進まないワクチン接種…予約開始の予定は急きょ変更 市民は「子どももいるし、早く打ちたい」 静岡市

 新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、国は8月中に国民の4割が2回目のワクチン接種を終える目標を掲げています。菅総理は9日、新規感染症の7割が30歳以下だとして若い人の対策が極めて大事だという見解を示しました。

 そのためには若い世代の接種加速が重要になりますが、静岡市ではスケジュールに遅れが出ています。

静岡市 田辺信宏市長(7月21日):「静岡市が求める171箱に対して、(国から)117箱のワクチンしか供給されないだろうことが想定されている。ワクチンの供給に合わせて、接種のペースを落としていかなければならない」

 静岡市は接種の遅れについて、国から供給されるワクチンが想定よりも減ったことを挙げています。ただ、1回目の接種率は32.4%で、同じ政令市の浜松市よりも遅れています。

予約開始は6日の予定だったが…

画像: 予約開始は6日の予定だったが…

 静岡市は50歳未満にもワクチンの接種券を配付していて、同封されたチラシには今月6日から予約ができるとの記載も。しかし、実際にはまだ予約は始まっておらず、市は予約サイトに急遽、変更を知らせる案内を掲載しています。

 当初の見込みが外れ、依然、50歳未満の予約は、受け付けの見通しが立っていません。

市民は

画像: 市民は

こうした状況に市民は…。

40代女性
Q.他と比べると静岡市は?

A.「遅いなと思う。8月6日から予約ができるってことだったけど 予約ができなくて。最近テレビで、また重症化しているとか聞くと怖いので早くやりたい‥」

静岡市民(40代と20代娘)
40代の母:「菅さんとかの話を聞いていると、(若い世代に)早く打ってほしいと言っているじゃないですか。だけど打ちたくても予約が取れない以上は『うん?』っていう感じで…。仕事柄 この子も受付なので」

20代の娘:「患者さんとか高齢者が多いので 打ちたいなとは思うが…、どうせ若い世代はまだ無理だろうなという感じで、ちょっとあきらめちゃってる感じはある」

20代女性:「子どももいるし、うつしたらいけないので、打ちたいという心境です。20代から40代とか50代とか働いている人が主に(外に)出るじゃないですか。なので、そっちの方をできれば優先的に打った方がいいんじゃないかなというのはあるが…」

専門家「高齢者は意外と症状が軽い。ワクチンの効果はかなりあると思う」

 いまだ若い世代への接種が進まない静岡市。

 静岡県の専門家会議の委員の一人で、浜松医療センター・感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師は…。

画像1: 専門家「高齢者は意外と症状が軽い。ワクチンの効果はかなりあると思う」

浜松医療センター 矢野邦夫医師
「やっぱり今見ていると、感染者のかなりが10代。30歳未満で半数以上いっている」
「これまでは高齢者は本当に状況が悪化したが、意外と症状が軽い。むしろ、65歳~50歳の間の方でワクチンを打っていない方が結構肺がひどくなっていたり、状態が悪くなっているので、ワクチンの効果はかなりあると思っている。」
「(感染者が)300、400になってくると、その中に重症の方が出てくるので、比較的若くても。なので、そんな方々で亡くなる方は十分ありうると思う」

 現在の感染状況を踏まえると、重要なのは若者への早急なワクチン接種だと警鐘を鳴らしています。

画像2: 専門家「高齢者は意外と症状が軽い。ワクチンの効果はかなりあると思う」

田辺市長(6日):「ワクチンの接種に期待している。コロナウイルスとの長い戦いは、地道に基本的な対策を実践することと並行して、ワクチン接種率の向上である」

 直近の会見で、こう語った田辺市長。50歳未満のスケジュールの発表が待たれます。

       (8月10日放送)