣(選挙演説/2月):「政権与党の議席がなくなった地域、その地域への予算というのは、ごっそり削られます。役所も官僚も何にも遠慮いらないんです。遠慮なしに予算を削れるんです」

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 連立を組む、日本維新の会からは…。

日本維新の会 藤田文武共同代表(5日):「かなり調子に乗った発言だったんだろうと。そこについては真摯に謝罪をされたらよろしいかと思います」

高市総理の“お気に入り”

 高市総理の“お気に入り”とも言われる簗大臣。

高市早苗 総理大臣(栃木・那須塩原市/2月):「とにかく私の大事な簗ちゃん。私の知恵袋の簗ちゃん。いなかったら大変、本当に大変です」

 簗大臣の街頭演説では、予算についてこんな発言も…。

簗和生農水大臣(簗氏のインスタグラムから):「政権与党の議席がなくなった地域。その地域の予算はごっそり削られる。民意はもう与党の議員いらないと言っているのだから」

 しかし、5日には一転…。

簗和生農水大臣(国会内/5日)
Q.与党でないとニーズは伝えられない

A.「国会活動の中で、地域のさまざまな課題を皆さん、国に対してつないで伝えていると思う。その点については与野党ないと考えている」

 高市総理からは「職責を全うするように」と指示を受けたとして、大臣を続投する意向を示しました。翌日には…。

簗和生農水大臣(農水省/6日):「こういった発言が知れ渡ってしまったことについて、私はこれは大変に不徳であったと」

Q.知れ渡ってしまったことが不徳なのか、発言自体が「不徳」ではないか

A.「自分の中でも高揚感みたいなものがあって、その中で、少し誇張したような表現をしてしまったということ。反省を込めて、当時「不徳であった」とお答えをしたという趣旨」

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井林大臣「削減された事実はない」

 いっぽう、井林国交大臣は「道路予算が削減された事実はない」として、この日のうちに調査結果を出すと発表。この後の国交省の会見によると、今年2月、簗大臣から2026年度に実施する事業の予算配分額について、「問い合わせがあった」ことが明らかになりました。働きかけや圧力については…。

国交省官房会計課 沖本俊太朗企画官(国交省/6日):「(担当者から)「働きかけや圧力を受けたことはなかったと思います」と言われております」

 あいまいな回答に、質問が相次ぎます。

国交省官房会計課 沖本俊太朗企画官
Q.働きかけ等はあったのか、なかったのか?

A.「今のところが実際担当した者からの聞き取りの中身。細かいメモがないため、はっきりと覚えていない」

Q.大臣側からのリアクションは何か残っているのか。

A.「すいません。そこは手元にはございません。ご説明をされたと聞いています」

 「記録は残っていない」「覚えていない」との説明が繰り返されました。ただ、前回の衆院選で、自治体のトップが簗大臣の対立候補を支援した3つの市と町では、今年度の道路予算が昨年度より減額。一方で、簗大臣を支援した2つの自治体では、道路予算が増えていたことが、新たに分かりました。簗大臣の「支援の有無」と、予算の「増減の一致」。はたして、これは“偶然の出来事”なのでしょうか…。

国交省道路局企画課 西川昌宏課長(国会/6日):「この交付金の配当自体は地方公共団体からいろんな要望をいただいていますし、事業の進捗状況とか、重点配分対象の事業が入ってくるかどうかを見ながら総合的に調整して決めている額ですので、(議員の問い合わせは)影響しないと考えております」

簗和生農水大臣(農水省/7日):「減額を求めるとかそういったことは一切やっていませんので、予算の状況・結果を確認することを、地元からの要望として、こういう問い合わせがあるよということで確認をしたということです」

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総理周辺の本音は「国交省の調査結果で幕引きに」

 当時、簗大臣は自民党の筆頭副幹事長を務めていました。それを踏まえ、党内からは…。

自民党 萩生田光一幹事長代行:「幹事長室は党の司令塔的な役割がありますので、各省との様々な政策のすり合わせや予算について、他の部署の皆さんより詳しく説明を聞ける立場であることは否めません。だからこそ、権力の使い方を間違えてはいけないと思っておりまして、当時簗さんがそういう思いで職務に当たっていたとすれば、それはおごりであって、決して許されるものじゃないと思っています」

 総理周辺には、国交省の調査結果をもって、幕引きをはかりたい本音もあるようです。

総理周辺:「問題は「予算カット発言」で、そちらは謝罪撤回した。実際の予算の動きについては、何らやましいことはない」

簗和生農水大臣(農水省/7日):「自分としては、大臣として、農林水産行政を前に進めていく思いです」

 7日から始まった高市総理の所信表明演説に対する代表質問。同時に、野党による疑惑への追及も本格化しました。

公明党(会派「中道」)岡本三成代表:「きのうの政府調査発表ではあまりに不十分です。総理、両自治体の道路関連予算が減額された具体的な理由を明らかにしてください。合わせて、予算配分に政治的な支持・不支持を持ち込まない原則を政府内に徹底することを明言していただきたいと思います」

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 簗大臣の「予算カット発言」について、高市総理が言及するのはこの日が初めてです。

高市早苗総理大臣:「国から地方公共団体に対する道路予算の配分は、限られた予算の中、地方公共団体からの要望や事業の進捗状況、重点配分対象の有無などを総合的に勘案して行っており、ご指摘の市町の道路関係予算についても、こうした考え方に基づき配分されたと承知しています。予算の配分に当たって、政治的な支持・不支持を持ち込まないのは当然のことであります。改めて適切な予算の配分を徹底させてまいります」

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国民・玉木代表「全省調査を」

 翌日にはこの人が質問に立ちました。

 「減額を働きかけた事実はない」とする簗大臣に整合性を持たせようと、国交省サイドが合わせているというのが玉木代表の考えです。

国民民主党 玉木雄一郎代表(衆院本会議/8日):「問い合わせただけなのに、なぜ予算をカットしたと自分の手柄のように語ったのでしょうか。普通、予算の増額の問い合わせはしても、減額の問い合わせはしないのではないでしょうか。本当に減額を働きかけた事実はないのですか。正直にお答えください。官僚の皆さんが苦しい弁明をしている姿は気の毒でなりません」

簗和生農水大臣:「一議員として地元のために一生懸命取り組んできた思いと同時に、参加者の気持ちに応えようという思いから、事実と異なる発言をしてしまったものです。国土交通省への問い合わせについては、那須烏山市と
那珂川町の道路予算の配分額を問い合わせたものです。問い合わせに当たり、減額を求めた事実はありません」

国民民主党 玉木雄一郎代表:「高市総理はご自身の任命責任をどのように考えておられますか。同様の事案が他の地域や他の省庁でも一切ないと言い切れますか。国民の疑念を払拭するためにも、全省調査を行うべきではありませんか。答弁を求めます」

高市早苗総理大臣:「とにかく働いて仕事で返せと言っております。予算の配分にあたって政治的な支持・不支持を持ち込まない、これは当然のことであります。全省調査を行わずとも、改めて適切な予算の配分を徹底させてまいります」

国民民主党 玉木雄一郎代表
国民民主党 玉木雄一郎代表

井林国交相が改めて否定「配分作業への影響は一切ない」

井林国交大臣(閣議後会見/9日):9日、井林辰憲国交大臣は、簗大臣の「予算カット発言」を巡り、配分への影響を改めて否定しました。

井林辰憲国交大臣:「(簗大臣から)問い合わせはありましたが、その問い合わせについては事業担当部局に伝わっていなかったということが明確になっているということで報告を受けているので、問い合わせについて、配分作業への影響は一切ないと報告を受けている」

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