「いないはず」の地域にも…クマの目撃相次ぐ① ハイキングコース周辺で目撃された静岡市・薩埵峠の現場 / ニュースの現場
北海道福島町にある大千軒岳で、クマに襲われ亡くなったとみられる浜松市出身の22歳の男子大学生は、10月29日から 1 人で登山に出掛け、その後、行方が分からなくなっていました。
警察によりますと、大学生の遺体は11月2日、登山道から少し外れた場所で見つかりました。死因は、全身に激しい損傷を受けたことによる出血性ショックで、近くで、クマの死がいが見つかったことから、このクマに襲われたとみられています。
人を襲う野生のクマ。今年は全国各地で被害が多発しています。
静岡県内でも、10月から11月にかけ、「クマがいない」とされていた伊豆半島でクマが発見されたり、富士市の住宅街付近にクマの出没情報が相次ぐなど、緊張状態が続いています。今週、県は、クマ出没マップをホームページで公表。今年度は、10日までに72件のクマ目撃情報が報告されています。そのうちの1つが、静岡市清水区の薩埵峠のハイキングコース周辺です。
ハイキングコース入り口に注意喚起の看板
伊地健治アナウンサー(9日):「静岡市清水区興津から薩埵峠に向かうハイキングコースに入ってきました。入り口に入るとすぐにですね。目新しい看板があります。クマ目撃注意って書いてありますね」
静岡市によると10月25日と26日の2日間で、「クマを見た」「黒い動物を見た」という内容の目撃情報が3件寄せられました。どんな場所なのか現場を目指して、山を登ることに。
伊地アナ:「車を置いた駐車場から5分ほど上がってくると、もう薩埵峠に着きました。ここから先を見ますと、きれいに富士山が見えます。駿河湾と富士山です。これだけの素晴らしい景色ですから、ハイカーの皆さんに人気があるのはとてもよくわかるんですけれども。実はこの先で複数回、クマが目撃されているんです」
コース途中には柿の実が
ハイキングコースの途中には、柿の実がなっている場所がいくつもあります。
伊地アナ:「このあたりですね、柿が落ちています。腐って落ちたのか、あるいは何か野生動物が食べたのか。そして他にもアケビが結構いくつも落ちているんですよね。全部こう中がないですから。どうなんでしょうね。この辺りだったら、猿がいてもおかしくはないと思いますけれども、なにか野生動物が食べたのかもしれません」
伊地アナ:「ちょうどここでですね、通行禁止となっています。この先のハイキングコースがちょっと崩れているため、通行禁止になっていて、こちらがちょっと茂みの中になりますけど、迂回路を通ってくださいということになっているんですが、あっ、あちらですね。クマ出没注意の看板、あそこにもあります」
クマが目撃された場所は
クマが目撃されたという迂回路に入っていきます。うっそうとした茂みで、少し暗くて狭い下り道です。
伊地アナ:「迂回路を少し降りてきますと、谷になっているんですけれども。少し広い場所があって、この辺りが複数回、熊が目撃された場所のうちの一つということなんです。ちょっとこのあたりの斜面、植木鉢ですとかね。割れたものが無造作に転がっていて、何かこう産業廃棄物がちょっと捨てられたのかなというような場所なんですけれども。そういったところに混じってですね。これはジュースなどの清涼飲料水ですね。甘い飲み物の空き缶も含まれています。もしかするとこういった中にですね、少し臭いの出るなんか甘い液体というものが残っているのかもしれません」
5年ぶりに、薩埵峠を登りに来た男性に話を聞くと…。
静岡市73歳男性:「ちょっと怖いなと思いますけど。そうそう行き会うことはないとは思いますけど。本当にここに出るなら、鈴とか付けなきゃいけないかなと思いますけど」
Q.ほぼ海に面しているとこでクマが出るのを聞いてどう思われますか?
A.「やっぱり何かおかしいなあ、と思いますけど」
目撃現場から30メートルほど歩くと、道路に出てきました。
伊地アナ:「この辺りにくると車の音がするんですが、実はこの下、東名高速道路が走っているんです。ここから北側に山々がありますけれども。あるいは熊は、この山々、北の山々から東名高速道路を越えて、まさに海に近いこちらの山林に来たということも考えられます」