断水、土砂崩れで道路寸断、床上浸水でボランティアが大きな力…2万トンもの災害ごみも 台風15号の影響続く /今週の静岡
女性:「出ましたね、これで手が洗える。」
大規模な断水が徐々に解消されている、静岡市清水区。しかし、1週間前に来た台風15号は、静岡県中部だけでなく、磐田市にも大きな爪痕を残していました。
1時間に100ミリの雨…磐田市では土砂崩れに住宅が巻き込まれ道路が寸断
高橋諒記者:「磐田市神増地区に来ています。あちらが台風の影響で土砂崩れが発生した現場です。山肌が露わになっています。そして、すぐ下には民家が立ち並んでいるんですが、土砂によって押しつぶされてしまっています」
台風15号によって、1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降ったとみられ、磐田市付近には記録的短時間大雨情報が2回出されました。この影響で、磐田市北部に位置する神増地区で土砂崩れが発生。けが人こそいなかったものの、多くの住宅が巻き込まれました。
近隣住民:「竹が割れるバキっていう音があって、その時に上から(土砂が)流れてきたと思う。やっぱり恐怖感はありますよね」
土砂崩れによる被害は、住宅だけではありません。
高橋諒記者:「木や土砂で道路が完全に埋まってしまっています。そして、その先には県道があるんですが、近くの標識は半分以上、土砂で埋まってしまっています」
磐田市を南北に結ぶ、県道44号。およそ350メートルにわたって流れ出た土砂が道路を寸断、通行止めとなっています。道路脇に積まれた土砂は、人の背丈を超えるほどの量です。
床上浸水も…ボランティアが活躍
災害ボランティアが復旧に向けた大きな力になっています。磐田市北部では近くを流れる敷地川から水があふれ、大きな被害が出ました。
西尾梓アナウンサー:「橋の部分が下に折れ曲がっています、そして、その上には当時流れ出たであろう流木がまだ絡まっている状況です」
こちらの住宅は床上1メートル50センチほどまで浸水。ボランティアは被災した住民の要望を聞きながら、作業に当たります。
ボランティア「この泥を外に出せばいい?」
住人「この泥を運んでもらいたくて」
9月30日の磐田市は最高気温28.6℃と、熱い1日となりました。およそ15人のボランティアは熱中症に気を付けながら、乾いて固まってしまった土砂を運び出したり、浸水して動かなくなった車を4人がかりで移動させたりしていました。
ボランティアを依頼した住民:「人の手でやらなければいけないところが多いので、そういうところに入っていただけているのはすごくありがたいです。すごい力になってもらえて、日々毎日、一個一個できることをやっている。何とか気持ちを保ちながらやっている」
磐田市は、1週間から2週間程度で、県道44号の通行を再開させたいとしています。
静岡市では災害ごみで歩道がふさがれ
問題は、静岡市の住宅地にも…
梅田航平記者:「浸水被害にあった家から運び出された災害ごみが、およそ100メートル続いています。運び出された大量のごみで、歩道がふさがれてしまっています」
日常生活を取り戻そうと、住民たちの片づけが進むほど、増えていく“災害ごみ”。公園にも山積みになっています。
ごみ収集車がやってきましたが、全てを回収できるわけもありません。搬出されるごみの量に、回収が間に合っていないのです。
近隣住民:「出すところが無くなって、だんだん見た通り道路に出すようになっちゃった。出さなきゃどうにもならないし、役所とかは『早く処分してください』という話で、言うことは分かるが出すにしても置くところが無ければどうするんだって」
静岡市は清掃センターへの災害ゴミの搬入については自粛を要請しています。
近隣住民:「行政の方が対応が遅れて困る。ごみは2メートル近い高さになっている。中には生ごみを入れているところもあるでしょ。それで余計臭くなっているのではないか」
近隣住民:「今回土が流れてきちゃって、床上まで来てどの家も大変だと思うが、水だけだったらまだ多少は良かったかなと思う。だから早め早めに来てくれると助かる、こちらも」
こうした中、静岡市は9月30日、2回目の対策本部会議を開催しました。
静岡市 田辺信宏市長:「この度、エネオス株式会社のご協力をいただき、清水区袖師に市民の皆さんに災害ごみをお持ちいただけるような大型の仮置き場を設置することが決定した。目下、その受け皿を作るべく鉄板を敷くなど急ピッチで準備を進めている」
JR清水駅東口前にある、石油元売り大手「エネオス」の所有地に仮置き場を開設すると発表しました。しかし、実際にゴミを運びこめるようになるのは、週明けの3日の月曜日からです。
近隣住民:「土日やってくれればいいじゃんと思う。こっちは税金を払っているし、土日の間は何するのかな。遅いなと思う。」
今回の大雨被害による“災害ごみ”の量は、推定で2万トンを超える見通しだといいます。日常を取り戻しつつある一方で、問題も山積みとなっています。
(10月1日放送)