「ママはアイドル」メンバー全員が既婚者で子育て中! 限定1か月のはずが活動23年超え…前人未到の「死ぬまでアイドル」
メンバーの1人が産休・育休から復帰し、この春、メンバー全員で活動を再開したアイドル「Negicco(ネギッコ)」。実に9年ぶりに静岡県を訪れ、ファンを喜ばせました。結成以来、23年を超えるキャリアを持ち、メンバー全員が既婚者で子どもがいるという、これまでにあまり例のないスタイルで活動を続けるアイドルを取材しました。(取材・文=三浦徹)
「ご当地アイドル」の先駆け
「Negicco」は2003年に新潟市で結成された、「ご当地アイドル」の先駆けといえる存在です。オリジナルメンバーの「Nao☆」「Megu」「Kaede」の3人で活動を続けています。
当初は新潟の名産ネギ「やわ肌ねぎ」のPRキャンペーンのための、1カ月限定のグループだったそうです。しかし、結成から23年を超えた今も活動を続けていることは、メンバー自身も想定外だったそうです。
Kaede:「そもそも『Negicco』という名前で20年以上活動することが予想できませんでした」
Nao☆:「自分たちの目標がPerfumeさんで、Perfumeさんの存在があったから、自分たちは活動を続けることができました」
1999年に結成されたPerfumeは、2025年12月31日をもって活動を休止しています。このままいけば、Negiccoは近いうちに活動期間でPerfumeを上回ることになります。
今回、静岡を訪れたのは、10月に静岡市で行われた「しずおか大好きまつり」に出演するためです。静岡のご当地アイドル「fishbowl」と3月に共演した縁で、今回の出演につながったそうです。
Negiccoが静岡県を訪れるのは、2017年にネギの産地を回るツアーの一環で、静岡市清水区のライブハウスを訪れて以来。実に9年ぶりとなります。
――久々の静岡はどうですか?
Kaede:「街並みを見て『こんな感じだったかな?』と思いました。多分、ここに来るのは初めてだと思います。(前回来たのは清水区)」
Megu:「3月に共演したfishbowlさんと共演できるのが楽しみです。『さわやか』のハンバーグが食べたかったんですけど、激混みで食べられませんでした」
Nao☆:「10月28日にリリースされる新曲『怪盗ネギィにご用心』もライブで歌わせていただきます。新曲にも注目してください」
メンバー3人が結婚、出産
静岡に来る機会がなかなかなかったのは、コロナ禍もありましたが、メンバーの出産が重なったことも大きな理由のようです。2022年から2025年にかけて、メンバー3人がそれぞれ出産しています。
1人が産休・育休を取っている間は、ほかのメンバーが2人で活動していた時期もあるということです。
Kaedeさんが育休から復帰し、ようやく3人がそろったのは今年の春です。それでも7月に東京で行われたライブは満員御礼。人気が衰えていないことをうかがわせます。
Kaede:「前回、静岡に来たときは、みんなそれぞれ結婚、出産していなかった時で、まだまだ元気があふれていました(笑)。大人になったNegiccoですが、ファンの方からは『今が一番パフォーマンスがいい』『歌がよくなった』と言ってもらえることが増えました。パフォーマンス面では、子育てでかなり体力を鍛えられています。進化したNegiccoを静岡の皆さんに見てほしいです」
Nao☆:「メンバーの仲は前からよかったですが、結婚、出産を経て、さらに団結が深まりました。静岡では3人でライブに出られることをうれしく思っています」
アイドルといえば、かつては卒業してから結婚するというイメージがありました。しかし、メンバー全員が既婚者で、子どももいる中で、第一線で活動を続けているNegiccoの歩みは、アイドルの新しい形の一つと言えるかもしれません。
Megu :「なかなか前例がないと思います。同じメンバーで23年間続けながら結婚もして、子育てをしているアイドルというのは、ほかにいないので、自分たちで道を作っていくしかなくて。自分たちも先が楽しみだし、ほかの方の生き方の道しるべみたいな感じになれたらと思いつつ、頑張っています」
Kaede:「アイドルといえば卒業して、それから結婚というのが一般的でした。でも、私たちはこういう道を歩いていくと決めました。それにちゃんとついてきてくれるファンの人がいるのはありがたいこと。ずっと応援してくださっている方がいるから、この道を選べました。ファンの人あってのNegiccoだと思っています」
家族の応援も、メンバーたちの力になっているようです。
Megu:「自分たちだけじゃなく、今は家族、子どもたちが『ねぎっこ』『ねぎっこ』って言ってくれます。歌も覚えて、この前ライブにも来てくれたんです。目をきらきらさせながら、ママを見ていたみたいで。そういった背中を子どもたちに見せていきたい。夢を持てる何かを見せていきたいと思っています」
Nao☆:「テレビに出てきてNegiccoの曲が流れてくると『ママだ』と言って喜んでくれたり、曲を聴いただけで『ママの曲だ』って言ってくれます。ライブは子どもにも見に来てほしいと思います。Negiccoのライブのお客さんは老若男女で、お子さん連れの方もいらっしゃいます。家族席があるライブもあるので、『小さい子どもがいて、なかなかライブにも行けない』という方も気軽に来ていただきたいです」
もはやアイドルとしてはベテランになったNegicco。現場で一緒になるアイドルは、当然みんな年下です。
Nao☆:「若い人を見ると、『ただただ楽しい』という気持ちでやっているのが分かります。『アイドルは尊いな』って思います」
――今はそういう気持ちではない?
Nao☆:「昔はただただ楽しくて、その時、目の前にあることだけを一生懸命やっていました。私は今38歳ですが、結婚をして、今は違う現実も見えてきました。親も年を取ったなとか、そんなことも考えます。子どもが小学生になったらとか、Negiccoがどうとかじゃなくて、周りの環境とか、いろんなことを考えるようになりました。そういうことを考える年齢になったということだと思います」
自分たちで道を作っていくしかない
結成24年目に突入したNegicco。今後の活動はどう考えているのでしょうか。
Kaede:「今回のように他県に来たときに、新潟はいいところだよと伝えたい。新潟を背負って活動を続けたらいいなと思います」
Nao☆:「今度はfishbowlさんも新潟に呼んで、ほかのアイドルさんとも交流をしていけたらいいと思います。また静岡に来られたらいいなと思います」
Megu:「私たちの地元、新潟を大切にしたいと思います。曲を聴いて笑顔になってくれる人がたくさんいるように、これからも歌います」
結婚、出産を経験しながら活動を続けているNegicco。これからいつまでアイドルを続けるのでしょうか。
Kaede:「子どももNegiccoのことを好きでいてくれて、『いつまでできるかな』というと『死ぬまでやっていいんじゃない』なんて言われて。子どものためにも頑張りたい」
――死ぬまで続けますか?
Kaede:「死ぬまで続けられるかどうかわかりませんが(笑)、看板を下ろさなくてもいいのかという気はしています。ゆるやかに長く続けられたらいい」
Nao☆:「前例がないので、どこまでいけるか自分たちでも未知数です。それが楽しみで、やれるところまでやりたい。あえて先を決めずに、わくわくしながらやれるところまでやりたいと思います」
アイドルというと、一瞬の輝きを楽しむものというのが、これまでのイメージでした。しかしNegiccoは、メンバーもファンも同じように年を重ね、成長していく。そんな、これまでとは少し違ったアイドルの形を見せてくれているのかもしれません。