音楽と絵画で伊東を感じ取ってそれを伝えていく~シンガーソングライター藤森愛さん31歳
シンガーソングライターが「私の伊東」と題した 風景画展を開いています。絵と音楽で町の魅力を伝える女性の思いを取材しました。
藤森愛「♪ベイビー、ベイビー、ベイビー」
観客「ベイビー、ベイビー、ベイビー」
シンガーソングライターの藤森愛さん。
事務所には属さず、自らプロデュースして活動するアーティストです。
このライブは、イラストレーターの顔を持つ彼女の風景画展に合わせて行われたイベントです。
ライブ会場となった伊豆高原駅やまもプラザで8月末まで風景画展「私の伊東」を開催。
伊東の路地や商店などを題材に31点が展示されています。
この絵は、熱海から伊東の中心街に向かう135号線沿いの光景です。
こちらの作品は、伊東駅入口の交差点の風景が忠実に描かれています。
絵を購入した観光客:
「一目見てこれが僕の伊豆だという色と場所が出てました。小さな絵の中に凝縮されていたのが、とっても心に残ってすぐ購入させて頂きました」
イラストレーターとしても活動する藤森さん。
これまで風景画を描いたことがありませんでしたが、伊東での暮らしが創作活動に影響を与えます。
藤森愛さん:
「この町に引っ越してきて、感化されることが多かった。ここでの暮らしとか、そこに住まう人たちがすごく美しいなと思った」
外から来た「自分にしか見えていない美しいと感じたものを作品にしたい」と風景画を始めました。
伊東市新井
こちらは藤森さんが好きだと言う新井の町。
人口745人で伊東魚市場があり、干物店が軒を連ねる漁師町の作品です。
藤森愛さん:
「山の斜面に沿って家が建っていて、そこが惚れた理由なんです。自然と共に暮らしていて坂の上から海も見えたりして、山も見えて本当に美しい場所だと思って」
作品を見た地元・新井の人たちは・・・。
伊東市新井の住民:
「よく描けてるなと愛ちゃんの気持ちが移っているような感じに映りました」
伊東市新井の住民:
「作品は見た感じ昭和レトロ、自分たちが普段生まれ育った町でしっかり忠実に描いて頂いて感動しました」
伊東に移住
去年、伊東の町に魅かれて移住した藤森さんは、名古屋市出身。
元々は週刊少年雑誌の漫画家志望でしたが、音楽との両立が難しくなり断念。
その後、音楽も諦めて高校教師になりますが、再び音楽の道を選びました。
しかし、東京で暮らしていた2年間は、コロナ禍で活動も出来ず、だんだん心と体が塞ぎ込んでしまったと言います。
藤森愛さん:
「都会の喧騒に疲れていたんですね。その時に自分の心の癒しとなったのが海だったので、海の近くに暮らしたいと思って」
そして去年11月、雨が降っていた伊東に初めて降り立ちます。
藤森愛さん:
「この町の雰囲気がすごく気に入って、ここでなら暮らせるなって思ったんです」
理想とする海に出会い、伊東に移住することを決断。
去年12月に一軒家で暮らし始めます。
藤森愛さん:
「もう本当に穏やかに暮らせていて、日々心が癒されていく感じがあって。今まで鳥の鳴き声とか、風の音とか、天気だったり、全く気にしなかった」
新曲を制作
♪「プロローグ~鳥のさえずり」
町で聞こえる鳥のさえずりや吹き込む潮風など、漁師町の新井で見られる情景を音楽で伝えたいと新曲を制作。
新井の町の空気感(雰囲気)を音に変換するのが難しかったそうです。
「静かな海が鼓動のように~」
このミュージックビデオは、藤森さんが撮影から編集までこだわって行い、新井の古い街並みが描かれています。
♪「囁いてくる優しく優しく~」
8月12日に行ったライブでは、8曲を披露し、およそ40人に歌声を届けました。
藤森愛さん:
「31歳の自分にとって必要な場所は新井という場所だった」
伊東に移住したことで、創作意欲が湧き、今、満たされているという藤森さん。
藤森愛さん:
「この町を見つけられてラッキーだなって思いますね。私は今を全力で生きて、伊東を色んな面から感じ取って。それを伝えていくっていう役割もできるのかなとは思ってます」