20年以上前から不正行為…職員旅行や飲み会に 組合長「あってはならないことが、起きた」 カツオ窃盗事件で静岡・焼津漁協
焼津漁業協同組合 西川角次郎組合長:「関係の皆様に改めてお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」
29日朝、焼津漁協の組合長ら4人は静岡県庁を訪れ、カツオ窃盗事件に関する内部調査の報告書を県水産・海洋局の板橋威局長に手渡しました。
焼津漁協によりますと、調査委員会は、今回の窃盗事件とは関連性の低い職員や弁護士ら6人で構成され、聞き取りや匿名のアンケートを実施。報告書は22ページに及び、窃盗事件の経緯や再発防止措置がまとめられました。
そして、職員による不正は、すでに起訴された内容も含め10件明らかになりました。
西川組合長:「あってはならないことが起きてしまったということで、誠に申し訳ありませんというひと言しかありません」
記録担当の職員に報酬渡し計量所通さず搬出
今回の窃盗事件以外にも、2018年から「競り」を担当する職員が、水揚げされた魚の重さなどを記録する帳面係の職員に1万円から2万円の報酬を渡し、計量所を通さずに搬出するよう指示していたことが明るみに出ました。
ほかにも数十年前から10年ほど前までの間、職員旅行や年末年始の飲み会の費用の一部にあてるため、抜き取った魚を加工会社に渡して現金を受け取っていた職員がいたことなどがわかりました。
不正行為は少なくとも20年前からあったことが確認され、調査委員会は漁協内の風土を要因の一つにあげました。
弁護士:「組織で隠蔽するとか、組織で配分を調整したりとか、そういうことはなかったとは思います。ただ、複数の方が関与して、それを全く知らなったかというとそういうわけではない。そこを声を出さなかったり自分がやらなければいいやという方もいましたし」
2012年には内部告発も…
2012年には、魚の抜き取り行為に関して内部告発があったものの、該当者が否定したため、それ以上の追及は行われず、食い止めることができなかったといいます。
今後、漁協は被害に遭った船会社などに対して、合同説明会を開くことにしていて、今回の内部調査で不正行為への関与が発覚した職員への処分や幹部の責任も検討するとしています。
一方、県は29日に提出された報告書を吟味したうえで、再発防止委員会を立ち上げることにしています。