【台風8号の爪痕】静岡・松崎町の断水29日に復旧の見通し 住宅に流れ込んだ土砂をボランティアが撤去

 台風8号の被害を受けた静岡県松崎町では、一部の地区でいまだ断水が続いていますが、町は上水道について29日に復旧する見通しだと発表しました。

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【台風8号の爪痕】静岡・松崎町の断水29日に復旧の見通し 住宅に流れ込んだ土砂をボランティアが撤去

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 台風8号による被害の発生から9日目の22日、大きな被害を受けた松崎町雲見では、重機を使って川の底にたまった砂利の撤去が行われました。砂利がたまったまま豪雨に襲われると、再び川が氾濫する恐れがあるためです。

ボランティアが被災家屋の土砂を撤去

 徐々に復旧作業が進む中、町内のごみ処理施設には、積み上げられた家財の山があります。土砂をかぶって使えなくなった食器や畳のほか、絵画などが見られます。

 22日の復旧作業には、41人のボランティアが参加し、被災した住宅を回り、土砂の撤去などを行いました。しかし、日常を取り戻すまでは、まだ時間がかかりそうです。

 民宿「吉右衛門」の店主は「年内は無理だと思うので、どのくらいになるかちょっと分からない」と話していました。

 復旧作業で大きな力となるボランティアに、日曜日の21日には52人が参加しました。ボランティアに「初めて参加する」という裾野市民や長泉町民がいる一方、「数えられないくらい参加している。東北(の災害)のときからずっとやっている。できる限り安全に1日を終えたい」と話す伊東市民もいました。

畳がなくなり骨組みだけの部屋も

 ボランティアが向かったのは、もともと民宿として使われていた建物です。ある部屋はもともと一面に畳が敷かれていましたが、骨組みだけになってしまいました。

 ボランティアは畳の下にまで入り込んだ土砂をスコップやバケツを使って手作業で取り除いていきました。また、断水した高齢者世帯へ飲料水の配達も行われました。断水が続く中、少しずつ水が使えるようになった家もありました。

 住民の一人は「なぜこんな(水が)余っているかというと、(1~2日前ぐらいから)トイレが使えるようになったから」と話します。

長引く断水…復旧のめどは29日

 消火栓を使用して応急的な送水を開始したため、一部で水が使えるようになりました。ただ、消火栓の水は飲み水としては使えないため、給水の支援は欠かせません。

 さらに浄水場より高い場所にある家は、完全に断水している状態が続いています。

松崎町の深澤準弥町長は「今回の断水の原因は、増水した後に水をためておく入谷地区の配水池脇の土砂崩れで配管が破損した。今回は雨量が多かっため、単純に切断したパイプを接続することで復旧させるのは非常に難しく、断水が長引いている」と話します。

 松崎町によりますと、26日には配水できる状態になり、検査機関の試験を経て、29日には上水道を復旧させる見込みだということです。